国内ネットワーク仮想化市場シェア(2017年)-IDC

IDC Japanは、国内SDN(Software-Defined Network)市場に関するベンダーシェアを発表。これによると、ヴイエムウェア、シスコシステムズ、NECが抜きん出ており、「3強+その他」という市場構造になっていることが分かった。

・国内SDN市場は、ヴイエムウェア、シスコシステムズ、NECの3強が市場をリードしている
・ヴイエムウェアの成功には、「サーバー仮想化の顧客基盤」「データセンター自動化の道筋」「マイクロセグメンテーションという武器」という3つの理由がある
・SDNコントローラー中心のネットワークソリューションポートフォリオは時代遅れとなり、「次世代ネットワーク」の旗印の下で早急に再構築すべき

本調査では、SDN市場の主要構成要素であるSDNコントローラー市場を、ソフトウェアライセンスとして提供されるNVO(Network Virtualization Overlay)ソフトウェアとSDNコントローラーアプライアンスに分けて分析している。2017年の国内NVOソフトウェア市場においては、ヴイエムウェアが70%以上のシェアを獲得し、一人勝ちと言える状況にある。ヴイエムウェアがSDN市場の初期参入ベンダーの中で最も成功したベンダーとして勝ち残った理由としては、「強固なサーバー仮想化の顧客基盤」「データセンター自動化の過程への適切な位置付け」「マイクロセグメンテーションという武器」という3つの戦略的理由があるとIDCでは分析している。

国内SDNコントローラーアプライアンス市場は、シスコシステムズとNECが2大ベンダーとして市場を牽引し、シェアを2社で分け合う状況にある。シスコシステムズは、データセンターSDNのCisco ACIが2017年の成長を牽引した。データセンターネットワークにおける強固なインストールベースを、SDNソリューションの展開にもうまく活用していると言える。データセンター向けイーサネットスイッチに対する高いロイヤルティと、ACIの持つポリシーの一貫性やデプロイメントの容易さが評価されているとIDCではみている。

NECは、最初にSDN製品を市場に投入したベンダーの一つで、国内SDN市場、特に企業ネットワークSDN市場を孤軍奮闘しながら牽引してきたベンダーである。同社のSDNソリューションは、企業ネットワークを中心に、マルチテナントネットワーク仮想化やセキュリティ防御を得意領域としている。2017年は、「自治体ネットワーク強靭化」に伴う需要増加に加え、製造業の次世代工場ネットワークソリューションなど新たな領域への展開を進め着実に実績を上げてきている。

 

成長を続けるSDN市場ですが、市場はSDNを超えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の柔軟性や迅速性を実現する次世代ネットワークを求め始めています。そのような市場の変化において、SDNベンダーは、SDNコントローラー中心のネットワークソリューションポートフォリオは、時代遅れになっていると認識すべきであり、DX時代に求められる「次世代ネットワーク」という旗印の下で、現在のSDN技術に加えて、クラウド管理型ネットワークやAI(Artificial Intelligence)を活用したネットワークソリューションを早急に再構築すべきである。

 

<参考資料>
国内NVOソフトウェア市場/SDNコントローラーアプライアンス市場 ベンダー別分析、2017年

Notes:
・横軸はデータセンターネットワークに導入された比率。縦軸は2017年の売上額前年比成長率
・円の大きさは2017年の売上額を相対的に表す
・IDCの推定値を基に作成
・主なベンダーだけを掲載
Source: IDC Japan, 8/2018


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20180816Apr.html

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