テクノロジーもサイエンスも面白い!!世の中はユニークな研究であふれてる

夏休みも始まり、お子様の夏休みの自由研究に困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今日はそんなお父様・お母様のヒントになるかもしれません。

本当は、むずかしいより面白いんです

テクノロジーやサイエンスの世界は、あらかじめ知識がないと、参考書を読んでも内容がわかりづらく興味が薄れがち。ここに理系分野が苦手になってしまう理由があるように思えます。

ITで考えても、クラウドだけでもIaaS、PaaS、SaaS。IoTではM2M、加速度センサー、光センサー、ひずみセンサー、ビーコン。AIでは強化学習、深層学習、深層強化学習、コグニティブ・ラーニング。さらにブロックチェーンではP2P、パブリック、プレイベート、コンソーシアムなどなど・・・。言葉だけでも“さくっと覚えておくか”ができる量ではありません。まして、苦手な人には、ただ言葉と意味を覚えるなんてストレス以外の何物でもない。

でも、そんなデスクの上だけの世界を離れてみると、テクノロジーもサイエンスもばつぐんにおもしろい! 今回は、とびきりユニークな研究を紹介していきましょう。

 

イグノーベル賞には、世界中のユニークな研究が集まります

ユニークな研究でまず思い浮かぶのが「イグノーベル賞」。ノーベル賞のパロディのような科学研究コンテストで、審査基準は「研究のユニークさと、考えらせられ度合い」。つまり、笑える内容かつ深い思慮がある研究が評価を得ることができます。パロディとはいえこのイグノーベル賞、歴史はもうすぐ30年。規模も国際規模です。

気になる受賞研究を見てみると、「緊急時にガスマスクになるブラジャーについて(アメリカ)」や「キツツキはなぜ頭痛にならないのか(アメリカ)」、「猫は液体になれる(フランス)」、「ワニとの遭遇によるギャンブル依存症への影響(オーストラリア)」、「ゆで卵を部分的に生卵に戻す方法(オーストラリア・アメリカ)」など、一例だけでもトリッキーな内容。

こんな研究が世界から集まりしのぎを削るイグノーベル賞で、1992年からコンスタントに受賞。2007年からは11年続けて連続受賞している国があります。それが実は日本なんです!

・「足の匂いになる化学物質の特定」
・「ハトが嫌う銅像の考察とカラス除け合金の開発」
・「パンツに吹き付けると浮気を発見できるスプレーの開発」
・「牛の排泄物からバニラの香り成分を抽出」
・「相手の発話を妨害する装置の開発」

などなど、内容もかなりとんがっています。国民性では、“勤勉”や“まじめ”というイメージを持たれることが多い日本人ですが、研究はかなりイケイケ。直近では、2017年に吉澤和徳准教授(北海道大学)と植村佳考准教授(慶應義塾大学)とブラジル・スイスの研究者2名のチームによる「オスとメスが逆転したように生殖を行う『チャタテムシ』の発見について」が、生物学賞を受賞しました。

さらに調べてみると、イグノーベル賞以外にも、日本にはまだまだユニークな研究がたくさん。例えば、産総研研究員・栗原一貴さんの「Geoface Project」。航空写真の画像解析で、人の顔に見える土地などを検索する研究なのだとか。ちなみに、栗原さんは上述の「相手の発話を妨害する装置」の開発者であり、2012年のイグノーベル賞「音響楽賞」を受賞しています。

続いて、テムザック技術研究所と鳥取大学医学部・付属病院のコラボによる、ロボット「mikoto」もユニーク。人そっくりなロボットが、 “オェ”とリアルにえずく。・・・とは言っても、mikoto開発の目的は、研修医が内視鏡検査の訓練を積むためのもの。医療界に寄与する素晴らしい研究です。

 

さて、研究といえば・・・、語る上で欠かせないのが大学の存在。日本の大学にはユニークな研究はないのでしょうか?

 

ユニークにも社会貢献にも高いポテンシャルを秘めているのが大学の研究です

探して見ると、こちらも続々。例えば、東京海洋大学の「マグロのベジタリアン化による完全養殖の実現(佐藤秀一教授)」や「鯖にマグロを産ませる(吉崎悟朗准教授)」。魚つながりでは、近大マグロで有名な近畿大学の「うなぎ味のナマズ(有路昌彦教授)」、「青魚臭さがないブリ(有路昌彦教授)」なども。

テクノロジー分野では、慶應義塾大学の「archiroid(松川昌平准教授)」があります。ロボットアームなどで建築物を解体したり再構築したりする研究で、実現すれば名建築を一戸建てで再現できるようになるかも。

筑波大学の「身体防御スーツ」もインパクト大。ユーザーの筋肉の収縮を検知したセンサー付きのスーツが膨み、暴漢から身を守ってくれるそう。バットマンやパーマンのように着れば強くなるスーツの研究です。

さらに、慶應義塾大学大学院の「カモフラージュ・マント(稲見昌彦教授)」もすごい! 光学迷彩技術と再帰性反射材により、身につけると風景に溶け込んでいるように見える素材や仕組みの研究です。

ほかにも、「ダチョウの抗体で世界を救う(京都府立大学大学院 塚本康浩教授)」や「宇宙人とのコミュニケーション方法(京都大学大学院 木村大治教授)」など、さまざまな大学でユニークな研究が行われています。

もちろん、これらはおもしろさが主眼ではありません。でも、テクノロジーやサイエンスが苦手な人でも、興味や親しみを感じたのではないでしょうか。言葉や意味の暗記よりも、楽しく理解を深めること、そこから学びがはじまる気がします。また機会があれば、ユニークな研究をたくさん紹介していきましょう。

 

【執筆:編集Gp 坂本 嶺】

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