【日本ものづくりワールド】世界最大級のものづくり専門展がビッグサイトで大開催中!!

2018/06/22

世界最大級のものづくり専門展「第29回 日本ものづくりワールド2018」が、2018年6月20日(水)より22日(金)まで東京ビッグサイトで開催。
当展覧会は、「機械要素技術展」「3D &バーチャルリアリティ展」「設計・製造ソリューション展」「ヘルスケア・医療機器開発展」の4つのテーマで構成。広大な展示ブースには全国各地、総勢2,580社もの企業のこだわりのものづくりが軒を連ねていた。
小型化・高剛性化されたシリンダーなどの高精度部品、カーボンコンポジットなど難削材の加工技術やあらたな研磨技術。ロボットや製造業向け基幹システム。樹脂流体や熱、構造の解析技術、3Dプリンタ、3次元測定。VRシステムやコンテンツなどに到るまで、あらゆるジャンルの技術・製品の今が一堂に集まった会場は圧巻。まさに、日本のものづくりの底力がみなぎる展覧会だ。
情シスNavi.では、IT関連製品や製造業向けシステムに着目し初日の展示模様を紹介する。

 

インダストリ4.0&IoT &CPS! 工場のロボット/データ改革に高まる期待

2015年の「IVI(インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ)」設立から、日本においても第4次産業革命「インダストリ4.0」の機運は着実に高まってきた。その実現に欠かせないのが、あらゆるモノがインターネットに接続する「IoT」と、そこから得られたリアルタイムデータを収集・分析・解析を行い産業機器や人にフィードバックする「CPS」だ。
会場には、そのエッジデバイスとなるロボットや関連製品が多数展示され、大きな注目を集めていた。

産業用ロボットコントローラメーカー「MUJIN」は、ロボットに搭載するコントローラ「ピックワーカー」のデモを展示。“次世代ピッキングコントローラ”の呼称を持つ同製品は、ピッキングロボットのティーチングを不要にする。ピックワーカー搭載により、従来、多大なる労力とコストを強いられてきた、深い箱や複雑な形状の箱でのピッキングをロボットが短期間で習得可能だという。

IoTでは、電動ドライバーメーカー「ハイオス」の「BLG-BC2」が非常に興味深い。BLG-BC2で締めたネジ情報が無線LANを経由して、クラウドサーバーに集約集約されるという。また、本体には適切なネジ締めが行われたかを、モーターの回転パルスから判定する計測機能も備わっている。

 

3Dプリンタ、VRが築く産業の次世代環境

国内の3Dプリンタ市場はグローバルに比べ、成長がゆるやかと言われているが、会場のブースには人だかりができていた。そのなかでも注目株は金属3Dプリンタだ。海外の著名メーカーも一堂に介し、アメリカ「3Dsystems」のレーザー焼結法、ドイツ「TRUMPF」のLDM(レーザ・メタル・デポジション)法、オランダ「ARCAM」の電子ビーム積層造形法など、製法もさまざま。それぞれのデモを多くの来場者が見入り、とくに、従来の金属3Dプリンタに比べ安価に購入でき設備コストも削減できるという、アメリカDesktop Metalの「Studio System」には高い注目が集まっていた。

他方、VRブースでは日本企業のサービスが多く見られた。ゼンリンの「3D都市モデルデータ」、積木製作の「安全体感VRトレーニング」や「Holorens遠隔支援システム」、日本バイナリーの「力触覚応答によるマスタースレーブ遠隔操作 VRトレーニング」、NSENSEの「空間/顔/画像・動画認識エンジン」など多彩。

なかでもとくに目を引いたのがダイテックの「ARトリセツ」だ。
オートバイを用いたデモが行われていたが、タブレットをハンドル中央部にかざすと、各パーツの名称や機能が画面上に表示される。オートバイに触れずして構造を理解することができ、さらにタブレット上から必要なパーツなどの注文を行える機能も搭載されている。

ダイテックはさまざまな分野のマニュアルを手がける企業で、このほかAR技術とスマートデバイスを活用した「次世代保守点検ソリューション」も展示していた。設備点検箇所のマニュアルがヘッドマウントディスプレイに表示され、熟練者不在でも点検フローを把握できる。同システムはクラウドで遠隔地とつながっており、音声と映像による管理者と作業者の情報共有も可能だ。海外工場の品質確保にもニーズが高いという。

 

 

厳選、製造業情シス向けの展示ラインアップ!

