【TRON】Windowsにも匹敵する幻の国産OSをご存知でしょうか
本記事の内容
幻の純国産OS:TRON(The Realtime Operating system Nucleus)をご存知でしょうか。
本記事ではTRONについて解説させて頂きます。
この記事の目次
幻の国産OS【TRON】について
OSというとWindowsやMacなどをイメージされる方も多いかもしれません。
これらの有名なOSは海外メーカーのMicrosoftやAppleが提供しているOSです。
しかし今から約40年前に純国産OS「TRON」が存在し脚光を浴びた事をご存知でしょうか。
一歩違っていれば今私たちが使うパソコンのOSはTRONになっていたかもしれません。
環境のご説明
今回説明する環境ですが下記の通りとなります。
項目 | OS | Microsoft Office | メモリ | Bit数 | ネットワーク |
---|---|---|---|---|---|
内容 | Windows10 Enterprise | Office2016Professional | 8GB | 64bit | 無線LAN |
TRONとは(The Realtime Operating system Nucleus)
TRONとは「The Realtime Operating system Nucleus」の略称で
今から約40年前の1983年に日本人「坂村健教授」によって開発された国産のOSです。
OSにはパソコンなどに使われる情報処理系のもとと組み込み式のものがあります。
組み込み式OSは自動車のカーナビ、情報処理以外のスマホの動作、人工衛星のネットワークなど一般家庭から宇宙で使用されるものまでありとあらゆるものに使われています。
TRONが大事にしているところはまさにRealtime(リアルタイム)ということです。
モノに組み込まれているOSは即時性が最も大事とされるのでそこにこだわっているOSです。
またスマホならばiOSやAndroidが有名でそれしかスマホで使われていないと思われている方もいらっしゃると思いますが、データを基地局とRealtimeにやり取りしているコンピューターのOSはTRONが使われています。
また皆さんの記憶に残っている人工衛生の「はやぶさ」を制御しているOSにもTRONが使われています。
まさに縁の下の力持ちと行ったところでしょうか。
TRONの種類
TRONには実は複数のバリエーションのOSがあります。どのようなものがあるのでしょうか?
I-TRON
あらゆる機会に組み込まれるマイコンに使用される組み込み式OS。
現在最も普及しているTRONです。
B-TRON
いわゆるパソコン用のOSです。
こちらがAndroid Microsoft APPLEなどが目立ってきてしまったので幻となってしまったのかもしれません。
C-TRON
サーバー用のOS通信系のセンターの役割を担っています。
M-TRON
全体的な調整をするOSです。
IoTの考えを当時からもっていた
坂村健教授は様々なものにコンピューターが使われネットワークで操作できるようになるだろうと考えていました。
現在のIoTの概念ですね。
パソコンが一般的に普及する前にこの構想を練っていたとは先見の明があります。
TRONの優れた性能とは
パソコン版のTRONはB-TRONと言われていました。
パナソニックと産学をあわせて開発が進んでいきました。
その技術は革新的で、誰でも使いやすい仕様にされていました。
その当時のOSはソフトを立ち上げるのにコマンドを入れないといけなかったのですが
TRONはマウスのクリック一つで立ち上がる方式をとっていました。
現在のPCのようですよね。
教育現場やPCにTRONOSを組み込もうという流れが主流になっていました。
しかし現実にはそうはならなかったのです。
TRONが消えてしまった?
教育現場やメーカーなどさまざまなところで導入されるのが決まりかけていたのですが
アメリカから名指しで非難されてしまいました。
実は日米貿易摩擦の被害をうけてしまったのです。
一年後に制裁を解除されたのですが、ごたごたに目をつけられたくないメーカーは
Windowsの導入を決めてしまいました。
これは本当に時期が悪かったとしか言いようがありません。
B-TRONがもっと早く開発されていたら違った世界になっていたかもしれません。
IoTの世界はもっと早く進んでいたかもしれませんし
もしかしたらシリコンバレーは日本にあったかもしれません。
TRONが世界標準に
B-TRONは残念ながら日の目をみることはありませんでした。
しかしI-TRONは違います。
組み込み式OSとして最も普及しているOSの地位を確立しています。
組み込み式OSの代名詞として地位を確立したTRONですが、世界標準になる可能性を秘めています。
坂村教授はIoTの世界を早期に実現したいと考えており、技術を無償提供されています。
またアメリカの電気電子学会のIEEEによる国際標準規格になっているのです。
現在TRONの技術は世界各地にインターネットを経て普及していってます。
また坂村健教授はTRONの著作権を放棄しました。
完全にオープンソースとなっていて様々な方に使われる余地を作ってくださったのです。
TRONはシンプルな使い方ですので発展途上国の技術者でも使いやすく、様々なアイデアが生まれてくる可能性を秘めています。
まとめ
B-TRONは残念ながら日の目をみることはなく、私達の目に直接触れることは少ないかもしれません。
しかし身近な機械を動かしているのは実はTRONです。
国際標準規格になるTRONはますます身近になってくるかもしれません。
もしかしたら貴方もTRONエンジニアとして起業できるかも?
本記事の内容
幻の純国産OS:TRON(The Realtime Operating system Nucleus)をご存知でしょうか。
本記事ではTRONについて解説させて頂きます。
結論
利益を追求した結果素晴らしい技術が日の目を浴びないことになる一例です。
オープンソースはさらなる技術の発展の可能性を秘めています。
高村健教授は世界の偉人に選ばれるような素晴らしい人物ですよね。
本記事も最後までお読みいただきありがとうございました。