【ロボデックス】インダストリー4.0時代のロボット・製造ラインを展示 KUKA、ヤマハ発動機

  • 2017/1/25
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2017/01/25

■KUKA、手動ガイダンスでも動作を教えられる協働ロボットをデモ

「インダストリー4.0」は、2011年にドイツ政府が提唱した製造業のデジタル化を指す。その本場ドイツの産業用ロボットメーカー、KUKA(クカ)の日本法人、KUKAロボテクスジャパン(横浜市)は、次世代型協調ロボット「LBR iiwa」を展示。協働環境の対応性とともに、設置や稼動環境へのフレキシビリティの高さをアピールしていた。

ブースでは「LBR iiwa」がタブレットに書いた文字をロボットが書くデモを展示

ブースでは「LBR iiwa」がタブレットに書いた文字をロボットが書くデモを展示

LBR iiwaは、重量20kg台の7軸軽量小型アーム型ロボット。移動・設置が簡単で、曲線主体デザインや、モノが挟まりにくい関節構造、人の接触に備えた圧力センサを持つなど「協働」にふさわしいロボットだ。

制御プログラムにはJavaが使用可能。IT系のエンジニアも開発しやすい環境を整えている。手でロボットに動きを教える「ダイレクトティーチング」機能、ロボット自らが位置調整を行える機能を搭載した。

ロボットは文字を書く動作もなめらか

ロボットは文字を書く動作もなめらか

ブースでは、複雑な熱交換器のパイプ据え付けを、ダイレクトティーチングと自動位置補正機能を使って、プログラムなしで教え込んだ動作デモ、複雑な変速機のギヤ据え付けを、反力をセンサで調整しながら嵌合(かんごう)させていくデモなど、今までのプログラミング型ロボットとは一線を画すデモなどが行われていた。


■ヤマハ発動機、インダストリー4.0対応統合制御型ロボットシステム

ヤマハ発動機は同社のロボットシステムを刷新し、統合制御の全自動生産ラインを構築できる「Advanced Robotics Automation Platform」を展示した。

ヤマハ発動機のブース

ヤマハ発動機のブース

自社のオートバイ製造ライン用ロボットをルーツに30年以上の歴史を持つヤマハ発動機は短軸ロボット、スカラロボット、電動アクチュエータなど、実は産業ロボットメーカーとしても有数の企業だ。

Advanced Robotics Automation Platform

Advanced Robotics Automation Platform

その集大成的なシステムが「Advanced Robotics Automation Platform」。新型のリニアコンベアモジュールLCM-Xシリーズ、新型スカラロボットYKXシリーズ、単軸ロボットGXシリーズ、YLEシリーズ、ロボットカメラYFAEYEというロボット群を包括的に協調し同期制御する統合型コントローラYHXで構成されている。

山田勝基・IM事業部ロボットビシネス部 ロボット営業グループリーダー

山田勝基・IM事業部ロボットビシネス部 ロボット営業グループリーダー

「統合型コントローラYHXにより、これまでロボットごとに必要だったコントローラを、モジュール型にすることにより1ユニットにまとめることが可能になった。これにより、省スペース化、省配線化だけでなく、ロボット同士の協調・同期運転も可能になった。IoTにも対応しており、インダストリー4.0にも対応できる」と、山田勝基・IM事業部ロボットビシネス部 ロボット営業グループリーダーは説明する。

統合型コントローラとともに「Advanced Robotics Automation Platform」の核を成すのがリニアコンベアモジュールLCM-Xだ。

「LCM-Xは高度な動き制御、位置制御が可能。これまでのベルトコンベアと異なり、『スライダ』と呼ばれる台に加工物を載せて動くため、逆走動作や速度可変も可能。YHXによる加工ロボットとの協調動作で、横方向の動きができるので、これまで2軸ロボットが必要だった加工プロセスも、単軸ロボットで実現できるようになり、設備のコストダウンにもなる」(山田営業グループリーダー)という。

今回のロボデックスで数多く見られた協働ロボットとは真逆の「完全自動化生産ライン」だが、IoTへの対応や、インダストリー4.0を見据えた自由度の高い統合ロボットシステムとして、非常に興味深い製品といえるだろう。

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