利用者の要望に合わせた最適な業務用PCの選び方 第4回 搭載OSについて
- 2016/6/29
- 情シス知恵袋
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みなさん、日々の業務お疲れ様です。私物と会社の携帯のOS(基本ソフト)が違うことが続くフォンジュンです。
今回は、PCに搭載するOSについて、紹介します。対象とするのは中堅企業クラスです。現状、企業のPCのほとんどは、OSがマイクロソフトのWindowsだと思います。そのWindowsも「home」や「Pro」といった違いがあり、わかりにくかったりします。ここでは、そうした点も踏まえながらお話ししていきます。
「Windows」と「Mac OS」
PCを買うならWindowsか、アップルのMac OSかという選択肢があります。
これはよくある話で、社内で少しPCに詳しい人が「Windowsなんて使えないOS。だからMacにしようぜ!」という人もいます。それは、半分当たっていても半分違います。WindowsもMacも使い方次第で、メリット・デメリットが存在します。前置きが長くなってしまいましたが、WindowsとMacの比較・選定基準を見ていきましょう。
用途によって選ぶ~オフィス作業編~
一般的な事務をしたり、各種ソフトを動かす場合には、一般的にOSはWindowsになるでしょう。一方で「カッコいいブラウザやメールソフトがあるし、Macにしよう」と思っている人もいると思います。しかし、今の世の中でPCのOSは、事実上Windows主流で動いています。そのため、Macだと不便なケースが増えます。
例えば、Windowsにしかないソフトがあったり、外部機器を制御するソフトでWindowsしかなかったりといったことが挙げられます。また、Macでは使えない機器があったり、Windowsと同じことをすると、Macでは特殊な操作を要求されたりといったこともあります。そのため、一般的なオフィスでの使用を考えれば、コストパフォーマンスも含めて、Windowsを搭載したPCで十分といえるでしょう。
用途によって選ぶ~クリエイティブ編~
デザイン系の作業するのであれば、Macが便利です。純正モニターによる色味の統一化とpostscriptをはじめとする印刷データの再現度など、メリットが多くあります。しかし、最近ではWindowsとの差はそれほどなくなりました。そして、本当の色を表現しようとなると、どちらのOSでも結構なおカネがかかります。
色合わせの技術にPostscript対応プリンターでの出力や作業データを限りなく印刷データそのものを表示させる色味(AdobeRGB/sRGB)がありますが、多少ズレることがあります。液晶の場合は「キャリブレーション」と呼ばれる調整機で調整できますが、導入費がかかり、簡単ではありますがコツがいります。
また、印刷業者や広告代理店でも、意外とキャリブレーションしてなかったり、postscriptの設定が適当だったりします。なかには出力機すらなく、一般的な複合機で試し刷りをして色味の確認している会社もあります。大手は別でしょうが、それなりの中堅クラスの企業ではこのようなことが実際にあるのです。
ただ、最近ではPCの性能向上とクリエイティブ系ソフトのWindows化が進んだ結果、「Macでなければいけない」という条件は、突き詰めた専門性でなければメリットが減ってきています。WindowsでもアドビのPhotoShopやillustratorなどは十分に動作します。(PCスペックは、それなりには必要となりますが……)
また、印刷会社も柔軟に受けて入れてくれるところが増えてきています。極端な話、薄い本ならマイクロソフトのWordで原稿を持ち込めます。また、WindowsでもPhotoShopやillustratorファイル入稿が許されつつあり、バージョン違いの壁はありますが、最近のCCverであれば、大体は通ります。ただし、デザイナーなどは、他社とのやり取りの関係で、Macにしておくとよいかもしれません。
Windowsの違い
一口に「Windows」といっても様々なタイプがあります。種類でいうと「バージョン」と「エディション」があるのです。バージョンは「7」「8」「10」という形、エディションは「home」や「Pro」という形で表されます。
バージョンについて、個人的には「そろそろなくなるのでは?」と思っています。Windowsの「7」や「8.1」は、2016年10月31日を最後に販売が終了し、在庫や生産の関係上、9月頃から消えていくと思います。今後は「Windows 10」だけで、やっていくのがマイクロソフトの方針とみられています。
スタートメニューの違いなどはありますが、Windowsは「7」で完成しかけて「8.1」で奇抜なメニューを巡り、「10」で集大成となっています。個人的な見解にはなりますが「10」のメニューは、現場のユーザーからは高い評価を得ています。また、バージョンが新しいほど新技術との相性もよく、最大パフォーマンスを発揮するメリットがあります。
体感で分かるLVの違いを上げると、高速型SSDを搭載してWindows 10で動かすと、100%転送ができます。しかし、Windows 7だと1~2割程速度が落ち込むことがあります。ただし、業務によっては「7」や「8.1」というOSのバージョンでなければいけない業務もあります。その場合には注意が必要です。
エディションは、大きく分けて「Home」と「Pro」があります。大まかな機能の違いとしては、ドメイン参加機能とリモートデスクトップ接続と仮想化(Hyper-V)と暗号化(Bitlocker)のあり・なしになります。ドメイン管理してなければ、Homeでも問題ないですが、企業としての運用を考えるとドメインによる集中管理が現実的な情報セキュリティ対策になります。
やっぱり、Windows!?
企業で使うPCではやはり、Windowsが柔軟に運用しやすいメリットが大きいといえるでしょう。また、サポート会社の対応も「Windows限定」といわれてしまうケースも少なくありません。仮に「Macも対応!」というサポート会社であってでも、最後は「アップルに聞いてください」ということも多いのです。
管理ソフトやセキュリティソフトなど会社として最低限必要なソフトもWindowsだけのものが多くあります。だから運用面やコスト面からみるとWindowsが有利となります。
また、Windowsは世界で最も有名なOSです。普通なら発見されるはずのないバグまで洗い出されますので、一企業としてセキュリティ対策は重要です。
一方で、デザイナーは、Macを導入してもよいかもしれません。なぜなら、デザイナー養成校では、Macで教えていることが多く「ショートカットや操作感がWindowsのPCに変わると慣れない」という人も少なくないからです。
「Windowsに慣れろ!」と言う人もいると思いますが、業界によっては、Macのデータで送るという風潮もあります。こうした理由からデザイナーだけはMacの導入も検討すると、最終的な業務効率がよいかもしれません。
次回は、選び方のまとめを紹介します。
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