会場を巡ると、ものづくりだけでなく、ところどころに情シス向けの展示があることに気づく。古いPCの扱いやシステム化に課題を持つ製造業情シスも少なくないと聞く。そこで、最後に各ブースで目を引いた展示をいくつかピックアップする。

 

・マウスコンピュータ「Mouse Pro Cシリーズ」

「Mouse Pro Cシリーズ」は、もはやデスクトップと言うのははばかられるPCだ。手のひらにすっぽりと乗るほど小さいサイズでありながら、Windows10 Pro 64ビット対応。4GBメモリ搭載。無線LAN、Bluetooth対応。USB3.0ポート搭載と、ビジネスユースでも活用できるスペックを持つ。

また、ディスプレイの背面に取り付けることができるVESAマウントアダプターを標準付属し、配線を見せずに使用が可能。これまでUSBに直接挿すスティックPCなどはあったが、ハイスペック奈この商品はサイネージ活用などB2Bニーズが見込まれる。

 

・Zion PC/FC-98シリーズエミュレータ「NEO Lite」

聞くとびっくりしてしまうのだが、製造の現場でNECPC/FC98シリーズを未だ現役で活用していることは少なくない。リプレースを検討してはいるものの、PCが生産ラインに連携しているなどの理由から、導入に労力・コストがかかり二の足を踏む企業が多いのだという。そのソリューションとしてZionが提供しているのが「NEO/NEO Lite」である。

PC/FC98シリーズ用のエミュレータであり、既存生産機器に影響を与えず、これまで使っていたPC/FC98環境下のソフトウェアをWindows10で動作させることができる。PCリプレースによる生産機器の稼働リスクを最小限に抑えられ、コストも削減。さらに、IoTに対応する環境もスピーディに整えることが可能と、多くのメリットが詰まったエミュレータだ。

 

・日本ツクリダス 町工場向け進捗/納期管理サービス「M:net」

「M:net」は、製造業を手がける日本ツクリダスが「自らに合ったシステムを」とパートナー企業とともに開発を行った工程管理・納期管理サービス。現場や職人が本当に扱えるものを目指し、3年の自社での実用を経て、リリースしたという。プリンタまたはWeb上で作成できるバーコードで案件管理ができるため、IDやパスワードの管理は不要。操作画面は、パソコンが不慣れな従業員でも直感的に扱え、スピーディに操作を習得でき、スマホやタブレットでも利用可能と手軽。

一方、納期管理・進捗管理はもとより、検査情報や素材・購入品受け入れ状況管理、発注期限管理、納品・発送管理など、製造業に求められる機能を網羅している。さらに、イニシャル20万円、ランニング30万/年と圧倒的な低コストを実現しているのも魅力だ。

 

・トップシステムエンジニアリング 生産計画スケジューラ「Easy Planner」

製造現場での、主業務と並行して行われるスケジュール管理。ホワイトボードの手書きもまだ少なくないと聞くが、その煩雑な手間を省き、生産性を向上させるのが「Easy Planner(イージープランナー)」だ。

現場でストレスなく扱えるよう、受注残管理表、ガントチャート、負荷山積グラフ、予定表といった必要最小限の機能に限定。画面構成はシンプルかつ直感的に把握できる仕様になっており、PCが苦手な管理者でもすぐになじめる。加えて、既存や他社の生産管理システムとの連携も自在に行える。

 

・ハマゴムエイコム オープンソースERP「iDempiere」

ERP導入検討のかゆいところに手が届くERPが「iDempiere(アイデンピエーレ)」だ。オープンソースERPであり、ユーザー課金などのライセンス料は不要。クラウド提供により、スピーディな導入・展開ができる。

また、スモールスタートから、状況に合わせカスタマイズでき、購買管理・プロジェクト管理・生産管理・販売管理・在庫管理・財務会計など、機能も豊富。ERPのコストや一部変更できないシステムがある。または、内部統制を強化しつつ多店舗展開を迅速に行いたいなど、さまざまな中小企業のERP検討にフィットするシステム環境が整っている。

 

以上、日本ものづくりワールドでは、大規模な製品も多数見られたが、一方で上記のように「会社のサイズ感や状況」にきめ細かく寄り添う製品も多く展示されていた。あらゆる製造業にITが必須となったと言っても過言ではない現代。このような製品は今後もニーズを高めていくことだろう。

 

【執筆:編集Gp 坂本 嶺】

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