国内ITサービス市場予測(2019~2024)-IDC
IDC Japanは、国内ITサービス市場予測を発表。国内ITサービス市場は2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によりマイナス成長となるものの、2021年以降はプラス成長に回帰し、2024年には6兆2,255億円になる見通しであるという。
業種により大きく影響された企業、そうでなかった企業とあるだろうが、これが新しい基準「ニューノーマル」になるのであれば、それに対応する必要があり、そのためにはDXが必要となるのではないだろうか。
2019年の国内ITサービス市場は、既存システムの刷新/更新需要が拡大し、さらにWindows 7のサポート終了に伴う買い替え、消費増税前の駆け込み、元号改正対応、消費税率変更対応などの複数の特需が重なったことで、前年比成長率3.0%の5兆8,443億円となった。
国内ITサービス市場 支出額予測:2019年~2024年
Note: 2019年は実績推定値、2020年以降は予測
Source:IDC Japan, 9/2020
2020年の同市場は、堅調な成長を遂げた2019年から一転し、厳しい環境に置かれている。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大による2020年4月7日の緊急事態宣言後、ITサービス事業者は、対面による営業活動、リアルイベントやセミナーの開催などのマーケティング活動が大幅に制限されたことで、新規受注の獲得に影響を受けていることなどもその理由の一つである。
(一方でWebinarが定着し、開催コストが非常に低いことから回数を増やすことが可能、また、これまでは会場に足を運ぶことができなかった人が参加できるようになり、新たな層が開拓できているという意見もあります)
また、新規受注だけでなく、進行中の開発案件における進捗の遅れ、顧客常駐型サービスや自社センター型サービスにおける稼働率の低下や作業の遅延、生産性やサービスレベルの低下、サプライチェーンの混乱による機器の納品遅延などの様々な面に影響が生じているともいう。
しかしながら、この谷は2020年までと考えられており、経済活動の正常化に伴い、2021年以降はプラス成長に回帰し、2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は1.3%で推移するとIDCでは予測している。
このようなことからITサービス事業者は、COVID-19によって変化する社会環境への対応をビジネス機会として位置付け、サプライチェーンの強靭化や非対面/非接触を前提としたビジネスモデルへの変革を支援するサービスオファリングを整備するとともに、2020年に影響を受けた既存システムの刷新/更新案件への対応を進める必要があるであろう。
IDC Japan ITサービスグループ リサーチマネージャーの木村 聡宏氏は「ITサービス事業者は新たな働き方への対応を急ぎ、企業のDXを支援するパートナーとして、自社の取り組みをベストプラクティスとして示すべきである」と述べています。
今回の発表はIDCが発行した国内 IT サービス市場 産業分野別予測アップデート、 2020 年~ 2024 年 にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内ITサービス市場を12の市場セグメント、および、ユーザ企業の産業分野別(18産業)に分類し、2024年までの市場規模予測を行っています。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46868420