ノートンライフロックとアバストが合併~Nortonは5億人を超えるユーザーを抱える企業へ~

消費者向けサイバーセーフティのグローバルリーダーであるノートンライフロックとデジタルセキュリティとプライバシーのグローバルリーダーであるアバストは事業統合を発表した。これでNortonは、約4000万人の直接顧客を含む5億人以上のユーザーにサービスを提供する会社となる。

今回の合併にいたった背景や目的などを見ていくことにしよう。

まず、統合はAvastが発行する通常株式をNortonが買い取る形で行なわれ、ノートンライフロックの最高経営責任者は引き続きVincent Pilette(ヴィンセント・ピレット)氏がその手腕を振るう。
尚、AvastのCEOであるOndřej Vlček氏、および共同創設者/取締役であるPavel Baudiš氏はNortonの取締役会のメンバーとなる。

Nortonといえば、Macユーザーには古くからなじみのあるブランドではないかと思うが、今回の合併によりさらなるセキュリティ企業としてのポジションを強固にしたといえよう。

CEOのピレット氏は「この両社の組み合わせにより、サイバーセーフティプラットフォームを強化し、5億人以上のユーザーの利用を可能にします。また、サイバーセーフティを変革するためのイノベーションをさらに加速する能力もあります。」と今回の合併について述べている。
今後については、Avastのプライバシーの強みとNortonのアイデンティティの強みを活かし、幅広い補完的な製品ポートフォリオを展開するとしている。
世界的なサイバー脅威が増大しているにもかかわらず、サイバーセーフティの普及率は非常に低いままという現実もある。両社の合併が、世界中の消費者に包括的なサイバー保護を提供するというビジョンを加速すること貢献するなら、エンドユーザーにとってはプラスである。

この二社が合併したことで、明日から何か画期的なことが始まるわけではない。特に法人向けという視点では、2019年にブロードコムが法人向けセキュリティ事業とシマンテックブランドを買収していることもあり、ノートンライフロック社としては主に民生向け事業を手掛けている状況だ。
しかしながら、この二社の合併は今後の製品・サービスに期待をせざるを得ないし、もしかするとセキュリティ関連企業の統廃合のきっかけになるのかもしれない。

今日のところは”情シス トリビア”として、会話のエッセンスとなる知識として覚えておけばよいだろう。

 

【執筆:編集Gp ハラダケンジ】

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