UXとはどんなコトを指す?

  • 2024/6/27
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はじめに

こんにちは、塩です。今回はUIデザインの質を向上させるために、UXについての知見を広げていこうと思います。

UXという単語は知っていますが、使いにくいUIに対して、「これはUXが悪いUIだ」とユーザビリティの指摘を目的とするイメージが強く、そもそもUXにどんなコトが含まれているかをお互いが認識していなければ、意味のない指摘となってしまいます。
ミスコミュニケーションを避けるため、私たちはUIデザインからUXについて考えがちですが、画面(モノ)からユーザー体験(コト)を支配するには限度があります。UIデザイナーがユーザーを実際にコントロールするというのは、相手の心情を読み取るのと同じように難しいことだと考えます。

デザインとは?を俯瞰する

デザインは情報設計であると言われますが、私はデザインに対して感覚的なイメージを持っており、デザインを感性や芸術なものと認識していたため、設計とデザインを結びつけるのが難しいと思っていました。しかし、デザインシステムの観点を取り入れて、今までの思考を再構築してみると、デザインは単なる装飾や美意識を超えて、インターフェースとしての重要な役割を果たしていると言えるのではないでしょうか?

デザインシステムの定義

デザインをインターフェースとして考えることはどういうことか?それは「道具-身体システム」「環境-行動システム」というようにデザインをシステムと捉えるということである。P188「融けるデザイン」より

デザインに関することを体系化・構造化した「デザインシステム」は、作り手とユーザーの体験価値を高めることを目的とします。デザインという身体感覚や身体性のものづくりシステムがあると仮定し、設計の意味を噛み砕いてみると、「デザイン=体験という現象について設計する」という答えに着地することができました。つまり、デザインは単に見た目や機能性だけでなく、ユーザーがそのもの自体にどれだけ自己を投影できるか、その体験がどれだけ自然で直感的かが重要なのです。この視点から、デザインが日常生活やインタラクションに与える影響をさらに考察していくことが必要になってきます。

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ユーザーのシナリオ体験を想像する

構造化シナリオ法

ユーザーのシナリオ体験を想像する際には、ペルソナやカスタマージャーニーマップの他に、構造化シナリオ法も効果的な手段として活用されています。

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構造化シナリオとは、ユーザーの「本質的な欲求」=「ニーズ」をユーザーの「価値」と位置づけ、それを満たすシナリオを「バリューシナリオ」「アクティビティシナリオ」「インタラクションシナリオ」の3段階に分けて考えていくこと。

P78 第4章「Web作成者のためのUXデザイン本をはじめる本」より

ユーザーエクスペリエンスを向上させるためには、まずユーザーが本当に求めていること、つまり目的達成したいコトの本質を見据えることが最も重要です。デザイナーがユーザーの気持ちを理解したつもりでUI改善施策を行なっても、課題やニーズを解決する根本的な改善にはなりません。解決するためには、「設計の発想」を行うことが大切になります。

設計段階で、ユーザーの立場に立ち、さらにニーズを掘り下げ、それに即した具体的なシナリオを構築することが必要です。このアプローチによって、デザインは、シンプルな機能追加を超えて、ユーザーの期待やニーズに対して有益な価値を提供できるようになります。例えば、Webサイトやアプリ開発においては、ユーザーがスムーズに目標を達成できるようなインタラクションやデザインフローを設計することが重要です。これにより、ユーザーは使いやすさや満足度を感じ、サービスの利用頻度が向上する可能性があります。

UXの設計論で重要なことを考える

では、「UX」と呼ばれる設計論では何が基礎になるのでしょうか?

特に重要なのは「とにかく自己帰属させる」です。自己帰属感とは、ユーザーがあるデバイスやシステムを操作しているとき、その体験から、「この身体はまさに自分のものである」と感じられることです。さらに具体的に言い換えるなら、ユーザーがインタラクション中にどれだけ自己帰属感を持つかが、その体験の質を決定づける要素である、ということになります。

例えば、スマートフォンを使っているとき、画面の反応が指とリンクしている感覚や、ゲームのキャラクターが自分の思い通りに動く感覚などが、自己帰属感を生み出します。自己帰属感が高ければ高いほど、操作がより自然で直感的なものに感じられ、ユーザーは操作しているデバイスやシステムに対して親近感を持つようになります。逆に、操作の反応が遅れたり、予期しない動作が起こってしまうと、ユーザーは操作の違和感や不自然さを感じてしまう可能性があります。したがって、UX設計では常にユーザーが自己帰属感を持てるような体験を提供することを意識しなければなりません。そして、それを実現するためのUIUXデザインを設計することが必要なのです。これにより、サービスの利便性や満足度を向上させることができます。

さいごに

今回はUIとUXの関係を考え、デザイン全体の仕組みを理解した上で、UX設計の理論について学びました。そして、この過程で得られた知識を自分の中でさらに情報整理することが大切だと感じ、そのために執筆を行いました。
私自身、これまでの学びや経験を通じて、デザインがユーザーエクスペリエンスに与える影響の大きさを理解してきました。特に、ユーザーがどのようにwebサイトやアプリケーションを利用していて、それによってどのような体験価値を得たいのか、を深く掘り下げることが重要だと感じました。そのためには、ユーザーから率直な意見やフィードバックをもらい、さらに深くデザインに対しての理解を深めることや、それに基づいた設計思考が不可欠であると考えています。今後も、デザインの視点からユーザーエクスペリエンスを最大化するために、さらに学びを深め、経験を積み重ねていきたいです。デザインの力を最大限に活用し、ユーザーがより良い体験を得られるような、そんなデザインを作りたいなと思います。

多くの情報をインプットしても、自分の中できちんと咀嚼できていなければ、学びが無意味なものになってしまうので、必ず言語化する、を心がけています。​​この記事がデザイン設計に関わる皆さんのお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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