使える! 情シス三段用語辞典39「物体指紋認証」

2017/03/22

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け 「物体指紋認証」の意味

人間は本人を特定する「指紋」を持つが、工業製品のひとつひとつにもある種の指紋のようなものがある。それは製品の表面にある微妙なバラツキの模様。これを“世界に1つしかない指紋のような物体模様”として画像認識し、製品を特定するのが「物体指紋認証」技術。この技術を使えば、人が見ても判断できないぐらい均一に作られた製品でも、個別の識別ができる。

工業製品を「物体指紋」で認識できる「物体指紋認証」はさまざまな分野での応用が期待されている。例えば、ICタグなしで製品の在庫管理が可能になるほか、正規品の物体指紋をあらかじめデータベースに登録しておけば、模倣品の判別が容易になる。

二段目 ITが苦手な経営者向け

社長、ATMで指紋認証を使うことはご存じですよね。社長の指紋で社長個人を特定できるのですが、同じように工業製品にも指紋があるのをご存じですか? 例えば、金属製品。どんなに表面をきれいに磨いても、本当に微妙なレベルで、製品ごとに表面の模様が違うのです。

人間の眼では全部同じ製品にしか見えません。しかし、現在の画像認識技術を使うと、同じ製品でも、それぞれの表面模様が微妙に違うことを判断し、ひとつひとつを特定することができるのです。これが「物体指紋認証」という技術です。

仮にA工場で作った製品の物体指紋を登録し、出荷されて店頭に並んだとします。同じ製品がたくさんあっても、「あ、これはA工場で作ったあの製品だ」と、物体指紋を使えば追跡ができるようになるのです。「モノ」に指紋があり、登録ができることは在庫管理や模倣品問題などの解決に大きく役立つ可能性があります。物体指紋認証は、これから応用が期待される技術の1つなのです。

三段目 小学生向け

みなさん、「指紋」って知っていますか? 自分の指にある模様です。世の中にはたくさんの人がいますが、同じ指紋はないといわれています。なので、指紋はあなたであることを表わす大切な模様になるのです。

ところが人だけでなく、人が作った「モノ」にも指紋があるんです。このモノの指紋を「物体指紋」というんですよ。

たとえば、ここに金属のお皿が2枚あるとします。どちらも、同じメーカーの同じ製品です。一見すると、まったく見分けが付きません。ところが、それぞれのお皿には、人間の眼ではとても見分けができないビミョーな細かい模様の違いがあります。

この模様は「画像認識技術」という特別な技術を使うと、コンピューターで読み取って「モノの指紋」として見分けることができます。この「モノの指紋」を「物体指紋」といいます。物体指紋を使うとモノを見分けることができるようになるんです。

たとえば、お皿メーカーが、工場でお皿を作った後に、お皿の「物体指紋」をコンピューターに登録しておきます。そうすると出荷した後でも、その製品がどこで売られているかがわかります。

もし、そっくりなニセモノのお皿が売られていたとしても「そのお皿は指紋が我が社のコンピューターに登録されていませんニセモノです!」とわかるのです。便利ですよね。

そのほかにも「右のお皿は2016年10月に栃木工場で作ったもの」「左のお皿は2017年2月に埼玉工場で作ったもの」とわかるようになります。このように、「物体指紋」は、いろいろなに活用することができると期待されているのです。

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