国内地域別 IT支出動向および予測(2020~2023)-IDC

IDC Japanは、国内IT市場における地域別の2020年~2023年の市場規模予測を発表。

2020年における国内IT市場全体は前年までのPC更新需要の反動によって、支出規模は17兆6,861億円、前年比成長率はマイナス1.4%といったん減速を予測している。しかしながら、多くの企業で既存システムの刷新、または「働き方改革」を契機に業務効率化を目的とした新規システム開発は堅調とみる。
2021年以降は、IaaS(Infrastructure as a Service)を始めとするインフラストラクチャ、ソフトウェア、ビジネスサービスの堅調な伸びと、本格化する5G関連の投資によって国内IT市場全体では緩やかな回復基調と考える。

地域別に見た場合、2019年までのPC更新需要、「消費税増税」への対応を目的にした関連システム改修対応の反動によって、2020年のIT支出は多くの地域でマイナス成長を予測している。但し、東京都は、2020年に「東京オリンピック/パラリンピック」を控えていることに加え、ITを活用した企業変革(デジタルトランスフォーメーション:DX)に着手した大企業も多数存在することから、2020年のIT支出もプラス成長を維持すると考えられる。

国内IT市場 地域別 支出額予測、2019~2021年(単位:百万円)

Note:    2019年は推計値、2020年以降は予測
Source: IDC Japan, 1/2020

2021年に東京都に加えて、大都市圏でIT支出はプラス成長に回復を見込む。特に2025年の開催予定の大阪万国博覧会を控えた近畿地方で2022年以降のIT支出は堅調に拡大するとみられる。また、関東地方、東海地方においても地域の再開発事業の活性化、地場企業の積極的なIT支出などによって、同様にIT支出は拡大すると予測する。

一方で、大都市圏以外の地域では、2021年以降も低い成長率に留まることが想定される。特に北海道/東北地方、北陸/甲信越地方、中国/四国地方は2021年もマイナス成長に留り、2022年以降もほぼ横ばいから微減で推移するとみている。これらの地域では、地域を牽引する産業がないことに加え、人口減少に伴う地域経済停滞の影響が深刻であり、多くの企業、地方自治体でIT支出は抑制傾向の長期化が見込まれている。ただし、これらの地域の中でも福岡県福岡市のように地場企業のIT支出が積極的なことに加えて、再開発事業が活性化し、地域のIT支出を牽引する例外的なケースもある。

このように大都市圏以外の地域ではIT支出は低い成長率に留まるとみており、全国規模で展開するITサプライヤーに加えて、地場のSIer、販売代理店では今後のビジネスの成長性が大きな課題となってくる。

IDC Japan ITスペンディングのリサーチマネージャーである市村 仁氏によれば「ITサプライヤーは、大都市圏以外の地域においても自社の拠点、人員の維持に見合うだけの売上を各地域で確保するために自社の製品/ソリューションの特性に基づき、最適な販売方法に見直し、再構築を行うことが求められる」と分析している。


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45825220

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