メールのセキュリティ対策を行う重要性や対策方法、注意点を解説
業務などで利用するメールには多くのセキュリティ脅威があるため、しっかりとセキュリティ対策を行うことが重要です。しかし、企業担当者のなかには「セキュリティの重要性は理解しているが、どのようなセキュリティ脅威や対策があるのかよくわかっていない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、メールに関するセキュリティ脅威やセキュリティ対策、注意点を解説していきます。
この記事の目次
メールのセキュリティ対策を行う重要性
メールはほとんどの企業で日常的に利用されているため、サイバー攻撃の対象になりやすいと言えるでしょう。情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2022」によると、組織における情報セキュリティ脅威の第8位に「ビジネスメール詐欺による金銭被害」がラインクインしています。
個人情報や業務上の重要な情報を含む場合も多いため、しっかりとメールのセキュリティ対策を行うことが重要です。
メールに関する主なセキュリティ脅威
メールに関するセキュリティ脅威としては、主に以下の4点が挙げられます。
- 迷惑メール
- 標的型攻撃メール
- メールを使ったフィッシング詐欺
- マルウェア感染
迷惑メール
迷惑メールは、スパムメールなど無差別に送りつけてくる広告メールや宣伝メールのことです。迷惑メール自体に必ずしも有害なウィルスが含まれているとは限りませんが、メールボックスの容量を大量に消費したり、重要なメールを見失ったりするおそれがあるため注意が必要です。
標的型攻撃メール
標的型攻撃メールは、特定の組織や人物をターゲットにして、あたかも取引先などの関係者であるかのように装って送り付けてくるメールを指します。添付ファイルの開封などをきっかけに、ウィルス感染や第三者による不正アクセスなどの被害にあうおそれがあるため注意しましょう。
不正アクセスに関して詳細を知りたい方は、以下の記事も合わせてご確認ください。
関連記事:「不正アクセスの原因とは?企業が取るべき防止策も紹介」
メールを使ったフィッシング詐欺
メールを使ったフィッシング詐欺は、偽物の銀行サイトや企業サイトなどに誘導し、IDやパスワードを盗み取ろうとする詐欺メールです。正式なサイトだと勘違いして銀行口座情報やパスワードなどを入力してしまうと、情報が盗み取られて金銭的被害などを受けるおそれがあります。
パスワードの流出について気になる方は、以下の記事も合わせてご確認ください。
関連記事:「パスワード漏洩のチェック方法4種類を解説!漏洩原因と事例も紹介」
マルウェア感染
メールでは、マルウェア感染の被害にも注意が必要です。たとえばメール本文内のURLや添付ファイルにマルウェアが仕込まれている場合、それらをクリックすることでマルウェアに感染するおそれがあります。社内の重要なファイルなどが勝手に暗号化され、戻す代わりに金銭を要求するなどの被害が考えられます。
マルウェア感染に関する詳細については、以下の関連記事もご確認ください。
関連記事:「【2022年最新版】国内のマルウェア感染事例7選|事例から上半期の傾向をご紹介」
メールのセキュリティ対策を強化する方法
ここでは、メールのセキュリティ対策を強化する方法について、以下の3つを解説します。
- ウィルス対策ソフトの導入
- スパムメールのフィルター設定
- メールの暗号化
ウィルス対策ソフトの導入
ウィルス対策ソフトを導入することで、添付ファイルの開封などを行う際に、ウィルスが含まれていないかを事前調査できます。ウィルスの除去や被害拡大の防止に役立つため、基本的かつ重要なセキュリティ対策であると言えるでしょう。
スパムメールのフィルター設定
スパムメールのフィルター設定をすることで、スパムのおそれがあるメールを自動的にメールサーバーがブロックするようになります。新たにソフトウェアを導入する手間やコストが要らないため、すぐに実践可能です。
ただし、完全にフィルターでブロックできるわけではないため、ユーザー側で一部のメールに対して受信拒否設定が必要となる場合もあります。
メールの暗号化
メールを第三者に盗み取られるリスクを軽減するためには、メールの暗号化を行うことも有効です。SSL方式やTLS方式などを採用することで、メールの送受信時のデータを暗号化できるため、万が一情報が盗み取られた場合でも解読されるリスクを減らせるでしょう。
メール送受信時に気を付けるべきこと
メールのセキュリティ対策に加え、送受信時の注意点も存在します。主な注意点として、以下の3点を解説します。
- 少しでも不審に感じた場合は添付ファイルを開封しない
- 添付ファイルにパスワードを設定する
- 送信前に必ず宛先と添付ファイルを再確認する
少しでも不審に感じた場合は添付ファイルを開封しない
普段と異なるメールの文面や添付ファイル名など、少しでも違和感のある場合は、添付ファイルを開封せずに上司やセキュリティ担当に相談することが大切です。
また、職場で定期的に標的型攻撃メールの訓練を行うことも効果的です。
添付ファイルにパスワードを設定する
添付ファイルを送付する際は、必ずパスワードを設定しましょう。パスワードを設定していれば、万が一送信先を誤った場合でも、開封されるリスクを軽減できます。
加えて、パスワードを共有する際は、添付ファイルのあるメールとは別メールとして連絡するとよいでしょう。
送信前に必ず宛先と添付ファイルを再確認する
メールを送信する際は、送信前に必ず宛先と添付ファイルを再確認しましょう。特に同姓同名の相手がいる場合や、社外とのメール送受信を行う際には注意が必要です。
やり取りする機会の多い相手先は、事前にメール送信先リストとして登録しておくことも有効です。
まとめ
業務で毎日のように利用するメールには、標的型攻撃メールやフィッシング詐欺など、多くのセキュリティ脅威が潜んでいます。メール本文や添付ファイルには、個人情報や機密情報を含む場合も多いため、十分なセキュリティ対策を行うことが欠かせません。
ウィルス対策ソフトの導入やスパムメールのフィルター設定、メールの暗号化などを行い、しっかりとメールを保護していきましょう。また、ソフトウェアによる対策だけでなく、標的型攻撃メールの訓練や宛先・添付ファイルの再確認、パスワード設定といった人的対策も重要です。
ソフトウェアと教育の両面から対策を実施し、顧客情報や社内の機密情報をしっかりと守っていきましょう。