AEIOU法:ユーザーのニーズがわかる魔法の観察法

こんにちは、デザイナーのsoiです。

本日は、ユーザーのニーズをさらに理解するための、「ユーザー分析」においての課題を解決してくれる魔法のAEIOU法を紹介したいと思います。

デザインをする時だけではなく、AEIOU法は自分自身の行動モードや自分の新しい面に気づく自己分析にもよく用いられている分析方法であり、自己理解にも役に立つ分析方法なので、ぜひこれから活用していただけると幸いです。

ユーザー分析の難しいところ

私はデザインとは、ユーザーを中心に考えユーザーの課題を解決し、ユーザーの目的を実現するプロセスだと考えています。デザインをする上で、全てはユーザーのために動かないといけません。

ユーザーの需要や課題を見出すために私たちはユーザー分析を行いますが、 ユーザーのデータが多岐にわたり、その複雑さや相互関係を理解することが難しいし、収集したデータの品質や信頼性も問題発生することがあり、正確な分析を行う障害がたくさんあります。

ユーザーを「ユーザー」という単語で簡単にまとめることはできますが、年齢、地域、文化的背景の違いなどで、多様なユーザーを一括りにするのが非常に難しいことです。

AEIOU法

AEIOU法は、1991年にDoblinというイノベーションコンサルティング会社が創始した民族誌的観察とデータ分析に基づいたイノベーションのアプローチを支援するための手法です。クライアントのニーズや市場の動向を深く理解し、それに基づいて新たな製品やサービスを開発するための指針を提供します。(EthnoHubによる)

AEIOU法は、ユーザーの各要素に関するデータを収集し、各要素の分析を通じて、ユーザーのニーズや課題を特定し、それに対する機会や改善点を見出します。AEIOUの情報を基にして、新しいアイデアの発想や既存の設計の改善にも役に立ちます。

AEIOU法では、各大文字が一つの要素を表しており、A、E、I、O、Uという五つの要素が含まれています。これから、デザイン領域においての各要素の説明をしたいと思います。

AEIOU法:A

Aは「Activities」、つまり「活動」のAです。デザイナーはユーザー対象となる人々やグループがある目標を達成するためににどのような活動やプロセスを行っているかを観察し、記録します。例えば、どのようなタスクや作業を行っているのか、どのような行動パターンがあるのかを把握します。

「A」のセクションでは、ユーザーが行う活動を理解することが重要です。なぜなら、ユーザーの活動がその背後にあるニーズや意図を示唆するからです。これにより、製品やサービスをより適切にデザインし、ユーザーが直面する課題やニーズに効果的に対応することが可能になります。

AEIOU法:E

Eは「Environment」、つまり「環境」のEです。この要素では、ユーザーが活動を行う場所や環境を指します。物理的な場所(オフィス、家庭、公共の場など)や、そこでの環境条件(明るさ、音、温度、季節の変化など)、社会的な環境(同僚、家族、友人などとの関係)、文化的な背景(地域の文化、言語、習慣)なども考慮する必要があります。

「E」のセクションでは、ユーザーが製品やサービスを使用する具体的な環境やコンテクストを理解することが重要です。環境がユーザーの行動やニーズにどのように影響を与えるかを把握することで、より適切な設計や機能の提供が可能になります。また、ユーザーエクスペリエンス全体の文脈を理解することも重要です。

AEIOU法:I

Iは「Interactions」、つまり「相互作用」のIです。ユーザーが他者や物理的なオブジェクトとどのように相互作用しているかを理解します。ここでは人と人、または人工物との間で発生する反応をさします。例えば、ユーザーが他の人とどのようにコミュニケーションをとっているのか、どのように道具やデバイスと操作を行っているのかなどを分析します。これには言語の使用、非言語的なサインやジェスチャー、表情の解釈、チームの協力、競争、外部の顧客やパートナーとの関係なども含まれます。

「I」のセクションでは、ユーザーと製品やサービスの相互作用を理解することが重要です。これにより、ユーザーが製品やサービスをどのように使用し、それに対してどのように反応するかを把握することができます。良好な相互作用は、ユーザーの満足度や効率性に直結します。

AEIOU法:O

Oは「Objects」、つまり「物理的なオブジェクト」のOです。目標を達成するために、ユーザーが環境内で使用する具体的な要素を指します。これには、デバイス(例えば、スマートフォン、コンピュータ)、ツール(例えば、ソフトウェアのアイコン、ボタン)、物理的なオブジェクト(例えば、家具、機器)などが含まれます。

「O」のセクションでは、これらの物がどのように機能し、ユーザーがどのようにそれらを使用するかを理解します。物の配置、形状、機能性がユーザーの利便性や体験の質に大きく影響します。例えば、ユーザーが操作するボタンの配置や、画面上のメニューの設計が該当します。

AEIOU法:U

Uは「Users」、つまり「ユーザー」のUです。製品やサービスの設計や開発において中心となる利用者に焦点を当てることを意味します。「U」の要素は、ユーザー中心の設計プロセスを強化するための基盤となります。製品やサービスを開発する際には、常にユーザーの視点からアプローチし、彼らのニーズや期待に応えることが目指されます。

「Users」セクションでは、製品やサービスを使用する主要な利用者、つまりターゲットユーザーを明確に特定し、その特性やニーズ、行動パターンを理解します。これには、年齢、性別、職業、興味関心、技能レベルなどが含まれます。

ユーザーが製品やサービスを使用する際に持つニーズや要求を把握することが重要です。これにより、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための機能やデザインの決定が行われます。例えば、色が見えづらいユーザーのために形で判別できるようにするとか、耳の不自由なユーザーのために色や文章で判別できるようにするとか、特定のユーザーグループが操作性やアクセシビリティに特に注意を払う必要がある場合などが考えられます。

まとめ

AEIOU法は、ユーザーから観察した要素を分析し、整理することで、ユーザーの行動理解の深化、ユーザーのニーズ特定、多様性への対応などで、ユーザー中心の視点を強化し、問題の明確化やアイデアの発展に貢献する強力なツールとなります。ぜひ活用してみましょう。

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