ダークパターンについて知ろう

  • 2024/10/31
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こんにちは。今回はダークパターンのデザインについて解説していきます。

 

ダークパターンとは

ダークパターンとは主にECサイトなどで使用されるもので、企業側が得するかつユーザーが不利益になるように設計されたもののことを指します。

例えばメルマガの登録画面で「メルマガを登録しない」という項目があり、それにチェックをつけないとメルマガに登録がされてしまう、といったものです。
基本は「メルマガを登録する」にチェックを入れるパターンが主流のため、ユーザーはその箇所を見落としがちでその穴を突いた項目となります。

このように世の中には様々なダークパターンがあり、デザイナー側も自分がダークパターンの作成に加担しないか気を付けるべきです。
ダークパターンは企業側の一時的な利益になったとしても、長期的に見るとユーザーからの評価を落としあまり良くない方向に向かう可能性が高いからです。

ダークパターンの種類

ダークパターンにはいくつかの種類があるので解説していきます。

1.ローチトラップ

登録や購入などのステップは簡単であるのに対し、キャンセルや解約が非常に複雑でわかりにくく、ユーザーが解約しづらい仕組みです。

例えば、サブスクリプションの解約リンクが見つかりにくい、または何度も確認を求められることが挙げられます。

そうすると、ユーザーは「解約しづらかった」といったネガティブな印象を抱いてしまいますよね。解約すること自体前向きな行動でないのに加え、マイナスな感情も持ってしまいます。一時的に契約を解除して、再度サブスクリプションを契約するユーザーも中にはいますが、このようなネガティブな印象を与えてしまうと再契約のハードルが上がってしまったり、競合他社に契約されてしまうリスクがあります。

2.隠れたコスト

購入手続きの最後で追加料金(手数料や送料など)が加算されるなど、初めの段階でユーザーに提示していないコストを含める手法です。

例えば、ショッピングカートに進んでから、最終確認で不明瞭な料金が表示されます。謎の手数料が加算されているケースですね。

ユーザー視点だと「ここまで進んでしまったし、購入してしまうか…」と最初は購入してくれるかもしれません。ですが、「謎の料金を加算する運営会社なんだな」といったマイナスのイメージがついてしまいます。ユーザーは次回以降、金額をよく確認するようになるか、そもそも同じ会社やサイトから商品を購入しなくなってしまうでしょう。

3.強制的な継続利用

無料トライアル期間が終了すると、ユーザーに通知することなく自動で有料サービスに切り替わり、解約するまで料金が請求される仕組みです。

例えば、 無料お試し期間が終わると自動で有料プランに移行し、解約が煩雑となります。

最初にクレジットカードを登録させつつ、「トライアル期間内は無料!」と念押しすることで登録へのハードルを下げています。そして肝心のトライアル期間終了前日のリマインドは浅く、気づきづらいケースも存在します。

最初こそ無料だからと登録することが予想されますが、通知が不親切なサービスを今後も継続的に利用したいかと問われると難しいですよね。

4.ミスリーディングなボタン配置

ボタンやリンクの配置、色、サイズなどでユーザーを特定の行動に誘導するデザインです。例えば、目立つボタンには有料プランが、目立たないリンクには無料プランが設定されているなどが該当します。

例えば、一見有料プランしかないように見せかけて、無料プランの選択肢が小さく表示されているケースが挙げられます。

誤認をあえて狙っており不親切ですよね。サービスを提供する側であればユーザーのことを考えて全てのプランを同等に表示し、メリット/デメリットを適切に表示するべきです。

5.デザインの脅迫

ユーザーが望まない選択肢を選ぶ際に、心理的に不快になるようなメッセージを表示して、意図的にユーザーを思いとどまらせる手法です。

例えば、 メール購読を拒否しようとすると「最新情報に興味がない」という表現で選択肢が表示されます。

この表示を見たユーザーは良い気分はしないですよね。意地悪な言い回しはユーザーに良い印象を与えず逆効果だと思います。

 

ダークパターンによってもたらされるリスク

ダークパターンによってもたらされるリスクは2点ほど挙げられます。

まずはユーザーのサービスに対するイメージダウンです。

UX体験が悪いとサービス全体への悪印象を抱いてしまいます。そうすると、競合他社サービスにユーザーが移動してしまう可能性があります。

ユーザー本人のみが離れるのであればまだ良いかもしれません。ですが、そのユーザーがサービスの口コミをSNSなどで投稿したり、周りの人間に伝えたりするかもしれません。

そうすると未来のユーザーになり得るかもしれない人々を取り込むチャンスが減ってしまいます。

また表現によっては法的に問題ある可能性も生じてきます。

 

ダークパターンを避けるには

では作り手がダークパターンを発生させないようにするにはどうしたら良いのでしょうか。

まずは情報は平等に惜しみなく出すことが大切です。特に金銭が絡むものにはできるだけ早い段階で明確に表記し、ユーザーが比較・検討しやすいように導く必要があるでしょう。

次にユーザーが選択しやすい表示を心がけることが大切です。わかりづらいボタンデザインやあからさまな誘導はやめるようにしましょう。 あくまでユーザーが選択肢を自分で選びやすくなるようなデザインになるようにしましょう。ユーザー自身にとって有利となるような選択肢をあえて強調させるのであればまた話は違いますが…。

そして短期的な利益を優先するダークパターンを避け、ユーザーとの信頼関係を築ける長期的なデザインを心がけるようにしましょう。一時的な利益を元にしたデザインを行うと、ユーザーの信頼が削がれ長期的に利用してくれない危険性があります。

 

さいごに

ダークパターンについて解説しましたがいかがだったでしょうか?

ダークパターンの危険性についてご理解いただけたのではないでしょうか。

課金されるタイミングで適切なアナウンスをユーザーに行う、料金は明確に表示する、ユーザーが不利になる情報は予め開示する…このような表示を心がけることが大事ですよね。

作り手としては「どのようなデザインがユーザーのためになるか」といったユーザーファーストの精神でデザインを行っていきたいですね。

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