デザインの目的を理解するための思考法とリサーチ

  • 2024/6/26
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こんにちは、塩です。

今回はデザイン業務に取り組む上で欠かせない「リサーチ」について執筆しようと思います。今回取り扱うリサーチのコツというのは、色や形などの視覚的な情報ではなく、デザインする目的を理解し、目的達成のためにデザイン意図を明確にしよう!という話です。

デザインの目的を理解する

デザインには「目的」があります。
そのため、目的が何かをまず明確にし、課題を解決できるデザインを考える場面が多いです。下記は、実際のデザイン業務で行っていたことです。困った場合に、どのように動いたらスムーズに解決できたかまとめました。

複数の類似する要素を差別化したい

たとえば、お気に入りボタンを作成する場合に「お気に入り機能のみ」と「お気に入り機能に通知を受け取れる要素を追加」の内容が類似する2つのボタンが欲しい、という目的を与えられたとします。
単に差別化を図るなら、全く異なるボタンを作成すれば良いですが、今回はお気に入り要素が被っているので、デザインで解決したことにはなりません。重要なのは、1番に見せたい情報を確認し、優先順位を整理することです。
解決方法の一つとして、「お気に入り機能という大枠の中に、通知を受け取れる用の有無が分かるデザインを作成する」が挙げられます。部分的に似ていることが分かるように、ボタンに同じアイコンを使用したり、文言を別途用意して異なる部分の説明を加えたりなど、見せ方を工夫すればより、分かりやすくなります。

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デザインでクリック率を上げたい

クリック範囲が一目でわからなかったり、重要なボタンが目立ちにくい場合、クリック誘導に適さないデザインになってしまいます。
カードUIを作成する時、先ほどのお気に入りボタンがアイコンのみなら、押さないと理解できない体験はユーザーにストレスを与えてしまうかもしれません。だから、デザインで課題解決するのです。

クリックできる範囲がすぐわかるように、詳細という新しいボタンも追加することで、先ほどより押したくなる求人カードになりました。さらにここからブラッシュアップするのであれば、ボタンの文言を「お気に入り登録」「詳細をみる」など具体的に指示すると、視認性の高いデザインになります。

ここまではコンバージョン率を上げるために、意思決定を示すボタン「CTA(Call to Action)ボタン」の位置を検討しました。
続いて、ボタンの形について考察していきます。
ボタンの形を選定するとき、「ここはボタン」であることを伝える、ユーザビリティーを考慮しなくてはいけません。
ボタンの形には、主に四角・角丸・円形の3つの種類があります。

四角のボタンはシャープな印象で、「信頼性」「堅実」「安心」

角丸のボタンは自然な形状で、「親しみやすさ」

円形のボタンは固定ボタンとして使用されることが多い

LPのCVボタンデザインの7つの要素とは?デザイン考案のポイントと参考事例より引用

今回採用した四角いボタン+角丸は、サイト全体の親しみやすい雰囲気に寄せつつ、意思決定を促進させるデザインになっています。
目的・ゴールに沿うボタンの形を検討すると、よりデザインの説得力が上がるのではないでしょうか?また、意思決定のためのデザインとしてマイクロコピーも効果的です。
ちなみにマイクロコピーというのは、Webサイト上の入力フォームやリンクボタン周りなどに置く細部の文章のことです。
マイクロコピーによる改善では、具体的な数値や、簡便さ信頼感などをユーザーにわかりやすく、ポジティブに伝えることが重要になります。

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数値を使って具体的に示す時は、60秒より1分の方が短く感じたり、1ヶ月より30日の方が長いと感じる心理を利用して、お得な印象を与えることが可能です。安心感を覚えてもらいたい時は、親切なコピーで不安というストレスを軽減させましょう。

デザインの目的を理解したあとは?

リサーチだけでなく、実際に手を動かすことが重要です。しかし、時には思い通りにならないこともあります。アイデアが枯渇し、行き詰まってしまう原因として考えられる理由は、アイデアというのは、自分がこれまでに触れてきたり体験したりしてきた”もの”から連想されるためなのかもしれません。

より良いアイデアを見つけるためには、アイデアの発想源を広げることが重要です。というのは、単なる既存のアイデアの延長線上にとどまらず、日常生活の中で見逃していた要素に注意を向けることを指しています。例えば、映画、音楽、芸術、自然など、様々なインスピレーション源からアイデアが降りてくることもあるでしょう。つまり、日常体験から得たアイデアを活用することで、連想を拡大していくことが可能なのです。

次のセクションでは、アイデア出しに行き詰まった時の突破口を見つける方法について考えていきます。

連想を拡大するためにおすすめなのがマインドマップです。マインドマップとは、人が頭の中で考えていることを視覚的に表現するための「思考の表現方法」です。活用することで、思考の整理や発想がしやすくなります。

マインドマップでアイデア出しを行う時に発想を広げるコツがあります。それは、具現と抽象をバランスよく連想することです。まずは、マインドマップを効果的に活用できていない例を考えてみます。

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抽象度が低すぎてしまうと、狭い空間で連想しているようなアイデアしか思いつきません。どの要素を目立たせたいのかが明確になっていない場合は、デザインの目的をもう一度振り返る必要があるでしょう。

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反対に、抽象度が高すぎてしまうと、似たようなアイデアに偏ってしまうことがあります。リサーチしたイメージをそのままアイデアとして反映するのは控えましょう。

上記のことを踏まえ、抽象化と具体化を交互に繰り返すことで、発想が広がり、斬新なアイデアが生まれ、リサーチしたイメージの具現化が可能になります。

さいごに

今回の記事では、デザインリサーチの重要性と実務で学んだデザインの近道、そしてリサーチを活かした思考法に焦点を当てています。リサーチとは、プロジェクトの目的を理解し、最適な解決策を導くために欠かせないステップです。こちらの記事を執筆するにあたり、インターネットでの情報収集だけでなく、取り扱う内容について社内メンバーからのフィードバックもいただきました。筆者自身もより実践的で具体的な深い気づきを得ることができて大変勉強になりました。少しでもUIUXデザインの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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