情報セキュリティ・モラルに関する指導者向け教材を公開-IPA

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、情報セキュリティ・モラルに関する指導者向け教材として、新たに22種類のパワーポイント資料を公開した。これらは「小学校低学年」「小学校高学年」「中学生・高校生」「保護者・一般」の対象者別に、「SNSとのつきあい方」「知っておきたい情報セキュリティ」など7つのテーマで構成されている。
若年層をターゲットとした資料構成ではあり、その表現も大人向けではない。しかしながら、本サイトでも三段用語辞典に小学生向けを意識した解説を行っているが、わからない人に向けた解説だからこそ、その本質がとらえられるのではないかと思う。
社内向けの啓蒙資料を作成したい場合は、表現は変えるにしてもその解説の仕方や構成は大いに参考になるのではないだろうか。

この記事の目次

教材の構成

オープニングでは情報モラルや情報セキュリティの在り方、エンディングではこれからやってくるSociety 5.0などを解説しているが、本編となるメインスライドは22種類もあり、保護者・一般以外でも改めて理解しておいてもらうとよい内容も数多くある。

以下のコンテンツなどは、企業においても当てはまるケースであり、企業版に作り替える際の参考になるであろう。
【10】「あなたのパスワードは大丈夫?」ID、パスワードの重要性
【16】「IP、ドメイン、ネットワークって知ってる?」インターネットの仕組み(上級編)
【22】「BYODの時代へ」学習活動におけるICT機器の利点と注意点

 

IPAの狙い

IPAでは、多様なインターネットサービスの出現やスマートフォンの普及により、若年層のインターネットの利用時間は増えていると考えている。IPAが毎年実施している調査*1においても、10代の情報セキュリティの脅威に対する認知度が他世代に比べ高い傾向にあるという。一方、他人に推測されにくいパスワードを設定している割合は10代が一番低い傾向*2となっており、ネットを安全に利用するための意識は十分とはいえない状況であることが伺える。このようなバランスの悪さを解消する策の一つとして、今回の教材がある。

公開された教材は7テーマで22種類あるが、15分相当のパワーポイント資料であるという。
また、教材を作成するにあたり、以下のポイントに注意して作成しているという。

  1. 講義要領やパワーポイントのノート機能を充実させ、事象や用語に精通していない指導者でも講義が可能なこと
  2. 受講対象者の理解度に合わせた単語や表現を用いていること
  3. 対象、テーマ、実施時間に合わせ、22種類の資料を組み合わせて使用することが可能なこと

これら教材は、主に教育関係の指導者向けであるが、IPAが全国で主催する「インターネット安全教室*3」でも使用される。
尚、講義資料は下記URLからダウンロードが可能となっている。
URL:https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/material.html

 

*1:情報セキュリティの脅威に対する意識調査 スマートデバイス編 P94 https://www.ipa.go.jp/files/000070256.pdf
*2:情報セキュリティの脅威に対する意識調査 スマートデバイス編 P110 同上
*3:2019年度は、教育関係者向けに全都道府県で各1回実施する他、一般ユーザー向けにも50回程度の開催を予定 https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/net-anzen.html


本レポートは、IPA様のプレスリリースを元に作成しております。
ソース:https://www.ipa.go.jp/about/press/20191128.html#L1

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