国内ネットワークサービスの利用に関する企業調査結果-IDC
IDC Japanは、国内ネットワークサービス利用動向に関する企業アンケート調査結果を発表。
これによると、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの企業が在宅勤務を実施する中、リモートアクセス環境の整備が課題となっていることが明らかに。
問題認識は自粛生活早々からされていたものの、数値化されたことで情シスもより対策をしやすくなるかもしれません。
今回実施した2020年7月の調査では、回答企業にWANの課題について尋ねています。
最も多かった回答は「インターネットやWebアプリケーションなどのセキュリティ」(36.8%)、次いで「リモートアクセスでも拠点内からのアクセスと同等のユーザー体験を提供」(32.3%)でした。また約4社に1社は「トラフィックの増加」(26.0%)を挙げました。
在宅勤務を行う従業員の増加によって、これらを課題と捉える企業が増加したとIDCでは分析しています。
さらに「トラフィックの増加」を課題と回答した企業には、トラフィックの増加におけるボトルネックは何かを尋ねたところ、最も多かったのが「リモートアクセスのためのVPN装置」(57.8%)となっていました。
Q. 貴社のWANにおいて、トラフィック増加に伴いボトルネックになっていると思われる部分をすべてお選びください。
Note: n = 128、複数回答、WANの課題としてトラフィックの増加を挙げた企業が対象
Source: IDC Japan, 8/2020
大手某S社でもVPNの利用集中で社内ネットワークに接続できず、「勤怠システムにさえ入れない」という声を聞いていたので、まさにという感じでしょうか。テレワーク/リモートワークという取り組みはありましたが、既存のVPNに影響を与える程度の利用はなかった。すなわち、従来はみんなが会社に来て仕事をしていたことの表れでもあります。
IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野 陽子氏は、「現在、在宅勤務の増加によって、従来は考えられなかった数の従業員が、インターネットを介して常時企業システムに接続し業務を行っている状況である。多くの企業にとって、新たな勤務形態に適したリモートアクセス環境の整備が急務となっている。今後は、リモートアクセスの規模拡大と、セキュリティポリシーの確実な遂行を両立するために、クラウド型のセキュリティサービスの普及が進むであろう」と述べています。
今回の発表はIDCが発行した2020 年 国内ネットワークサービスおよびデータセンターサービス市場 企業ユーザー調査 にその詳細が報告されています。本レポートでは、ネットワークサービス、SD-WAN、ゼロトラストネットワークなどに関する企業の利用動向を分析。今回の調査では特に、新型コロナウイルス感染症の企業ネットワークへの影響を重点に調査を行い、国内企業900社から回答を得ています。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46787520