2020年度上半期国内PCサーバー出荷台数調査-MM総研

ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、2020年度上半期国内PCサーバー出荷台数を調査し概要をまとめた。
2020年度上半期の国内PCサーバー出荷台数は19万3860台(前年度同期比10.5%減)と2ケタの減少に。

サマリー
■2020年度上半期の出荷台数は19万3860台と前年度同期比で10.5%の減少
■在宅勤務の広がりで、オフィス内での設定が必要となるサーバーの需要が低下
■出荷金額は1309億円と前年度同期比で4%減と小幅な下落にとどまる

 

果たしてコロナ禍で働き方が変わったのか?

新型コロナウイルスの流行で在宅勤務が広がったこともあり、購入後にオフィス内などでの設定が必要となるオンプレミス向けのPCサーバー※1需要が伸び悩んだ。特に低価格のオフィス向けサーバー需要が縮小している。
出荷金額は、1309億円の同4%減と台数と比較し小幅な減少となった(データ2)。クラウドへのシステム載せ替えのメリットが薄い中規模以上の単価の高いレガシーシステム向け出荷が出荷金額を下支えした形だ。

※オンプレミスサーバー・・・サーバー利用者が管理する施設内(社内のサーバールームやデータセンターなど)に設置、運用されているサーバーのこと

【データ1】2020年度上半期国内PCサーバー出荷台数実績と予測


【データ出典:MM総研】

 

新型コロナ流行でオンプレミスサーバー出荷は減少

2020年度上半期は、台数金額とも前年度同期比で減少に転じた。在宅勤務の増加は、パソコンやWeb会議システム、コラボレーションソフトなどの需要増につながっているが、オンプレミスで設置するPCサーバーの需要増にはつながらなかった。
業務のデジタル化やデジタルマーケティングによりクラウド需要が大きく伸びており、今後は、クラウドとオンプレミス型の情報システムが連携して業務を遂行するハイブリッドクラウドや、マルチクラウド需要がオンプレミスのサーバー需要を牽引すると予測する。

【データ2】2020年度上半期国内PCサーバー出荷金額実績と予測


【データ出典:MM総研】

 

 2020年度下半期も減少傾向だが、サプライチェーン改善で減少幅に歯止め

前述のように2020年度下半期は、出荷台数が前年度同期比5.7%減の21万5200台を予測している(データ1)
新型コロナ流行により発生した生産、現地セッティング、SIなどサプライチェーン全体の停滞の改善や、プロジェクトの復活で、減少幅は縮小すると予想される。
出荷金額も前年度同期比2.3%減と小幅な減少に留まると予測する(データ2)

オンプレミス向けには、現地配備や運用を簡素化する工場サービスや運用の自動化サービスなどの付加価値が求められる。

 


【PCサーバーの定義】

・PCサーバーとは、32bitベースの汎用CPUと汎用OSを組み合わせた企業向けサーバーを指す。従来は、企業内システムでのファイル・プリンタ共有など情報系システムを中心に活用されてきた。現在ではCPU性能と製品全般の堅牢性・信頼性の向上に伴い、独自OS・独自64bitCPUで構成するUNIXサーバーの牙城であったDBサーバーなど、基幹系システムにも浸透し、現在では、金額ベースで全サーバー出荷金額の50%以上、台数ベースでは95%を占める。

・本統計には、メガクラウド事業者等が、ODMメーカー等から調達する、自社専用設計のPCサーバーを含んでいない。


■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社。
日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねている。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供する。


本レポートは、MM総研様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=469

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