2018年第3四半期 国内トラディショナルPC市場-IDC

22日、IDCは、日本国内におけるトラディショナルPC市場出荷実績値について発表。これによれば、2018年第3四半期(7月~9月)の国内トラディショナルPC出荷台数は、法人市場が前年同期比19.1%増の197万台、家庭市場は同比10.4%減の86万台、両市場合わせて同比8.3%増の283万台となった。法人市場は、2四半期連続で前年同期比2割増に迫る出荷台数となった。

・トラディショナルPCの第3四半期は法人市場の旺盛な買い替え需要により活況
・総出荷数は前年同期比8.3%増、283万台
・法人市場は同比19.1%増、197万台、家庭市場は同比10.4%減、86万台

法人市場は前四半期から本格的な成長局面に突入しており、この買い替え需要は来年も継続するとIDCではみている。現在この成長を牽引しているのは主に大企業であるが、中堅中小企業の買い替えは来年中盤に山を迎えるとIDCは予測。9月にマイクロソフトから発表されたエンタープライズおよび教育向けのWindows 10のアップデート猶予期間の延長プログラムは、両セグメントにおけるWindows 10への移行計画に影響を与えると思われ、2020年1月のWindows 7の延長サポート終了前後に、両セグメント以外の法人市場で大方のPCがWindows 10への移行を終了するとIDCでは予測している。

一方、家庭市場については、3四半期連続で前年同期比10%ほどの減少が続いているものの、2017年の出荷が比較的好調であったことから、今年は先食いの影響が出ているものと考えている。

 

カンパニー・ハイライト
カンパニー*1別の出荷数上位5社は以下の通りである。

図. 2018年第3四半期 国内トラディショナルトPC出荷台数 トップ5カンパニーシェア

Notes: 端数処理[四捨五入]の影響により合計値の末尾が一致しません。
Source: IDC Japan, 11/2018

 

レノボ/NEC/富士通グループは、グループ全体で前年同期比13.2%増、特に法人市場での同比が20.9%増と躍進が目立っている。グル―プ内の各ブランド*2でも、大企業への出荷がグループの法人市場の成長を牽引している。家庭市場では同比3.6%減とマーケットの平均と比較すると減少幅が小さく、特に富士通の同市場での強さがグループ全体の家庭市場の業績を引き上げる格好となっている。

富士通は、同ループ内で最大の出荷規模を有している。法人市場で前年同期比25.4%増、家庭市場では同比21.0%増と、両市場で好調。

NECは、法人市場でのCPU供給不足の影響を受け、前年同期比が2.9%増と法人市場の平均を大きく下回った。家庭市場では同比22.4%減と、両市場での不調が目立つ結果となった。

レノボは、法人市場が前四半期に続き大きな伸びを示し、前年同期比42.3%増。大企業への出荷が急拡大した結果である。家庭市場も同比2.6%増と好調。

日本HPは、法人市場で同比26.8%増、家庭市場は同比29.8%増と、ひときわ好調。

デルは、法人市場は同比24.6%増、家庭市場では同比18.8%減で家庭市場での低調が続いている。

東芝は、法人市場で同比3.3%増と法人市場の平均成長率を大きく下回った。大企業では好調を維持したものの、CPU供給不足の影響を大きく受けた模様。家庭市場は同比41.0%減と不調である。シャープによる買収後の新体制での方針が明らかになるまで不透明感が続くと思われる。

アップルは、法人市場で同比6.4%増、家庭市場で同比1.2%増と現状維持。

 

CPU供給不足問題が足元のリスクとなっているが、インパクトが大きいと予測されるPCベンダーはあらゆる手を尽くして調達する、もしくは競合ベンダーが利を得ることにより、国内PCマーケット全体としては、それほど影響がないであろうとIDCではよんでいる。

 

IDCが発行する「国内PC市場 2018年第3四半期の分析と2018年~2022年の予測」にその詳細が報告されています。
本データ製品では、2018年第1四半期~2018年第3四半期の国内PC市場実績値が掲載されます。
本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したものです。
ここでいう国内のトラディショナルPC市場には、デスクトップPC、ポータブルPC、ワークステーションが含まれています(x86サーバーは含まれていません)。
IDCではより正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っております。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。

 

注 *1: カンパニーとは、IDCの調査レポート期間において、期間内に発生した買収・統合の結果を反映する財務・法務的な企業ないし企業グループを指します。IDCではあたかもこの企業グループが過去全ての調査期間に渡って存在していたかのごとく取り扱います。こうすることで、買収・統合前後の成長率などのトレンド分析が簡単、明瞭になります。なお、カンパニーにはOwnershipが含まれますが、持ち株会社のように実質的に事業を行っていない会社は、除外します。
注 *2: ブランドとは、製品梱包箱に記載されているベンダーブランドです。

本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20181122Apr.html

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