ハウジングとホスティングの違いは?それぞれのメリットやデメリットを解説

  • 2023/6/13
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サーバー運用を委託する際のアウトソーシング形態には、ハウジングとホスティングの2種類があります。
サービス運用の外部委託を検討している企業担当者のなかには「ハウジングとホスティングの違いがよくわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ハウジングおよびホスティングの概要、ハウジングとホスティングの違い、それぞれのメリット・デメリットなどを解説していきます。

 

ハウジングとは?

はじめに、ハウジングの概要やホスティングとの違い、ハウジングやホスティングが企業で利用されている理由について見ていきましょう。

ハウジングの概要

ハウジングとは、サーバー運用を委託するITアウトソーシング形態の1つです。データセンター設備やラック、通信回線、電源を事業者から借用し、借用したラック内に自社のサーバーを設置します。
ハウジングでは、ラックなどを借りて自社のサーバーを設置はするものの、サーバーの運用自体は基本的に自社(借用した顧客)が遠隔操作により実施することになります。
なお、ITアウトソーシングサービスについては以下の記事でも紹介していますので、合わせてご確認ください。
関連記事:「ITアウトソーシングとは?低コストから委託できるおすすめサービスをご紹介

 

ホスティングとの違い

ホスティングは、データセンター設備やラック、通信回線、電源だけでなく、サーバー自体も事業者から借用するサービス形態です。サーバーも借りることから、「レンタルサーバー」とも呼ばれます。
ハウジングとホスティングの大きな違いは、サーバーを自社で準備するか、事業者から借りるかの差異です。ホスティングでは、事業者が保有するサーバー内の決められた容量だけを借りて運用することになります。

ハウジングやホスティングが利用されている理由

データセンターやサーバーの設備をすべて自社で構築・運用する場合、膨大な構築コストや運用コスト、セキュリティ対策コストなどがかかってしまいます。
自社の予算や人員だけですべての環境を整備できる企業は多くないため、ハウジングやホスティングを利用することが多くの企業にとって有効な選択であると言えるでしょう。
具体的には、ハウジングやホスティングを利用することで、自社で準備しなくても以下のような恩恵を享受できます。

  • 耐震・免震などの災害対策・BCP対策
  • 複数のユーザーで設備をシェアすることよる敷設費用などのコスト削減
  • 生体認証や監視カメラなどの万全なセキュリティ対策

 

ハウジングのメリット・デメリット

ここでは、ハウジングのメリットとデメリットをそれぞれ確認していきましょう。

ハウジングのメリット

まず、ハウジングの主なメリットは、以下の3点です。

  • 自社でサーバーを調達するため、サーバーのスペックや容量などを自由に決められる。
  • 自社の既存のサーバー設定をそのまま持ち込んで継続使用することも可能。
  • サーバー通信に利用するネット回線の自由度も高く、高速な回線の整備などもできる。

自社でサーバーを用意するため、サーバーのスペックや設定、周辺の回線などを自由に検討できる点が大きな魅力と言えます。

ハウジングのデメリット

一方で、ハウジングのデメリットとしては、以下のような点が考えられます。

  • 基本的にサーバーの保守・運用は自社で責任を持って行う必要がある。
  • ハウジングにあたり、最初のサーバー調整や導入、回線整備などの受け入れ準備に時間がかかる。
  • ホスティングに比べて月額料金が高くなる傾向にある。

自社でサーバーの調達・運用を行う分、サーバーの保守・運用の責任は自社で負う必要があります。また、導入や回線整備などの準備が必要なため、すぐに利用開始できない点もデメリットです。

 

ホスティングのメリット・デメリット

続いて、ホスティングのメリットおよびデメリットについてそれぞれ解説します。

ホスティングのメリット

ホスティングのメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • ホスティング事業者が所有するサーバーを借りて運用するため、自社でサーバーを調達する必要がなく、利用プランや容量などを決めて契約すればすぐに利用開始できる。
  • ホスティングでは、サーバーの運用は基本的にホスティング事業者が行うため、自社でサーバー運用を行う手間が省ける。ハウジングに比べて料金が安価な傾向にあり、容量を使う分だけの料金負担で運用できる。

ホスティングでは、自社でサーバーの調達や運用などを行う手間を省ける点が大きなメリットです。

ホスティングのデメリット

反対に、ホスティングのデメリットは以下のとおりです。

  • ホスティング事業者のサーバーに依存し、サーバー構成や回線などを自社で決めることができない。
  • 同一のサーバーを複数の他社と共用で使う場合、利用状況によってはサーバーの処理速度が遅くなる場合がある。
  • ホスティング事業者にサーバーの運用を委託しているため、万が一サーバーダウンなどが生じた場合に自社での解決ができず、事業者の復旧対応が終わるまで待つしかない。

ホスティングは、すぐに利用開始できる手軽さが魅力である一方、自社の裁量でサーバーの構成検討や復旧対応などを実施できない点がデメリットです。

 

ハウジングとホスティングどちらを選ぶべきか?

ハウジングとホスティングのどちらを選ぶべきかは、企業の運用体制や要件などによって異なります。以下のような特徴を持つ企業の場合は、ハウジングが適しているでしょう。

  • 自社内でサーバー運用を行うための十分なスキルや運用工数がある。
  • すでにサーバー運用をしていて、既存設定をそのまま引き継ぎたい。
  • 自社独自の要件に合ったサーバー構成や回線で運用していきたい。

反対に、ホスティングが適している企業の特徴は以下のとおりです。

  • 自社でサーバー運用を行うためのスキルや経験があまりない。
  • 新しくサーバー運用を開始するため、既存の設定などを継承する必要がない。
  • サーバー構成や回線などにこだわりがなく、手軽にサーバーを借りたい。

 

まとめ

ハウジングは、事業者からラックなどを借りて自社のサーバーを設置し、サーバーの運用は自社で実施するアウトソーシング形態です。
一方のホスティングは、サーバーも事業者から借用するため、レンタルサーバーとも呼ばれます。
自社にサーバー運用を行う十分なスキル・体制があり、自社のサーバー要件に沿った設定・運用を実施したい企業は、ハウジングが有効です。
反対に、自社でサーバー運用を行うためのスキル・リソースが不足している企業やサーバー要件にこだわりがなく手軽にサーバーを借りたい企業は、ホスティングが適しています。
自社の要件や運用体制に照らして適切なアウトソーシング方法を選択し、運用効率化を実現していきましょう。

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