受託開発の外注先選定 ~システム開発会社を見極める6つのポイント~
システム開発はビジネス上の課題解決や新たな価値提供を実現するために極めて重要なプロジェクトです。システム開発には自社で開発を行う内製と外部の業者に依頼する外注があります。外注する場合において、自社専用となる独自システムの開発を行うことが多いですが、その際に選択される方法が受託開発です。システムの受託開発を成功に導くためには、さまざまな要素を考慮した上で最適な開発会社を選定する必要があります。この記事では受託開発を行うシステム開発会社を選定するポイントについて、わかりやすく解説します。
この記事の目次
1.受託開発とは
システム開発の方法は、自社で開発する内製と自社以外の外部のシステム開発会社に依頼する外注の2つに大別することができます。システム開発を外注し、開発を進める方法としていくつか手段がありますが、その中でもメインとなる手法が受託開発と業務委託契約による開発になります。
業務委託契約による開発とは、クライアントから依頼された開発を行う点では受託開発と同じですが、業務委託契約での開発の場合は仕事の完成が必須とされていない契約になります。一方、受託開発とは企業や組織などの、顧客による要望に沿ったシステムやソフトウェアを、外部のシステム開発会社がオーダーメイドで開発することを意味します。クライアントから仕事を請け負い依頼内容にあわせた独自のソフトウェアやシステムの開発を行い成果物を納品します。そのため、報酬の対象は「成果物や完成品」となるので、もちろん仕事の完成がないと報酬は発生しません。
自社専用のシステムを構築するニーズがある場合やパッケージソフトウエアやSaaS(※1)によっては、要求するシステム要件を満たせない場合や自社の業務形態に適さない場合には、成果物が重要のため、受託開発にて進めるのが一般的です。
利用する場合は、必要な機能を必要な分だけ契約を締結し利用する
受託開発では、基本的にゼロからシステムをつくりあげる開発になるため、自社のニーズを満たす必要な機能を盛り込んだフルオーダーのシステム構築(スクラッチ開発)が可能です。
システム開発を外部に依頼するメリットには下記の4つの項目があります。詳しくは「ここが重要!システム開発を成功させる、はじめて外注するときの2つのポイント」の記事でも説明していますので是非ご覧ください。
2)エンジニアの自社採用が不要
3)ハードウエアやソフトウエアなどの設備や開発環境の追加投資を抑制できる
4)システム開発の最新の知見を得ることができる
2.受託開発を行うシステム開発会社の選定前に準備すること
受託開発を行うシステム開発会社を選定する前に、準備が必要な3つの項目があります。それぞれ説明します。
2)運用・保守の予算を決める
3)RFP(提案依頼書)を作成する
1)システム開発の目的・予算・納期の明確化
まずは、「目的」「納期」「予算」を明確にすることが大切です。プロジェクト開発に必要なコストは、システムの種類や機能、規模などによってそれぞれ異なるため、複数の会社から見積もりを取ると良いでしょう。初めての外注を進める際に、社内で予算の設定を行うのが難しい場合は、概算でも良いので決めておくことをおすすめします。
2) 運用・保守の予算を決める
いわゆるランニングコストです。システム開発には初期費用だけでなく、開発後の運用フェーズでもコストが発生します。システム開発が完了し、ローンチ後に必要なコストを決めておく必要があります。
3)RFP(提案依頼書)を作成する
RFPとは提案依頼書です。システム開発会社から見積もりやシステムの提案をしてもらうために作成します。
依頼書にせずとも、「目的」「納期」「予算」以外の受託開発の中での肝となる情報が箇条書きでもまとまっていることが望ましいです。
またSaaSで似たサービスがある場合は、外注先にイメージを持ってもらいやすいようにするために提示できるとなお良いでしょう。
3.受託開発を行うシステム開発会社を見極めるポイント6つ
受託開発を行うシステム開発会社を選定するために必要な6つのポイントがあります。それぞれ説明します。
さらに受託開発会社側でも得意な開発領域があります。基幹系システムの開発に強いのか、オープン系システムの開発に強みがあるのか、Web系のシステムに強みがあるのかなど、得意とする開発領域を確認しましょう。さらにオールラウンドプレイヤーなのか特定の業界やビジネス分野に特化したシステム開発会社なのか、確認することも大切です。
4.受託開発を行うシステム開発会社を選定する際の確認事項
受託開発を行うシステム開発会社を選定する際の注意点には下記の3つのポイントがあります。それぞれ説明します。
2)開発コストを抑える提案があるか
3)さまざまなリスクの想定があるか
1)開発工数を発注者側が把握できる対応があるか
システム開発においては開発途中の仕様変更やスケジュール遅延は頻繁に起こりがちです。
そのため発注者側は、システム受託開発会社に開発を丸投げせず、担当者とのコミニュケーションと進捗の管理をしっかりと行うことが必要です。リスク回避に必要なプロセスである状況を細かく把握するためのアウトプットが提示されるか、実績も含めて確認しましょう。
2)開発コストを抑える提案があるか
技術力が高く、成功した実績が多数あるシステム開発会社には豊かなノウハウが蓄積しています。そのため、開発コストを抑える提案をしてくれるでしょう。
3)さまざまなリスクの想定があるか
システム開発においては予期せぬトラブルやさまざまなリスクが発生します。経験値が豊富なシステム開発会社は、こうしたリスクについても予見する術があります。
5.まとめ
最適なシステム開発会社の選定はプロジェクトの成否に関わる大切なポイントです。本記事ではシステム開発を受託する業者を選定するポイントについて解説しました。
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