いまさら聞けない【情シス知識】そういえば、基幹システムってなに?

2018/07/11

“基幹業務”、“基幹系”、“バックオフィス系”とさまざまな呼び方がある「基幹システム」。名前はよく聞くけど、いろいろな呼び方も加わって、どんなシステムなのかを考えるとわかりづらい。そこで、今回は基幹システムの基礎知識を紹介!

【そもそも】基幹システムとはどんなシステム?

当たり前に使われるようになった、というより、もはや空気のような「基幹システム」というキーワード。でも、今回は声を大にして言いたい。

「基幹システム」って、なんですか?−−

“基幹システムをクラウド化”、そんな話題も最近ではそこかしこ。どのシステムだっけと手に汗握る前に、おさらいしておきましょう。

結論からいうと、基幹システムとは、「企業活動に欠かせない業務」をサポートしてくれるシステムのこと。“企業活動に欠かせない”ということは、「止まっちゃ困る」ということで、もし止まってしまったら・・・、「その会社の業務がまわらなく」なります。とても重要です。だからこそ、ものごとの中心を表す“基幹”という言葉が使われ、情シスが担当するシステム保守の仕事も、この基幹システムの保守がコア業務になっています。

 

【知っておこう】基幹システムの主な種類は4つ!

基幹システムは以下の4つの種類に分けることができます。

【生産管理システム】

主に製造業で使われる基幹システム。生産管理とは、会社の方針に沿って製品の製造を最適化すること。それをサポートするのが生産管理システムの役目であり、生産・販売計画、受注状況管理、生産ライン管理、品質管理、コスト管理などの機能があります。

<主な生産管理システム製品例>
・「WorkGear(モリックス)」
http://www.morix.co.jp

・「TECHS(テクノア)」
https://www.techs-s.com/product-bk

・「TONOPS(東レエンジニアリング)」
http://www.toray-eng.co.jp/products/info_cae/inf_001.html

 

【販売管理システム】

見積、受発注、サービス提供と納品、検修、請求/入金など、製品やサービスの販売にかかわる業務をサポートする基幹システム。主な機能は「購買管理」・「販売管理」・「在庫管理」の3つです。

<主な販売管理システム製品例>
・「アラジンオフィス(アイル)」
https://aladdin-office.com

・「弥生販売18(弥生)」
http://www.yayoi-kk.co.jp/products/dealing/index.html

・「楽商(日本システムテクノロジー)」
https://www.rakusyo.jp

 

【会計管理システム】

会社の現金や預金の入出金管理や総勘定元帳などの書類作成、収益分析など、会計や経理業務をサポートする基幹システムです。

<主な会計管理システム製品例>
・「弥生会計18(弥生)」
http://www.yayoi-kk.co.jp/products/account/index.html

・「OBIC7会計情報システム(オービック)」
http://www.obic.co.jp/erp_solution/accounting_info/

・「MFクラウド会計(マネーフォワード)」
https://biz.moneyforward.com/accounting

・「クラウド会計ソフト(freee)」
https://www.freee.co.jp/houjin/?referral=aw_freee_kaikei

 

【人事管理システム】

社員や会社組織の情報管理や勤怠管理、給与など、人事部の業務を支える基幹ツール。パッケージで提供される場合や、人材管理システムや給与計算システムのように独立した機能で提供される場合もあります。

<主な人事管理システム製品>
・「TimeProシリーズ(アマノ)」
https://www.tis.amano.co.jp/product/

・「OBIC7人事情報システム(オービック)」
http://www.obic.co.jp/erp_solution/hr_info/

・「カオナビ(カオナビ)」
https://www.kaonavi.jp/

 

上記からわかるように、基幹システムはそれぞれ独立し、部署ごとに使われている場合がほとんど。各システム間でのデータのやりとりには、データ連携が必要になります。

 

【メリット/デメリット】基幹システムは業務の何を変えてきたのか?

