2020年度上半期国内パソコン出荷台数調査-MM総研

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI)は、「2020年度上半期国内パソコン出荷台数」を調査した結果を発表している。

<サマリー>
■2020年度上半期の出荷台数は8万台と過去最大規模
■GIGAスクール需要でNECレノボがシェアを拡大
■個人向け出荷が1%増で2上半期連続の増加

GIGAスクールと在宅需要でパソコン出荷が好調

2020年度上半期の国内パソコン出荷台数は786.8万台(前年度同期比0.1%減)と、1995年の調査開始以来最高だった昨年度同期並みの高水準である。
出荷シェア別にみると、首位のNECレノボが34.3%と8ポイント拡大し、メーカーシェアとしては一人勝ちと言える状況ともいえる。これは小中学生1人1台端末を目指すGIGAスクール需要向けにChromebookの出荷台数が大きく伸びたことがシェア拡大を後押しした結果である。(データ1)

また、新型コロナウイルスの流行で在宅勤務や在宅学習が広がったことを受け、個人向け出荷が19.1%増と2上半期連続で増加した。個人向け出荷台数の2上半期連続増加は2011年度上半期以来のことである。

【データ1】2020年度上半期国内パソコン出荷実績


<出典:MM総研>

 

個人向け出荷が2上半期連続の増加

個人向け出荷は、新型コロナウィルス感染症の流行による在宅勤務や在宅学習の増加が需要増につながり、出荷台数は前年度比19.1%増の244.6万台と2上半期連続の増加。
メーカー別シェアではNECレノボ、DELLがシェアを拡大(データ2)。ノートブック、オンラインストアが好調で、2社はこれらで販売を伸ばしている。
アップルは直営店の一時閉鎖などの影響やApple Silicon搭載Mac登場の噂もあり、様子見によるシェアダウンが考えられる。その意味では、M1チップを搭載したMacBook AirやMacBook Proの登場で盛り返せるのか、下半期の結果が気になるところである。

【データ2】個人向け出荷台数


<出典:MM総研>

 

GIGAスクール需要が法人市場を下支え

法人市場は、昨年の予測ではWindows10の更新需要の一巡で大幅な減少が見込まれていたが、コロナ禍による登校禁止などもあり、教育市場でのGIGAスクール需要が下支えとなり、前年度同期比6.8%減にとどまる542.2万台となった。
GIGAスクール向け端末市場は実質的に、Windowsタブレット(Microsoft)、iPad(Apple)、Chromebook(Google)の競争となっている。パソコン統計には主にChromebookが含まれており、Chromebookの出荷が好調だったNECレノボが大きくシェアを伸ばした格好だ。「クラウド活用優先」「キーボード付き」でGIGAスクール予算基準である1台45,000円に収まるという点が、教育現場から評価されたと見られる。

 

2020年度下半期は出荷増、通期では5.7%増の1616.8万台と予測

2020年度下半期もパソコン販売の好調は続き、出荷台数は前年度同期比で増加となる見通しである。
個人の在宅需要は9月を境に減速気味であるが、GIGAスクール需要向けの出荷は2020年度下半期にピークを迎えることがプラス要因となる。
下半期のパソコン出荷台数は前年度同期比11.7%増の830万台、通期では前年度比5.7%の1616.8万台とMM総研では予測する。


■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社。
日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねている。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供する。


本レポートは、MM総研様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=464

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