【ロボデックス】人が安心して一緒に働けるロボットを ライフロボ、カンタムエレ、川崎重

  • 2017/1/25
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ピッキング用ロボット「CORO(コロ)」

ピッキング用ロボット「CORO(コロ)」

同社が展示していたのが、人が安心して、製造ラインで並んで仕事ができるロボット「CORO(コロ)」。ブースの上から吊り下げられたおもりの間隔は60cm。このスペースがあれば、COROは安全柵不要で設置できるという。

ブースの上から吊り下げられたおもり

ブースの上から吊り下げられたおもり

ピッキング用の協働ロボットとして開発されたCOROは、一緒に働く人達が安心して作業できるための工夫が随所に施されている。その最たるものが同社の特許でもあるトランスパンダーテクノロジーによる、世界で唯一の肘関節を持たない伸縮型のアームだ。肘がないことにより、可動域を小さくでき狭い場所に設置が可能というだけでなく、シンプルな動きでまわりで働く人が、ロボットの動きを容易に予測できるというメリットがあるという。

伸縮型のアームが特長

伸縮型のアームが特長

COROは「産業技術総合研究所の主任研究員として長らくロボットアームの研究を行ってた、同社の尹(ゆん)祐根社長が「協働ロボットを作りたいという想いを形にしたロボット」と毛利重雄・営業本部ディレクターは説明する。

ロボットの形状は人とぶつかってもケガをしないように丸みを帯びており、仮にぶつかった場合には、すぐ停止するようになっている。ロボットをコントロールするためのパネルも、女性や高齢者が増えている製造現場の実情を考慮して、家電感覚で使える、わかりやすく、操作しやすい画面設計がなされている。

COROの操作画面

COROの操作画面

「デモを手伝ってくれている女性は、この会場で初めてCOROと『協働』したが、すぐに慣れた。このことからも協働ロボットとして親しみやすく安心できることを確認できた」と、毛利ディレクターは自信を見せた。


■カンタムエレクトロニクス、デンマーク製のロボットが繊細な動きで習字をデモ

カンタムエレクトロニクス(横浜市)のブースでは、「心」という字を毛筆で書くロボットが注目を集めていた。

毛筆で書くロボットのデモ

毛筆で書くロボットのデモ

冷たいイメージを持つロボットが、暖かな心を描くというテーマのこのデモ。「心」の文字は、浜松の学校の生徒が書かれた文字を手本としているという。また、きれいに書くために、実際の書道の先生と同じ筆運びの速度にロボットの動きをあわせたという。

同社の扱うデンマーク・ユニバーサルロボットは、6軸の多関節型ロボットで、6軸のすべてが360度の回転可能。繊細な筆運びや、すずりの上で筆先を整えることができるのも、この自由度の高さからだという。

書道の先生と同じようになめらかな筆運びをする

書道の先生と同じようになめらかな筆運びをする

また、隣ではアーム全体に独自のフィルムセンサーを装着したロボットをデモも行われていた。このロボットは人と接触すると、すぐに停止できる。そのため、柵のない場所でも安全に使えることをアピールしていた。

これまでアーム型ロボットは機械製造・加工業で使われることが多かったが、繊細な動きが要求される食品製造・加工業でも利用されるようになってきている。デンマークでは、ナイトバーの壁に設置して、バーテンダーがシェイクしたカクテルを客に出すという給仕用途で使われているという。

繊細で人がいるところでも安全に使えるこのロボット。同社では研究機関の実験室や倉庫内の荷物整理など、これまでのロボットが使われてこなかった業種での利用を期待している。


■川崎重工、コーヒーを入れるロボット 産業以外の分野へ進出をアピール

川崎重工業のブースでは、コーヒーメーカーを使ってコーヒーを入れるロボット、稼働環境にあわせてロボットの動作速度を変えられることをデモを実施していた。

川崎重工業のブース

川崎重工業のブース

コーヒーを入れていたのは2つの腕をもつロボット「duAro(デュアロ)」。丸みを帯びたデザインで、センサによる衝突検知が可能となっており、周囲に安全柵がいらない協働ロボットだ。

「Cefe di duAro」の看板を出してコーヒーを入れるデモを実施

「Cefe di duAro」の看板を出してコーヒーを入れるデモを実施

コーヒーを入れるデモでは、タブレットから入力された客のオーダーにあわせて、duAroがコーヒーカートリッジを選択し、コーヒーメーカーにセット。コーヒーが入ったコップをトレイに載せて出す一連の動作を自動で行っていた。

カートリッジの選択からコップに入れるまでをスムーズに行う

カートリッジの選択からコップに入れるまでをスムーズに行う

「コーヒーを入れるデモは、カフェのようなサービス業での応用を想定したもの。これまで、産業用ロボットといえば製造業での使用がほとんどだったが、duAroは人と一緒に働くことができるので、このようなサービス業や食品工場などでも稼動が可能」と、井野英二郎・精密機械カンパニー ロボットビジネスセンター 営業企画部 基幹職は説明する。

また、duAroがより、必要に応じて通常よりも高速で稼働できることを示したデモも行っていた。井野基幹職は「duAroは使用環境に応じて通常の速度より早く稼働させることも可能。協働ロボットでは、あくまで人間のペースに合わせることが大切だが、周囲に人がいない状況であれば、より高速で使用することもできるので柔軟性が高い」と強調した。同社ではduAroの普及を目指し、東京・お台場に常設のロボットショールーム「Kawasaki Robostage」を開設。さまざまなでデモも行っているという。

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