SQLのインデックスは、効率的なデータ探索において重要な役割を果たします。
しかし、企業のご担当者のなかには「SQLのインデックスについてよくわからない」「どのようなデータに活かせるのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、SQLインデックスの基本的な仕組み、インデックスのメリット・デメリット、インデックスを活用しやすいデータなどを解説していきます。
この記事の目次
SQLインデックスの基本的な仕組み
そもそもSQLとは、データベース言語の一つであり、ISO(国際標準化機構)で標準化された規格です。
SQLによってデータベースの定義や操作ができます。
そしてインデックスとは、データベースのなかから情報を見つけやすくするための「索引」のことです。
インデックスを使うことで、データベース内にある大量のテーブルの情報のなかから、「どこに何があるか」を探しやすくなります。
・インデックスの種類
ここでは、代表的なインデックスを2種類紹介します。
・Bツリーインデックス
Bツリーインデックスは、木のような構造になっているインデックスです。
親となるルート(幹)ノードから、子にあたる各ブランチ(枝)ノードに辿っていくことで、効率的な探索ができます。
・ビットマップインデックス
ビットマップインデックスは、検索対象のカラムに対して値とレコードのビットマップを使って検索するインデックスです。
たとえば血液型など、値のパターンが少ない(カーディナリティが低い)データに対して有効なインデックスとなります。
・インデックスを作成・削除する時の構文
続いて、インデックスを作成したり、削除したりする際の構文を解説します。
・インデックスの作成
インデックスを作成する際は「CREATE INDEX文」を使用します。
基本的な構文は以下の通りです。
CREATE INDEX 「インデックス名」 ON 「テーブル名(列名 , …)」
CREATE INDEXから始まり、インデックス名やテーブル名、テーブルの列名などを記述します。
列名が複数ある場合は、カンマ(,)で区切って続けて書きます。
・インデックスの削除
インデックスを削除する際は、DROP INDEX文を使用します。基本的な構文は以下の通りです。
DROP INDEX 「インデックス名」 ON 「テーブル名」
DROPINDEXから始まり、インデックス名やテーブル名を記述します。
SQLインデックスのメリットとデメリット
それでは、SQLのインデックスにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
主なメリットおよびデメリットについて、以下に記載します。
・メリット
1.検索パフォーマンスの向上が図れる
インデックスを使うことで、データベースの検索パフォーマンス向上を図ることができます。
テーブルのなかから目的の行や列に絞って効率的な検索ができるため、パフォーマンスの無駄を省くことが可能です。
2.膨大なデータのなかから、目的のデータを素早く見つけることができる
データが大量にある場合、特定のデータを見つけ出すことは困難を伴います。
インデックスを活用することで、データが膨大であっても目的のデータに迅速に辿りつくことができます。
・デメリット
1.データ追加や更新、削除時の処理速度が低下する
インデックスでは、テーブルとは別にデータを保存します。
テーブルにデータを追加するとすべてのインデックスにも追加されるため、データ追加や更新時の処理が遅くなる点がデメリットといえます。
2.データベースの設計に配慮が必要
前述の通り、インデックスはテーブルのデータとは別領域に保存されます。
そのため、インデックス用の領域も考慮したデータベースの設計が必要となる点もデメリットとして考えられます。
インデックスを活かしやすい業務データ
迅速かつ効率的にデータの検索ができるインデックスですが、インデックスの効果は業務で取扱うデータの特性によっても異なります。
インデックスが特に有効となる業務データの特性としては、以下のようなものが挙げられます。
- データの規模が大きい
- テーブルの追加や更新、削除をする機会が少ない
- 値の分布が大きい(異なる値が多い)データを対象としている
上記のような要素を持つ業務データにインデックスを適用することで、より効果的に社内業務においてデータ活用を図ることができます。
たとえば、行政機関や金融機関に関するデータ、企業内の各種マスタデータなどは比較的インデックスの効果が得られやすいでしょう。
まとめ:インデックスを利用してデータを効率的に活用しよう
インデックスとは、データベースのなかから特定の情報を探し出すための「索引」のことです。
インデックスを活用することで、検索パフォーマンスの向上を図ることができます。
インデックスを利用する際は、データ更新による処理速度の低下やインデックスを考慮したデータベース設計に注意することが重要です。
また、データの規模や更新頻度などを踏まえてインデックスの適用対象を検討するとよいでしょう。
SQLの基礎知識や練習方法を知りたい方は、下記の記事も合わせてご参考ください。
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