使える! 情シス三段用語辞典56「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」
常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。
一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
一段目 ITの知識がある人向け 「RPA」の意味
「RPA(Robotic Process Automation=ロボティック・プロセス・オートメーション:ソフトウエアロボットを使った業務自動化)」とは、主にホワイトカラーが担当する業務を自動化する取り組みを指す。ソフトウエアのロボットに業務手順のトレーニングを施すことで、あたかも人間が行うように通常業務が代行させる。
ロボットをトレーニングするには、とくに複雑なIT知識は不要。業務担当者がロボットに教えるだけで済む。高いITスキルを持つ人材を投入する必要もない。RPAを導入すると、ホワイトカラーの業務効率化が図ることができるため、その業務に従事する担当者を、別の創造性が生かせる業務や事業に配置できる。
二段目 ITが苦手な経営者向け
社長はいつも「ムダな業務を減らして、売上につながる仕事にもっと人を回せ!」とおっしゃっていますよね。それは確かに大切なことです。
社長の考えから社内を見渡すと、例えば「事務作業」に代表されるホワイトカラーの社員が担当している仕事にムダがあったりしませんか? いや、「ムダ」と言ってはいけないかもしれません。みなさん、一生懸命に仕事に取り組んでいるからです。
でも、最近では「それらの業務をロボットに任せられないか?」という考えもあります。これはロボットの導入で、かなりの作業が自動化されている工場と同じように、事務の仕事もロボットを使って自動化させるということです。
このホワイトカラー社員の業務を、ソフトウエアのロボットが行う仕組みを作ることを「Robotic Process Automation=ロボティック・プロセス・オートメーション:ソフトウエアロボットを使った業務自動化)」といいます。
数字をエクセルの表に入力して、計算し集計する。そんな毎日のようにやっている業務は、RPAでロボットに任せてしまいます。そうすることで、手の空いた社員が、営業の現場や創造的なポジションに移って活躍してもらうわけです。そうなれば、社長の会社も収益の上がる体質に変革できるかもしれませんよ。
三段目 小学生向け
みなさんのおうちにロボットがあって、力仕事をしてくれたり、洗濯を手伝ってくれたりするといいなと思いませんか? ところが、計算したり、日記を書いたり、そんな人間がやるようなことも手伝ってくれるロボットがいます。形には見えない、コンピューターの中にいる「ソフトウエアのロボット」です。
たとえば、お母さんが家計簿をつけているとします。その時、レシートの数字を一枚ずつパソコンに打ったり、集計したりするのは大変です。そこで「ソフトウエアのロボット」を使ってみるとしましょう。
ロボットが何をするかというと、お母さんの代わりに家計簿に記入したり、計算したりすることをやってくれるのです。そうすると、お母さんはその計算結果を見て「今月はどうするか?」という大事なことを決めるだけでよいので、とても楽になります。空いた時間でほかのこともできますよね。
同じようにお父さんやお母さんが働く会社でも、人間がやっている事務の仕事をソフトウエアのロボットに代わりにやってもらう仕組みが出てきています。
これを「RPA(アール・ピー・エー:ロボットによる仕事の自動化)」といいます。
たくさんの書類をチェックしたり、計算したりする仕事は人が行うには、これまでは大変でした。でも、RPAを使うとそのやり方を教えれば、ロボットが自動的にやってくれるので、人間は最後の判断だけすればよいのです。そうなると、空いた時間ができて、その仕事をしていた人たちは、新しい仕事のアイデアを考えるなどの創造的な作業ができるようになるんですよ。