使える! 情シス三段用語辞典49「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」
常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。
一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明
取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?
一段目 ITの知識がある人向け 「BPO」の意味
「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」とは、アウトソーシング手法の1つ。例えば、従来は企業の管理部門で行っていた、経理や総務などの日常の事務作業を丸ごと外部に出す。BPOを利用することで、企業は管理部門のコスト削減と効率化を計る。ITシステム運用などを丸ごとアウトソーシングする場合には「ITO(インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング)」と呼ぶこともある。
二段目 ITが苦手な経営者向け
社長はいつもコスト削減について悩んでいますよね。その解決策の1つとしては、コストを削減したい部門の業務の一部を専門会社などにアウトソーシング(外部委託)することがあります。この場合、費用も節約できるし、請け負う会社は専門性が高いため、安心して任せられます。すると、その部門にかけていた人員や資源を会社の強みを発揮できる部門に回すことができるでしょう。
こうした外部委託の方法では、一部だけをアウトソーシングするのではなく、「BPO」という手法があります。読み方は「ビー・ピー・オー」で、「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略語です。これは、コストをかけたくない部門を全部丸ごとアウトソーシングすることをいいます。最近では社内のITシステムを丸ごとアウトソーシングする場合もあるんですよ。
具体的には「社長の会社のある部門はどのような形が一番効率的か?」と分析・設計に始まり、実際の運用までをアウトソーサー(外部受託企業)に全部丸投げします。イメージとしては、「お客様とのコンタクトセンターの設計から運営までの全部を、外部に任せる」とい例が分かりやすいかもしれません。
「全部丸投げなんて、そんなことできるの??」。社長は、こう驚かれるかもしれません。しかし、一定規模の企業では、BPOで任せられる業務は、専門性の高い外部業者の専門部隊に丸ごとに任せた方がよい場合も少なくないのです。社長も、自社の業務の一部をアウトソーシング、または部門まるごとBPOできないかを一度検討してみてはいかがでしょうか。
三段目 小学生向け
みなさんのおうちでは、お父さんやお母さんが食事の用意やゴミ出し、お風呂掃除などの家事をしていると思います。
ただ、家事の中で洗濯は、Tシャツや下着などは自宅の洗濯機で洗って干していますが、スーツやワイシャツなどはクリーニング屋さんにお願いしてはいませんか? それはお金を払ってプロのクリーニング屋さんに洗濯してもらった方が、大事なスーツなどの洋服がきれいに仕上がって、手間が節約できるからなんですよ。
同じように会社の仕事でも、その会社にいる人間が手間と時間をかけてやるよりも、別の会社の専門チームにやってもらった方が、はかどる場合があるのです。もちろん、やってもらったお仕事にはお金を払います。これを「アウトソーシング」といいます。
例えば、コンピューターのシステムを作ったり動かしたりするなど、会社の仕事で起きるいろいろなことに、社内の人間ですべて対応するのは、よほど大きな会社でなければできないことが多いのです。一方で、大きな会社こそ「この仕事はお金を払って別の会社にやってもらった方が効率的だな」と考えたりしています。そういう会社はアウトソーシングを積極的に使っているのです。
そのアウトソーシングも「仕事の一部だけを別の会社にアウトソーシングしよう」というところからはじまって、「もうこの業務は、すべて別の会社に任せてしまおう。そうした方が効率的だ」と考える会社も出てきています。そして、すべてをアウトソーシングすることを「BPO(ビー・ピー・オー)」というのです。
みなさんのおうちの場合で考えてみましょう。もし、お父さんもお母さんも仕事が忙しくて、とてもおうちのことは全部面倒をみきれないということになったとします。そうなるとシャツの洗濯も掃除もやっている暇がありません。そこで、家事を全般的にやってくれる会社にお願いして、家事を丸ごとお願いすることになるでしょう。これがまさに家事の「BPO」になるのです。