国内企業向けネットワーク機器市場予測-IDC

2018/07/06

2018年7月4日、IDC Japanは企業向けルーター、企業向けイーサネットスイッチ、企業向け無線LAN機器からなる国内企業向けネットワーク機器市場の2017年実績と予測を発表。これによると、2017年の国内企業向けネットワーク機器市場は、成熟化の動きに反して前年比8.3%増のプラス成長で市場規模(支出額ベース)は2,223億4,600万円に。

「ワイヤレスファースト」がどこまで市場を牽引できるのか?

・2017年の国内企業向けネットワーク機器市場は、成熟化の動きに反して前年比8.3%増の2,223億円
・2017年~2022年の年間平均成長率は、マイナス2.4%と予測 「ワイヤレスファースト」の動きが本格化し無線LAN機器市場は伸びるが、企業向けイーサネットスイッチとルーターは成熟化が進む
・ワイヤレスファーストのアクセスネットワーク戦略を、イーサネットスイッチベンダー、無線LAN機器ベンダー共に再考すべき

 

2017年の国内企業向けネットワーク機器市場は、いずれの製品分野においても前年を上回りました。企業向けイーサネットスイッチ市場は、成熟市場でも例外的に成長する「特異年」でした。データセンター向け市場においてパブリッククラウド向けを中心に需要が伸びたことと、企業や大学の既存イーサネットスイッチの更新が進んだことで2桁成長を達成しました。

企業向けルーター市場も、企業の拠点に設置されることが多いローエンドルーターとSOHOルーターは出荷台数を大きく伸ばしました。その背景には、「クラウド利用の拡大」と「多機能かつセキュアなWANサービスに対するニーズの増加」によるVPNサービス市場の成長があったとIDCでは分析しています。また、無線LANは、企業ネットワークのアクセス領域(エンドデバイスがネットワーク接続するネットワーク領域)における主流技術になっています。2017年のアクセスポイントの出荷台数および市場規模共に2016年を大きく上回りました。

今後の国内企業向けネットワーク機器市場に関しては、「ワイヤレスファースト」の動きが本格化し無線LAN機器市場は成長を続けますが、他の市場では成熟化が進むとみています。その結果、市場全体の2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はマイナス2.4%と予測しています。企業向けイーサネットスイッチ市場については、無線技術との競合、製品のコモディティ化およびダウンサイジングの進展が成長を抑制すると考えています。ワイヤレスファーストによって無線技術と競合する、L2 Fixed Unmanagedスイッチ市場は、2017年~2022年のCAGRでマイナス9.1%と大きく縮小すると予測しています。

 

<参考資料>国内企業向けネットワーク機器市場 支出額予測、2016年~2022年

 

イーサネットスイッチベンダーと無線LAN機器ベンダーは、ワイヤレスファーストのアクセスネットワーク戦略を再考すべきであり、イーサネットスイッチベンダーは、ニッチ市場として残存者利益を狙うか、無線LANポートフォリオを取り揃え拡充してワイヤレスファーストの波に乗るかの判断を迫られている。無線LAN機器ベンダーも製品ラインナップ拡充競争を続ける覚悟を持たなければならないことが考えられます。


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。

ソース:https://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20180704Apr.html

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