通常、大学では業界全体の知識を広く教え、最初から特定の職位に深く焦点を当てた指導は行いません。そのため、IT分野の学生は卒業後、業界内のさまざまな職種を理解し、挑戦することができ、1~2年の実務経験を積んだ後に専門分野を選ぶことが多いです。
ベトナムオフショア開発 ~エンジニアの現在と可能性~
近年、ITのアウトソーシング先と言えば、ベトナムが常にトップクラスの国として位置づけられ、多くの国際企業から信頼を得ています。では、世界中の企業にとって何がベトナムをIT業界で魅力的な選択肢として捉えているのでしょうか?私自身がベトナム人のエンジニアなので考察してみました。
I. 現在
1. 労働市場での分配
ベトナムの新聞でIT業界に関する情報が少ないことから、自分の経験を基に主観的な情報を中心にまとめてみます。ベトナムはITアウトソーシング先進国トップとして注目される以前から、アジアのロボットコンテストに何度も参加し、2002年に優勝した実績などがあります。
私が大学に入学した2013年、IT分野は最も注目されている職種に位置付けられていました。仕事を探しやすく、給料が高いという話を耳にする機会は多く、若い人たちがIT業界に関心を持つのに時間はかかりませんでした。
その後2018年に卒業した際には、入学時に予想した通りIT分野での仕事は探しやすいと感じました。その理由のひとつとして、多くの企業はIT分野を専門とする大学と連携し、有望な学生を探し、企業のバリューや実際の業務内容について教え、卒業後の実習機会を提供しようとしていたためです。
そのおかげで、企業は必要な人数の人材を積極的に採用できるようになり、安定した就職のチャンスがあると認識されたことで、IT業界はますます魅力的な分野として注目されるようになりました。その結果、多くの学生がIT分野への進学を希望するようになったのです。
それと共に、海外の多くのIT企業がベトナム企業との協力を模索し始め、国内の企業も技術開発への投資をますます重視するようになりました。特に、2012年にはZaloというアプリが開発され、現在ではベトナム国内で最も普及しているチャットプラットフォームの一つとなっています。IT分野の企業がベトナム国内で次々と誕生していることは、この分野への投資と発展が着実に進んでいることを明確に示していると言えるでしょう。
こちらの記事によると、IT業界は2024年までに入学率が高い分野の中で、12%で2位に維持していることがわかります。
2. 特別なスキル
a.言語
ベトナムでIT分野を勉強しようとすると、どこでどのような知識を教えてもらえるかを紹介します。
大きく3つに分類され、短大、大学、大学院というレベルがあり、学習内容も異なります。短大ではITアプリの活用方法を学び、大学ではITの基本理論を学びます。大学院では深いIT理論を研究します。
有名な私立大学や国立大学では他の国と協力して、在学期間中の交換プログラムのチャンスが多く存在します。ただし、そのような交換プログラムは基本的に参加費が高いので、100%奨学金を得るためにはITスキルの成績以外に英語やその他の外国語スキルが重要な競争ポイントとなっています。現在では、外国企業の参加のおかげで、英語だけでなく日本語や中国語などもが教えてもらうチャンスが多いです。
b. 実際の経験
労働力が豊富であることは一見すると強みのように思えますが、当事者である私の正直な感想としては、それがかえってエンジニア職の就職競争を激化させていると感じています。私は大学2年生の頃、一部の卒業生が実務経験を満たしていない場合、採用されないという噂を耳にしました。
実際、大学で学ぶ知識の多くは基礎的なものであり、卒業生はそれを実際のビジネスの現場に応用する力が十分ではないことが多いです。こうした状況を背景に、多くの企業は優秀な人材を育成するため、トップ大学と連携してトレーニング機会や育成プログラムを積極的に提供しています。
つまり、正社員として働く前に実務経験を積むことが、IT業界では「常識」として受け入れられているのです。そのため、卒業後に高収入の職を目指す大学生の多くは、在学中からフレッシャーや新人エンジニアとして企業に関わることを希望します。
大学生にとって、良い成績を維持しながら仕事を両立させることは簡単ではありません。しかし、うまくバランスを取ることができれば、卒業後に自分の希望する職場を選べるチャンスが大きく広がります。これは、単なる就職活動の成功という枠を超え、将来のキャリア形成においても非常に大きな意味を持つと考えられます。
c. 柔軟
d. チームワーク
大学生になるとチームで取り組む課題が増えます。また、ITコミュニティ(Facebookなど)が多く存在し、情報共有の場として活用されています。
3. ITを教えるベトナムの大学|トップ3
a. Bach Khoa大学(工科大学)
ホーチミン市のBach Khoa大学(国立大学に属する)とハノイ市のBach Khoa大学は二つの最も有名な大学名です。この国際的に認知されている2校を卒業後、GoogleやFacebookなどの有望な職場で働くチャンスが高いと聞きます。もちろん、他の大学に比べて勉強中に求められる知識量は膨大です。
b. 郵政電信工芸学院
こちらは通信業界のITエンジニアになるために必要な知識を学ぶ教育機関です。この学校は専門的なカリキュラムを提供しており、学生が通信業界での仕事に備えるための準備を整えます。
c. Lac Hong大学
この学校の強みは、ロボコンコンテストでの優勝経験で技術力が評価されています。
II. 可能性
1.競争力のある給与
他の国に比べて、ベトナムでエンジニアの労働力が多く生活費が比較的低いため、企業側にとって採用コストが軽減される点が強みです。
2. IT以外の様々なスキルを持つ
実際、ベトナムの外国企業のほとんどはスタートアップ企業です。そのような環境で働くと、業界の割には高い給料を得る一方で、ほとんどの開発業務を担当することが一般的です。これによって、マルチスキルを持つエンジニアを見つけやすくなります。
一方、ベトナムではIT分野への転職率が高いため、運が良ければITスキル以外にも様々なバックグラウンドを持つ有望なエンジニアを見つけることができ、事業拡大に繋がる可能性も秘めています。
3. チャレンジ
私が感じる可能性です。IT分野に参入する人数の増加に伴い、採用や社員の適応が課題となる可能性があります。
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