松田軽太の「ボッチ情シスノススメ」#22:メインフレームとデータ交換する際に文字コードを変換する方法

松田軽太の「ボッチ情シスノススメ」、タイトルだけ見ると情シス不要と言っているように思われるかも知れませんが、思いはまったくの”逆”。様々な事情によりやむなく”一人きりのボッチ情シスや専任情シス不在”という状況になってしまっても頑張っていらっしゃる皆様のお役に立つような記事をお届けしたいと思っております。

#内容はこれまでと変わりありませんが、大人の事情によりタイトルを変更してお届けさせていただきます。

昨今はDXブーム真っ只中。「さぁ、DXだ!事業の足かせにしかならない大昔から使っているメインフレームなんか捨ててしまえ!」とどこぞのITコンサルティングから言われたりしているのではないでしょうか。

なるほど、ごもっともです。 しかしながら…。
IT予算を潤沢に用意できる大企業ならいざ知らず、多くの中小企業では、実務でよほど困らない限りは過去のソフトウェア資産を使い続けるという選択をし、結果としてメインフレームを継続して使っているという会社もまだまだいらっしゃるでしょう。

このようなメインフレームで基幹システムを運用している会社とデータ交換する必要がある場合、問題になるのが「文字コード」ではないでしょうか?
パソコンの文字コードと違ってメインフレームの文字コードはEBCDICやパック形式が使われており、変換しないと文字化けしてしまいます。

ということで今回は文字コードの変換ツールを調べてみました。

 

F*TRAN+

まずは富士通が販売している『F*TRAN+』です。

<出典:富士通>

https://www.fujitsu.com/jp/group/bsc/services/ftran/ftranp/index.html

<機能解説>

F*TRAN+は、汎用機/オフコン/UNIXなどのホストのファイル転送データと、パソコンの標準であるWindowsRファイルとのデータ交換をする汎用性の高いファイル変換ユーティリティです。WindowsRファイル間のデータ変換もできます。

EBCDIC⇔JIS8/ASCII変換はもちろん、富士通、NEC、日立、日本IBMといった汎用機固有の漢字コードの変換が可能です。また、各ベンダーごとに独自に拡張された漢字に対してもサポートしています。UNIXの標準コードであるEUC-JPについても、ベンダー独自の拡張漢字をサポートしています。UnicodeについてもUTF-16(UCS-2)とUTF-8の両符号化方式をサポートしています。

さすがに有償ソフトなので、機能は問題ないと思います。
しかしながら、有償ソフトとなると気になるのは価格ではないでしょうか?

2021年10月時点でサイトで確認すると
F*TRAN+ V8.0 Server → 116,000円
F*TRAN+ V8.0 Desktop → 58,000円
となっていました。

どうでしょう、これくらいの金額なら社内稟議も通りやすいのではないでしょうか?

 

DataMagic データ加工・変換ツール

こちらはセゾン情報システムズが販売しているデータ加工・変換ツール『DataMagic』です。


<出典:HULFT>

https://www.hulft.com/software/datamagic

<機能解説>

コード変換機能
ユーザ定義の外字やEBCDICへの変換、Unicode変換時に問題となるWindows固有文字(~?-¢£¬)に完全対応。CSV、XML形式や階層フォーマットによる全銀・CII等の標準フォーマット変換も可能です。旧バージョンでは、JIS第一、第二水準に定義されていない文字は、外字テーブルの登録が必要でした。最新版の「DataMagic Ver.3」からはSHIFT-JIS、IBM漢字、UTF-8、UTF-16間でコード変換を行う場合、JIS第一、第二水準に定義されている文字以外も変換するか選択ができます。またUTF-8、UTF-16についてはIVS(異体字セレクタ)にも対応しています。

ユーザー定義の外字、EBCDICコードへの変換が可能
同一漢字コード種の外字変換も対応
半角⇔全角変換に対応(カナ/英字/数字/記号)
Windows固有文字(~∥-¢£¬)にも完全対応 *2011年1月末現在
Windows Vista対応として、2,642文字の外字登録用テンプレートをSJIS、UTF-8の両フォントで標準装備

ご覧いただいてわかるように、機能的には十分ではないかと思います。

しかしながら、こちらも有償ソフトとなります。

2021年10月時点の価格をサイトから確認すると
DataMagic Desktop → \60,000~
DataMagic Server → \300,000~

となっています。

特徴は「【早い・安い・簡単が魅力!】GUIの設定だけでデータの加工・変換を行うことができる!」と謳われていますので、変換するのは非常に簡単そうです。
これなら使いやすいなんじゃないかと思います。

 

