国内ネットワーク仮想化市場 企業ユーザー動向調査結果-IDC

IDC Japanは、ネットワーク仮想化に関する国内企業ユーザー動向調査の調査結果を発表。

同調査は、国内企業795社を対象に、SDN(Software-Defined Network)やNFV(Network Functions Virtualization)に代表されるネットワーク仮想化の利用動向や課題、ネットワーク仮想化技術に対する企業の意識を調査したもの。

今回の調査結果として、国内企業におけるSDN技術の導入が着実に進んでいることが分かった。SDN技術を導入していると回答した企業の割合は、2017年の調査結果と比較して、データセンターネットワークで11.1ポイント、企業内LANにSDN技術を導入している企業は13.1ポイント増加。また、SDN技術導入の目的は、2017年の結果と大きく変わらず、物理ネットワークの統合やネットワーク機器設定の一元化、さらにはセキュリティ対策が上位に挙がっている。このことから、SDNの導入効果を得やすいユースケースに対する認知が、市場内で定着していることがうかがえる。

また、ネットワーク仮想化全般に対して、導入に積極的かそうでないかに二極化していることも明らかになった。たとえば、SDN技術をすでに導入している企業ほど、別なネットワーク仮想化技術であるNetwork Disaggregation(ネットワーク機器におけるハードウェアとソフトウェアを分離する技術)や、NFV、vCPE(virtual Customer Premises Equipment)の導入にも前向きであることが分かった。ネットワーク仮想化の導入姿勢において、技術間の相関性は非常に高いと言える。

さらに、約60%のネットワーク管理者は、自社ネットワークとその運用管理で経営層の要求を満たしていると考えていることが明らかになっているが、そのように考える企業は、ネットワーク仮想化に対して積極的に取り組む傾向があることも分かった(図参照)。

ネットワーク仮想化に対する積極性と経営層の要求に対する自社ネットワークの充足性の意識

Q. 貴社の現在のネットワークインフラやネットワーク運用管理の方法は、貴社のビジネス部門や経営層の要求やニーズにどの程度応えていると思いますか?

n = 347
Source: IDC Japan, 12/2018

たとえば、データセンターSDNを導入済み企業の78.8%は、経営層の要求に応えられていると考えているのに対し、導入しない企業では約6割に留まっている。また、導入しない企業では、経営層の要求に応えられているかどうか分からない企業も目立ち、経営層の要求に対する意識の違いも明らかである。

導入が進んでいるSDNであるが、SDNの認知度は50%前後でほぼ飽和状態に達しており、マーケティングメッセージとしての「SDN」の鮮度が低下していることがうかがえる。一方で、Intent-Based Networkingなどの企業ネットワークにおける新たな潮流に対する認知度も、現在のところ20~30%に留まっている。

「ネットワーク機器ベンダーは、SDNに代わるメッセージで自らが描く次世代ネットワークを訴求すべき時を迎えている。その一つであるIntent-Based Networkingに関して、まずはネットワーク仮想化技術に対する感度と受容性の高い企業の理解を促すことに力を注ぐことが得策である。」とIDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野 賢一は述べている。


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ44530918

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