基幹システムは事業成長にも恩恵を与える一方、導入によるデメリットも存在しています。メリット/デメリットを確認しておきましょう。

【メリット】「経営情報の見える化」・「業務効率化」・「業務標準化」

①「経営情報の見える化」

基幹システムは、部門ごとのデータの見える化と一元管理を可能にします。これにより現状把握がスピーディになり、経営にかかわる情報の抽出も効率的行えます。

②「業務効率化」

会社の規模が大きくなればなるほど、各部門の業務も増え煩雑になっていきます。その業務を基幹システムにより自動化することで業務効率をアップさせることができます。

③「業務標準化」

人的な業務フローやデータ入力・管理は、属人化が生じやすく、担当者以外の社員が対応できないという問題がしばし起こります。基幹システムの活用することで、「誰もが同じクオリティ」で業務を行えるようになります。

 

【デメリット】「システム間連携」・「寿命に伴うリプレースのむずかしさ」

①「システム間連携」

個々の部署で基幹ツールを活用する分にはよいですが、データ連携の際にリスクとなりやすいようです。個々のシステム間の連携は、カスタム開発で賄われることが一般的ですが、それに伴う「システムへの影響」や「構成の複雑化と保守コストの肥大化」が懸念材料としてあげられます。

③「寿命に伴うリプレース」

基幹システム製品のサポート期間切れや、サーバー、ミドルウェア、アプリケーション、OSなどのサポート終了など、基幹システムのリプレースはさまざまな理由があり、コストもかさみます。ここからわかるようにシステムの刷新には、多くの労力と時間も必要です。また、近年ではオンプレミス→クラウドの流れもあり、選択肢が多様化しています。

【ボス登場】基幹システムの話題でよく聞く、ERPってなに?

ここまで基幹システムの概要を見てきましたが、ここで「ERP」が気になっているという人も多いのではないでしょうか。

ERPは基幹システムの話題でよくでてくるキーワードですが、「Enterprise Resources Planning」の略であり、企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用する計画=考え方を意味します。「基幹系情報システム」を指すこともあるのですが、「基幹システム=ERP」というわけでもありません。基幹システムとの違いをおさらいしていきましょう。

<主なERP製品例>
・「GRANDIT(GRANDIT)」
https://www.grandit.jp

・「ZAC Enterprise(オロ)」
https://www.oro.com/zac/

・「Plaza-i(ビジネス・アソシエイツ)」
http://www.ba-net.co.jp/plaza-i/

・「クラウドERP freee(freee)」
https://www.freee.co.jp/cloud-erp/

 

図のように、ERPは複数の基幹システムを含んだパッケージであり、日本では「統合基幹業務システム」とよばれます。ここからわかるように、個々の基幹システムをカスタム連携して運用する必要はありません。また、各システムのそれぞれのデータは一元化管理できるので、「部署を横断したシームレスな情報共有」が可能です。

加えて、ERPは「管理会計」に非常に有効なツールであることも大きなポイントです。管理会計とは、経営管理者が自社の状況把握や経営判断を行うためにレポートを作成する“理論会計”業務。従来の基幹システムでは、システムごとにデータの集計・加工が必要でした。しかし、各システムが統合されたERPではその必要がなく、リアルタイムな状況把握と経営判断を行うことが可能です。近年では、導入によりデータ分析基盤をはじめから整備できるBIツール搭載型もあり、質の高い管理会計を行うツールとしてERPを導入する企業も増えています。

また、スタートアップ界隈でもERPの普及は進んでいます。スタートアップは一般的にビジネス急成長をミッションとして企業活動を行うため、部門や人ごとの業務がブラックボックスになりがち。それゆえ、業務フローが確立されていない場合も少なくなく、上場をめざすうえで「内部統制」が課題になることがあります。そこに、各部門のシステムを統合管理できるERPを活用することで、それぞれの業務を俯瞰的に把握でき、内部統制の確立も図りやすくなるからです。

さらに、背景としては「クラウド型ERP」の浸透もあります。自前でサーバーを立てる必要がなく導入コストを抑えられる。システムの自動アップデートによる利便性と、サーバー管理不要による低運用コスト性。さらに、必要に応じて機能追加やWebサービス連携ができる拡張性。これらの利点により、上場準備に入ったベンチャーや中小企業でも比較的導入しやすいERPとなっています。

目まぐるしく変化する現代のビジネスで重要度が高まる管理会計。そして、若い企業に求められる内部統制の確立。これらをサポートするERPは、基幹業務管理にとどまらず、企業活動に欠かせないビジネスソリューションなのです。

 

【執筆:編集Gp 坂本 嶺】

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