新データセンター開設によりSTT GDCは国内データセンター市場に参入

STテレメディア・グローバル・データセンターズ(以下、STT GDC)は総合不動産グループのグッドマンとともに千葉県内に2棟のデータセンターを新設し、国内データセンター市場に参入する。

<出典:グッドマンジャパン>

シンガポールのデータセンター運営大手、STテレメディア・グローバル・データセンターズ(STT GDC)は、グッドマンが千葉県に開発する建屋を貸借し、新たなデータセンター2棟を開設する計画を発表した。

STT GDCの社長兼グループ最高経営責任者であるブルーノ・ロペス氏は今回の発表に際し、以下のように述べている。

「今回の投資によりSTT GDCは初めて日本のデータセンター市場に参入します。5Gサービスの構築とデジタル化の推進が急務とされ、高品質なデータセンターサービスへの需要が高まる市場で、グッドマンと協力してニーズに対応できることを嬉しく思います。
グッドマンはインダストリアル不動産の所有+開発+管理を行う世界有数の企業として優れた実績を誇り、STT GDCは最先端のキャリアニュートラルなデータセンターを運営する独自のノウハウを有しています。両社の協力により、拡大する日本の需要に対応する万全の体制が整いました。」

2棟の延床面積は合計6万平方メートル、IT電力は2棟合計で60メガワットとなる新たなデータセンターキャンパスは、千葉県印西市のグッドマンビジネスパーク内に開発される予定だ。
グッドマンビジネスパークは複数の物流施設やデータセンターから構成される総合的なビジネスパークであり、すべての施設が竣工すると総賃貸面積は80万平方メートルを超える、巨大ビジネスパークとなる。この印西市はIT業界では大規模なデータンセンターが集う「DC(データセンター)銀座」として知られているエリアである。
同グッドマンビジネスパークにはGoogleのデータセンターも建設されると噂されており、今回、更にデータセンターが増えることになる。
このようにデータセンターが集まることで電力会社も電力供給を増強するようになり、通信網も整備されるなどメリットもある。(故に、DCがDCを呼ぶとも…)

今回のプロジェクトではグッドマンがコア&シェルを開発し、2棟の建物をSTT GDCに長期にわたり賃貸する形をとる。(GoogleはDC建設用地取得)
STT GDCは最先端のデータセンターのフィットアウトと運営に注力し、第1棟は2024年の第2四半期にサービスを開始する予定だ。

 

「既に電力が確保されているため、今回開発するキャリアニュートラルのデータセンターは、増大する需要を背景に大規模な施設を必要としているハイパースケーラーや企業の、拡張性に対するニーズを満たすことを目的として設計されています。このプロジェクトにより、日本市場でビジネスの拡大を図るカスタマーと共に当社のビジネスも成長し、 日本のデータセンター市場に優れた価値をもたらすことができると確信しています。」

STT GDCの北東アジア担当CEOであるニコラス・トーは上記のようにコメントしている。

また、グッドマンのCEOであるグレッグ・グッドマンは次のように述べている。

「急成長するグローバルデータセンター事業者であるSTT GDC社をグッドマンビジネスパークに迎え、パートナーとして今回の開発プロジェクトに取り組むことができることを大変嬉しく思います。入居企業だけでなくコミュニティーの皆さんにご利用いただいているアメニティ&リテールエリアを含め、8つのステージに分けて段階的に開発を続けてきたグッドマンビジネスパークは、本賃貸借予約契約の締結により、すべての施設を稼働もしくはご成約いただくこととなりました。STT GDC社とのパートナーシップは、魅力的な立地に高品質な施設を提供してカスタマーのニーズに応えるという、グッドマンのグローバル戦略を反映しています。本プロジェクトにもサステナビリティ機能を取り入れ、サステナビリティと最高水準のアメニティをカスタマーに提供するという当社のコミットメントを実践します。」

内閣官房の成長戦略会議はイノベーションの推進により国内の経済成長を押し上げることを目指しており、デジタルトランスフォーメーションはその核心となる分野である 。
また、5Gは2026年までに国内の最も主要な携帯電話技術となり、5Gの加入回線数は2029年までに1億5,100万に達すると予測されている 。
さらなる利用が見込まれる大型のハイパースケールデータセンターは、デジタルトランスフォーメーションの取り組みと5G通信サービスの拡大を支える極めて重要な役割を果たすことは間違いがない。

PaaSやIaaSの利用が進めば、BCPの観点からバックアップも同一サイト内でのスナップショットだけではなく、物理的に異なる別サイトでのバックアップなども必要となってくる。
そして、サイトが海外にあると国内法が準拠されないという点も国内データセンターニーズの背景にあるだろう。
このようなことを考えると、まだまだ国内データセンター需要は不足しているのかもしれない。
しかしながら、世界的に見ても高い電力、(首都圏に建設するとなると)高い地代など、国内データセンターを取り巻く環境は決して良いことばかりとはいえない。

印西市に建設されているデータセンターは大手が多いので、突然の「サービス終了」となるリスクは少ないかもしれないが、DXで事業をデジタル化したにもかかわらず、「年内でデータセンターを閉鎖します」というような事態に陥らないためにもデータセンター選びは重要と言えよう。

 


本レポートは、メディアリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://jp.goodman.com/who-we-are/media-centre/media-releases/20211007-st-telemedia-global-data-centres-announces-two-new-data-centres-in-tokyo

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