意識で変わる!批評の質を上げるフィードバックの工夫

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こんにちは、塩です。
デザインを問わず、自分が批評する立場のときに、視野が狭くなっているかもしれないと感じたことはありますか?今回は批評の質を上げるための工夫について考えてみようと思います。フィードバックについて理解を深めることにフォーカスしたテーマです。

フィードバックはポジティブ

フィードバックは、提示されているものに対する直感的反応に過ぎない可能性や、反応自体が個人的な偏見や好みに基づく可能性があるため、時にネガティブな受け取り方をしてしまうことがあると思います。ですが、コミュニケーションデザインの制作プロセスを読み取り、「何のために」デザインされたのかを考えることを意識すれば、批評のポジティブな側面が見えてきます。批評というのは本来、判的思考を用いてデザインが生まれる目的を達成すると思われるかどうかを判断する分析方法です。そのため、当たり前すぎで見えなくなっている部分にフォーカスし、いろんな角度から俯瞰する癖を付けることで、視野を広げていく工夫が必要なのです。

フィードバックの枠組み

フィードバックには反応、指示、批評の3種類の形があります。
反応型と指示型は、デザインが目標達成するために機能するかどうかを理解する上での有益性は限られますが、フィードバックに「理由」があれば、受け取る側は理解し、行動に移すことが可能です。まずは理由付けをシンプルな枠組みから考えてみることをおすすめします。

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批評を与える側は、デザインが存在するモノの、目的達成能力に及ぼす影響を伝えるということを意識してみましょう。自分のスキルや専門以外であっても、チームのために考えて行動できること、自身の見解を伝えられる環境であること、見解が考慮された上で、異なる指示または決定がなされる可能性を理解することが重要です。効果的な批評を行うため、チームの文化として最も重視しなければならないのが協働イテレーション(反復)です。

協働とは

調節、合意のバランスは常に変化すると理解した上で、折り合いをつけながら他の人またはグループと協力して働く姿勢のことです。

イテレーション(反復)

イテレーションは、さらなる分析と学習の機会であり、批評継続的な改善に価値があると受け入れるには、サポートしなければなりません。

自己流の過信で「こうすれば、より伝わるだろう」という批評は好ましくないと考えています。コミュニケーションにおける問題は、自己中心的であること、タイミングが悪いこと、説明不足、偏見などが挙げられます。

コミュニケーションは批評の核ですが、全てのフィードバックが適切なものとは限りません。目的を達成するための、有用な意見を取捨選択することが大切になります。筆者も「〜を取り入れたら良くなる」という指示型のフィードバックを受けた経験がありますが、その意見を取り入れることで何を達成できるのかを慎重に考えた上で、目標に合致する意見を選別することを心がけています。

そのためには、なぜそのように考えたのか理由を相手に聞くことが最も重要だと思います。フィードバックを効果的に活用するためには、受ける側も批評をくれた人の背後にある考えや意図を理解することが不可欠です。

協働は決して簡単にうまくいくものではありませんが、フィードバックの扱い方や他者とのコミュニケーションが上達すれば、的確な対処と改善に役立つ有益な意見を得ることが可能です。ここで重要なのは、相手の意見を単に受け入れるだけでなく、それをどのように具体的に活用するかを考えることです。これは、個人の成長だけでなく、チーム全体の向上にも繋がります。

批評の質を上げるテクニック

ツールやテクニックを活用して準備を整えることで、さらに価値のある意見を相手から引き出すことができます。例えば、フィードバックの内容を具体的に可視化するためのツールを使うことで、意見の共有がスムーズになり、誤解を減らすことができます。

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批評を効果的にプロセスに組み込むためには、批評のファシリテーションを行うことも工夫の一つです。ファシリテーションとは、明確な意図を持って会話をバランスよくコントロールし、結論へ導くためのスキルです。これを適切に行うことで、批評やフィードバックのプロセスがスムーズになり、より良い結果を生み出すことができます。

ファシリテーションを効果的に行うためのポイントは三点あります。まず、一つ目にディスカッションの目的を明確にし、それに基づいて議論を進めることが重要です。目的が曖昧だと、意見が散漫になってしまうからです。次に、共通の理解を確立することです。 適切な質問を通じて、全員が同じ理解を持てるようにします。これにより、議論が一貫性を持ち、目的に沿った方向へ進められます。最後に、参加者が自分の意見を自由に述べられるようにすることで、いろんな角度からの観察力や着眼点を磨く余裕が生まれるのです。

そして、問題解決に取り組む時に、「分析的思考」「創造的思考」を同時に行うのを避けることも重要になります。また、チーム外のメンバーも含め、最も相応しい参加者を選びます。セッションの進行方法を参加者に伝え、目的を説明し、プレゼンテーションは手短にかつ効果的に行います。制約について話すときは慎重に行うことが求められます。

問題解決を軸に思考する癖がある場合は、下記の7項目を状況によって使い分けることで、批評を会話の一部として円滑に進めやすくなります。

1 )会話の文脈と境界を設定する:  議論の範囲を明確にし、焦点を絞った議論を行います。

2 )相手の見解を再確認する: 相手の意見を理解し、自分なりの言葉で確認します。

3 )アイディエーションを活用する: アイディアを出し合い、理解を深めることで、問題の本質を把握します。

4 )直接質問する: 具体的な質問をして問題の核心に迫ります。

5 )チェンジハット: 異なる視点を取り入れ、問題に対する新たな見方を探ります。

6 )記録: 重要なポイントを記録し、後で振り返る際に役立てます。

7 )ファシリテーター: 会話をバランスよく進行し、全員が意見を述べやすい環境を作ります。

最終的に、フィードバックの活用がうまくいけば、個人としてもチームとしても大きな成果を達成することができるでしょう。結論、筆者はフィードバックの工夫で、批評の質を上げることができると考えています。このプロセスを継続的に行うことで、スキルや成果をさらに向上させることは可能だと思います。

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