世界/国内ウェアラブルデバイス市場規模(2018年第2四半期)-IDC
- 2018/10/5
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IDC Japanは、2018年第2四半期(4月~6月)のウェアラブルデバイスの世界および日本における出荷台数を発表。
・2018年第2四半期のウェアラブルデバイス世界出荷台数は2,788万台、前年同期比5.5%増
・世界市場トップ5のランキングは前四半期と変わらず。LTEモデルを擁するアップルがトップ
・国内出荷台数は16万8千台。前年同期比2.7%減。リストバンド型が減少
IDCが発行する「Worldwide Quarterly Wearable Device Tracker」のデータに基づくと、2018年第2四半期の世界のウェアラブルデバイス出荷台数は、前年同期比5.5%増の2,788万台であった。地域別でみると、この伸びは新興国に負うところが大きく、アジア太平洋地域(日本を除く)や中東欧、中南米と中近東およびアフリカの合計出荷台数は前年同期比14.0%の成長となっている。
これは安価なリストバンドが好調な出荷を続けたことや、スマートウォッチのマーケット拡大が軌道に乗り始めたことによるものと考えられる。他方、北米、西欧および日本といった先進国ではスマートウォッチの伸びがリストバンドの落ち込みをカバーしきれなかったことにより、前年同期比6.3%減となった。
「先進国市場での落ち込みは、マーケットがより多機能なスマートデバイスへのシフトを進めているためであり、懸念するほどのものではない」と米国IDC Mobile Device Tracker シニアリサーチアナリストのジテシュ・ウブラニは語る。そして「旧世代のウェアラブル製品は歩数計に代表される計測的なフィードバックを提供することに重点を置いていた。しかし、今後の世代の製品ではそれらよりもはるかに優れ、今後の行動の指針や健康状態を診断するようなものになるだろう。これらのより多機能なスマートデバイスの周囲には、テクノロジーサプライヤーやアプリ開発者、通信事業者、コンポーネントメーカー、病院などの医療関係者が活躍することになるが、これらは今後数年以内の成長を実現するために姿を現し始めている」と述べている。
「ウェアラブルデバイスがさらに高機能なものを求める一方で、基本的な機能のみを搭載するウェアラブルデバイス市場は縮小しつつある。ユーザーのウェアラブルデバイスに対するニーズはより多機能なものへと推移しており、スマートウォッチはその要求を満たしていると言えるだろう。さらに、Fitbitといくつかの中国のベンダーはスマートウォッチ市場に新規参入しているが、着実な成長を実現している」と米国IDC ウェアラブルデバイスチーム リサーチマネージャーのレイモン・リャマスは述べている。そのうえで、「基本的な機能のみのウェアラブル市場は過去数四半期にわたって縮小を続けているが、この市場に居場所がなくなったということを意味するものではなく、むしろシンプルで安価なウェアラブル機器を好むマーケットセグメントが複数存在することを認めるべきである。そして、この市場にはリストバンド型のフィットネストラッカーやハイブリッドウォッチがそのニーズを満たすことになるだろう」としている。
また、Worldwide Quarterly Wearable Device Trackerでは、国内のウェアラブルデバイス出荷台数についても公表している。
同Trackerの2018年第2四半期データによると、国内のウェアラブルデバイス出荷台数は合計で約16万8千台となり、前年同期比2.7%減となった。
この要因となったのは法人需要の中心であるリストバンド型の出荷減少で、前年同期比37.5%減となった。
「国内市場ではリストバンド型は法人顧客の影響力が強く、大口顧客の動向や会計年度の時期による影響を受けやすいため、今四半期は大きくマイナス成長となった」とIDC Japan PC, 携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである菅原 啓はコメントしている。さらに「他方、腕時計型デバイスの市場も力強さを欠く状況が続いているが、こちらは価格面の問題から消費者向け市場が中心である。そのため、個々の消費者の購入意欲を喚起するソリューション等、各ベンダーの積極的なマーケティング施策が期待される」とも述べている。
トップ5カンパニーの動向
アップルは市場の高い伸びとLTE対応モデルの継続的な需要により、ウェアラブル市場でのトップの地位を維持。同社のLTEモデルは世界の多くのモバイルキャリア系チャネルで好意的な扱いを受けている。同社は最近watchOS 5を発表したが、これはApple Watch シリーズ1以降との互換性を担保しているため、ユーザーは今後の新製品への買い替えも計画しやすくなるとみられる。
Xiaomiは2位を維持。これは靴型デバイスや子供向け腕時計、および低価格でマーケットに投入されているMi Bandといった同社の製品ポートフォリオが成功裏に展開されたことに基づくものである。同社はまた、スマートフォンやその他のハイテク製品(Oculus Goなど)の成功により、欧州や中東でのブランド認知を高めています。これにより、同社のウェアラブルデバイスのブランド認知も高まることが期待される。
Fitbitはこれまで主力だったリストバンドからの移行期にあるため、数量の減少が継続。しかし、新モデルVersaの発売によりこのフィットネス向けウェアラブルデバイスの巨人はユーザーのすそ野を成功裏に拡大した。同社の今四半期のスマートウォッチ出荷は113万台であり、スマートウォッチに限ると同社は第2位に浮上。Fitbitは法人市場をターゲットとし続けている数少ないベンダーの一つであり、この法人向け市場でもリーダー的地位を築いている。
HuaweiはXiaomi同様中国市場に重点を置いているが、中国以外での成長が見られるにつれて、その戦略も徐々に変化している。同社が出荷したウェアラブルデバイスの半分以上がHonorブランドであり、デュアルブランド戦略も功を奏していると思われる。
Garminは今回5位を維持し、サムスンをリードしている。今四半期はスマートウォッチの出荷台数がベーシックタイプのウェアラブルデバイスを上回っており、ベーシックタイプのウェアラブルデバイスからスマートウェアラブルへと市場のニーズが移り変わっていることと一致している。ただ、そのような状況においても、フィットネス志向のVivoラインとゴルファー向け新製品のApproach S10は同社の出荷台数に大きな貢献をしている。
2018年第2四半期 世界ウェアラブルデバイス市場 トップ5カンパニー 出荷台数(単位: 百万台)および対前年成長率
Source: IDC Japan, 10/2018
2018年第2四半期、国内ウェアラブルデバイス市場 トップ5カンパニー 出荷台数(単位:万台)および対前年成長率
Source: IDC Japan, 10/2018
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20181004Apr.html
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