【スマート工場EXPO】プロジェクションマッピングでミスを防止するピッキングシステム アイオイ・システム

2017/01/27

製造や物流現場で使われるさまざまな機器・設備を設計・開発・販売しているアイオイ・システム(東京・大田)では、プロジェクションマッピング技術を応用したピッキングシステムを出展していた。

プロジェクションマッピング技術を応用したピッキングシステム

プロジェクションマッピング技術を応用したピッキングシステム

「プロジェクションピッキングシステム」は、事前に登録された情報に沿って、順番に部材が入っている棚にプロジェクションマッピングを使って画像を投射。作業者に位置を示す仕組みだ。

画像を投射するレンズ部分

画像を投射するレンズ部分

システムは棚の脇にカメラが付いており、手の動きを監視する。部材を取ってスイッチを押すと信号が飛んで、正しいかどうかを判断。ミスが発生した時には、警告音とミス表示を行う。表示内容は自由に設定できるため、部材の形や必要な数量、そのほかの情報も同時に表示できる。多言語対応も可能だ。

「例えば、セル生産方式の屋台で、その部材の取り付け方とか取扱時の注意事項なども表示できる。そのため熟練度の高くない作業者のミス低減にも効果がある。また、部材が変わっても、プログラム上で変更すればラベルなどの作り直しも不要なので頻繁に生産が変わるラインにも適している」と、小谷崎英二・営業部部長は説明する。

ミスをすると赤く光って警告する

ミスをすると赤く光って警告する

製造ラインや物流・流通の倉庫などでは、細かい商品や部品を整理して保管、使用するために棚が使われている。棚からこれらの部材を取り出す「ピッキング」という作業は、人が作業するためにミスが起きることが少なくない。

これまで、部材を入れる棚にはラベルやバーコード、表示器など使って表示を行い、ミスを減らすような工夫が行われていた。しかし、小物を入れる棚などは、表示する部分が小さくなってしまうため限界があった。また、柔軟性が求められる生産を行う場合、使う部材が頻繁に変わるためラベルなどの貼り替えを行う必要があった。

このような課題に対し、アイオス・システムではプロジェクションマッピングの技術を応用して、ピッキングシステムを作ることを考えた。「エンターテイメントで使われているプロジェクションマッピングを見て、『この技術をピッキング用の棚に使ったら、課題が解決できるかもしれない』と考えたのがきっかけ」(小谷崎部長)という。ミスを減らすこのシステムはインダストリー4.0時代に合った新しいピッキングシステムといえるだろう。

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