EDI-Master TRAN for ANYs

こちらは、キャノンITソリューションが販売する「EDI-Master TRAN for ANYs」です。

https://www.canon-its.co.jp/products/edi_master_anys/

<機能解説>

■企業内外の多様なデータフォーマットを相互に変換できる、汎用データフォーマットトランスレータ

EDI-Master TRAN for ANYsは、様々なフォーマットを相互変換する汎用のフォーマット変換ソフトウェアです。EDIにおける取引先とのデータ交換や、自社システム間でのデータ連携に用いることで、システム連携時のインタフェース改修を最小限に抑えられます。 フォーマット変換に加え、文字コード変換や四則演算、データ置換、丸めなどの特殊処理も標準搭載。複数ファイルの同時変換、1ファイルから複数ファイルへの分割にも対応しており、既存システムから新システムへのデータ移行ツールとしても活用できます。

■豊富な文字コード
シフトJISやJIS_8といったWindows系文字コードはじめとして、EBCDIC、IBM漢字、JEF(富士通漢字)などのオフコン系の文字コードにも多数対応。オフコンとの間でのEDIや、オフコンからオープン系へのデータ移行など様々な目的で利用できます。

こちらも機能的には何も問題ないのではないでしょうか。

やはり、こちらも有償ソフトになります。

2021年10月時点の価格をサイトから確認すると

Windows → 300,000円
Linux     → 600,000円

となっています。DataMagicと比べると高めの価格設定となります。
しかしながら、過去の実績を踏まえ、信頼性は高いのではないでしょうか。

 

m2pc (v1.22) コード変換プログラム(フリーウェア)

これまでご紹介したのはすべて有償ソフトとなりますが、「いやいや、ウチはそんな予算なんかとても用意できない。どうにかタダで出来ないの?」と涙ながらに訴える情シス担当者も少なからずいらっしゃるかと思います。

実際、お金をかけずに変換ツールとして使えるフリーウェアも存在しています。

<出典:My ToyBox おもちゃ箱>

http://www.ne.jp/asahi/yuan-jiu/home/old_toybox/index.htm (保護されていない通信となるため、アクセスは自己責任にてお願いします)

<機能解説>

メインフレームで作成されたEBCDICコードとJIS漢字コード(またはEUC漢字コード)の混在する固定長ファイル(例えば,メインフレームからバイナリイモードで転送したファイルなど)を入力し,文字コードを変換し,パソコン上でテキストファイルとして扱えるようにレコードの終端に制御コード(CR,LF/CR/LFの3種類から選択可)を附加して出力します。

EBCDICコード(英小文字用,カタカナ用のどちらでも可)をJIS8単位コードに変換します。
JIS漢字コードをシフトJISコードまたはEUC漢字コードに変換します。
EUC漢字コードをシフトJISコードに変換します。
おまけとして,パック形式のデータをASCII規格のパック形式,アンパック(ゾーン)形式,数字文字列のいずれかに変換します。

変換したいレコードと変換したくないレコードが混在している場合,変換したいレコードを指定できます。(例えば,マルチレコードレイアウトのファイルを,それぞれのレイアウト毎に変換した後,それらをマージすることによって処理できます。)

アルファベットの大文字–>小文字,小文字–>大文字の変換ができます。

この説明文を読んだ限りでしかありませんが、およそ機能的には十分だと思われます。UIなどについてはご愛敬といったところでしょうか。
しかしながら、更新がしばらく前であることなどを考慮すると使用については注意が必要かもしれません。

 

サクラエディタ

「いやいや、変換ツールまでは必要なくて、とりあえずデータの中身が見えれば良いんだけど」という場合もあるでしょう。
そんな際には、まずはエディタで開いて中身を確認するという方法もあります。

ということで、どのエディタだと開くことができるのを調べてみたところ「サクラエディタ」だと大丈夫でした。

<出典:サクラエディタ>

https://sakura-editor.github.io/

インストールやバージョンなどの詳細情報は、上記URLからご確認ください。

また、使い方等については、「サクラエディタ EBCDICファイル 開き方」などで検索すると使い方指南をしているブログなどのサイトを確認できるので、参考にしてください。

 

VBSで変換

「ツールを使うんじゃなくていっそのことVBSで変換できないか?」とお考えになった強者もいらっしゃるかもしれません。
そんな場合は以下の検索ワードで検索してみてください。

「VBS/EBCDICファイルをシフトJISに変換する」
「VBAでシフトJISファイルをEBCDICに変換する」


<Google検索結果より>

検索結果上位のサイトには、変換の為のコードが掲載されていますので、参考になるのではないでしょうか。

 

 

ということで今回は文字コード変換ツールについてご紹介いたしましたが、普段、あまりメインフレームにはご縁の無い方の方がもしや多いかもしれません。
いざというときに、コード変換で困った時のご参考としてBookmarkしておくのはいかがでしょうか?

 

!!!ご注意!!!
記事内で紹介した変換ソフトやツール、コードに関して、動作等の性能保証は致しておりません。自己判断でお使いいただけますよう、お願いいたします。

 

※本記事は松田軽太様許諾の元、「松田軽太のブロぐる」の記事をベースに再編集しております。


松田軽太(まつだ・けいた)

とある企業に勤務する現役情シス。会社の中では「何をしているのかナゾな職場」でもある情シス業務についてのTipsや基礎知識などを紹介する。

ブログ『松田軽太のブロぐる』を運営。

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