賢く食べると仕事も体も幸せに! 管理栄養士 松原郁実の「情シスめし」第4回

2017/07/05

情報システム部門で働く情シスのみなさん、こんにちは!管理栄養士の松原郁実です。今回も情シスの人たちが、食事を通して、今よりもさらに健康で元気になれる「賢い食べ方」を「情シスめし」として紹介していきます。今回のテーマは「ドリンク」です。

飲料の「成分」と「カロリー」に注目してみよう

情シスのみなさんはいつも何を飲んでいますか? ドリンクを買う時には、“何気なく”選んでいたりしませんか?
夏本番を迎えるこれからの時期は、体を少し動かすだけで汗をかきます。また、冷房がガンガンにきいているオフィスにいると体は乾燥していきます。こうした環境にいると、知らず知らずのうちに体内から水分が抜けている状態になっているんですよ。そして、ひどい時には熱中症や脱水症状を引き起こします。そうならないためにも、こまめな水分補給が大切になります。
実は「飲料の選び方を意識することが体調の改善や健康につながる」といったら、知りたいですよね? そこで、今回は健康になるためのドリンクの賢い選び方を紹介していきます。まずは飲料の成分とカロリーに注目します。

成分表示(写真は炭酸飲料)

成分表示(写真は炭酸飲料)

飲み物には水、お茶、炭酸飲料、果物ジュース、スポーツドリンク、水のように透明なジュース、コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど、たくさんの種類がありますよね。まずは、ドリンクの商品パッケージにある成分表示に注目してみましょう。
左の画像は、ある炭酸飲料のパッケージに書かれている栄養成分表示です。
こうしてみると、カロリーの内訳のほとんどが「糖分」ということが分かりますよね。当然ですが水やお茶、炭酸水には基本的には糖分は含まれていません。
成分で糖分の多い飲料を毎日飲み続けると、第3回で解説した「隠れメタボ」の原因になります。また、「食事量は少ないのにやせない」「血糖値の急上昇・急降下により眠気が増す」ということにもつながる可能性があります。だから、飲み過ぎには、くれぐれも注意しましょう。

一方、こうしたドリンクは、具体的には、どのくらいのカロリーがあるのでしょうか?

今回、市販されている飲料について、以下に1本あたりのカロリーをスティックシュガーで置き換えて計算して、以下に一例として示してみました。

 

 

■炭酸飲料(コーラ飲料):500mlで225kcal、スティックシュガー19本分

■乳飲料(乳成分が多いカフェオレ):500mlで235kcal、スティックシュガー20本分

■紅茶飲料(レモンティー):500mlで140kcal、スティックシュガー12本分

■スポーツドリンク:500mlで125kcal、スティックシュガー10本分

■透明清涼飲料水(透明色ジュース):500mlで85kcal、スティックシュガー7本分

■コーヒー飲料(微糖コーヒー):185g(1缶)で39kcal、スティックシュガー3本分

■エナジードリンク:185mlで85kcal、スティックシュガー7本分

※注:スティックシュガー1本は3g(12kcal)として計算しています。

 

 

 

この例からも市販されている飲料は、意外に高糖分なことが改めて分かりますよね。ただ、最近では健康を意識したカロリーゼロ飲料や低カロリー飲料も年々増えています。食品表示法では、100mlあたり5kcal未満であれば「カロリーゼロ」、100mlあたり20kcal未満であれば「低カロリー」と表記できます。ただし、低カロリー飲料には、微量カロリーの甘味料や香料を添加している製品もあります。だから、表示を確認することは大切になります。

 

 

健康のためには「どんな飲み物」を「どれだけ」とればいい?

では、日々の水分補給は「どんな飲み物」を「どれだけとる」とよいのでしょうか? 「選ぶべき飲料」と「摂取量」について解説していきましょう。

 

 

 

 

私のいちおしドリンクは「ミネラルウォーター」と「お茶」です。情シスの人たちのようにデスクワークの多い人は食事から栄養をとるべきで、飲み物にカロリーは必要ないというのが理由です。だから、カロリーが“ゼロ”の「水」と「お茶」で十分なのです。また、スポーツドリンクで水分補給をした方がよいのは、大量の発汗がある場合です(※注1)。

ただ、店頭ではいろいろな種類のミネラルウォーターとペットボトル入りのお茶が売られていて、どれを選べばよいのか、分からない人もいると思います。そこで、私がおすすめのドリンクを以下に紹介します!

 

 

 

 

ドリンクも毎日同じものでは飽きてしまうと思います。だから、普段は「ミネラルウォーター」、ちょっと気分を変えたい時は「お茶」といった感じで、ドリンクを変えてみるとよいでしょう。次に摂取量です。

1日に必要な水分量は体格や年齢によって異なります。

例えば、成人男性の場合、一日に体から出て行く水分は尿と便で1.6リットル、汗や呼吸で0.9リットル、合計で2.5リットルです。これが体に必要な水分の量になります(※注1)。

しかし、2.5リットル全てを飲み物からとらなくても大丈夫です。実は、体の中で作られる代謝水が0.3リットル、野菜や汁物などの食事からとる水分が1リットルあります。だから残りの1.2リットルをとればよいわけです。

すると、一日にとるべき水分量は「1~1.5リットル」になります。これを目安として覚えておきます。成人女性の場合もほぼ同じとみてよいでしょう。

食事だけでなく飲み物も賢く選べば体と脳の調子を整えてくれます。いつもデスクの脇に置く飲み物、何気なくコンビニで買う飲み物。毎日体に入れるものだからこそ、健康な体づくりにつながるように意識して選びましょう!

 

 


【参考】
※注1:『熱中症環境保健マニュアル2014』、熱中症予防情報サイト、環境省


 

 

 

食と健康Wiki
管理栄養士 松原郁実のブログ
http://ameblo.jp/matsu193

 

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