【情シス担当者のビジネス新ジョーシキ】フィンテック(Fintech)についてこれぐらいは知っておこう

  • 2016/3/9
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2016/03/09
フィンテックのイメージ画像

最近耳にすることの多いキーワード「フィンテック」。特に今年(2016年)に入ってからは、経済ニュースの話題として取り上げられない日はないと言っても過言ではないでしょう。フィンテックとは、金融(Finance)+技術(Technology)を組み合わせた言葉の通り、金融と最新のITの融合により、これまでにはない金融サービスとそれを生み出す技術革新のことです。

金融とITの歴史は結構長い

いわゆる勘定系システムと呼ばれる銀行のオンラインシステムや、外国為替市場の決済システム、米NASDAQのようなネットワーク上のみの株式市場など、以前より金融とITは切っても切り離せない関係にありました。しかし、これらはあくまで金融機関内や金融機関同士の業務や取引に使われているのが主でした。

その後、インターネットの普及により、2000年頃からオンラインバンキングやオンライン株取引など、顧客向けの金融サービスにITが使われるようになってきましたが、これもあくまで既存の金融サービスの延長上にあるものでした。

既存の金融サービスとは一線を画すフィンテック

フィンテックはこれまでの金融サービスとは違い、最新のIT技術を活用し、これまでの金融の概念では考えられなかったサービスをインターネットで顧客に提供することで高い利便性や低い使用料を実現しています。

例えば、個人間送金や海外送金などは、既存の金融機関を利用すると割高な手数料が必要とされ、送金にも時間がかかっていました。しかしPaypalに代表されるフィンテックを活用した送金サービスでは、無料もしくは割安な手数料で使うことができ、現金以外にクレジットカードを使って、瞬時に送金されるサービスが提供されています。

 

フィンテックを使った資金調達サービス「ソーシャルレンディング」は、インターネットを使って、資金の貸し手と借り手を直接つなぎ、貸し手には通常の投資より高い金利を、借り手には金融機関より金利は高めながらも、信用条件がゆるい形で融資が受けられるサービスです。欧米ではスタートアップ/ベンチャー企業の有力な資金調達先として注目されています。

 

仮想通貨「ビットコイン」もフィンテックの一つです。これまでの国家や地域貨幣とは異なり、どこの組織・団体にも属さない仮想通貨として、インターネット空間のみに存在し、インターネット空間のみでやり取りされる通貨です。ビットコインはそのあり方が革新的すぎるため、経済的な裏付けや法的な面で様々な課題提起をする存在になっています。

フィンテックのゆくえ

これまで紹介してきたフィンテックのサービスは、従来の金融機関のサービスでは足りない部分を埋めるものでしたが、フィンテック先進国のアメリカでは、その先のサービスが始まっています。

例えば、企業のクラウド型経理システムを提供しているフィンテック企業では、顧客企業の経理データをビッグデータ分析した結果を元に、AIを使って、経営アドバイスや、ソーシャルレンディングを使った資金調達提案を行うサービスを提供し始めています。

 

また、ビットコインの中核技術であるトランザクション処理の仕組み「ブロックチェーン」は特に注目を集めています。インターネットで取引されるビットコインの最大の課題は、すべての取引のトランザクション処理を確実、かつ安全におこなうことでしたが、ブロックチェーンはそれを大量のパソコンが分散・協調して実行することができる仕組みです。

 

最大の利点は、これまでと異なり、中央集権型のシステムを構築する必要がなくなるため「システムのコストを大幅に下げるのではないか」と期待されており、最近では日本のメガバンクもその活用について研究を始めました。

 

このようにフィンテックといっても幅広いサービスがあり、「これ」というものはありませんが、徐々に私たちの生活にも広がってくることは間違いなく、これからも注目の技術・サービスと言えるでしょう。

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