日本マイクロソフト、「働き方改革週間」を実施 テレワーク推進に833法人が賛同
- 2016/10/18
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日本マイクロソフト(MS)の「働き方改革週間2016」は、10月17日から21日まで行う。MSでは政府が主唱するテレワーク月間と連携しながら、賛同法人833社と実施する。賛同企業はテレワークを実践することで得られる「場所の制限がない」「時間を有効に使う」などの働き方の意識改革と、さらなるビジネスの向上を目指し、さまざまな取り組みを行っていく。
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平野拓也社長(右)と織田浩義・執行役常務パブリックセクター担当
「働き方改革週間」は、テレワークを「実践」「学ぶ」「応援」の3カテゴリで、賛同法人を募り実施する取り組み。MSによると賛同法人は昨年の651から今年は833と3割増えたという。そのうち40%がパートナー企業。富士通、京急電鉄のほか、渋谷区、大阪市、三島市などの行政も名を連ねている。
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賛同法人数は去年の651から833に増加
「働き方改革への国民全体の強い関心の現れであり、この取り組みが認知されてきたと感じる。MSが改革のリーダーとなり、デジタル変革、テレワークの学びと実践を推進していく」。平野拓也社長は、働き方改革週間について開催された記者会見で、こう述べた。
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平野拓也社長
MSが昨年のテレワーク週間についてのアンケートを行ったところ、3割以上の賛同企業から経費の削減効果が10%以上、過半数の企業が時間の削減効果があったとの回答が寄せられた。なかには70%の時間削減ができたと回答した企業もあったという。また、テレワーク導入以後の売上利益について、4社に1社にあたる25%の企業が20%アップを期待していると回答した。
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4社に1社が実ビジネスへの効果を期待
織田浩義・執行役常務パブリックセクター担当は会見で「テレワークを導入してから新規顧客を67%増加させた企業もある。働き方改革を行うことで、仕事の進め方の変化をもたらし、新しい価値観が生まれている。時間と場所からの解放されることで働くことの質が向上し、『新しい儲かる』を得られることができ、新しい文化が生まれる」と話した。
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織田浩義・執行役員常務パブリックセクター担当
会見では、働き方改革の実例として、自動認識システムなどを手がけるハーティスシステムアンドコンサルティング(愛知県岡崎市)と、カラオケボックス「ジャンカラ」を展開する東愛産業(京都市)の2社がテレビ会議で参加。東愛産業は、カラオケボックス「ジャンカラ」の24店舗をサテライトオフィスとして貸し出すというユニークな施策を、京都の現地からオンライン会議を通して説明した。
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東愛産業の社員(左)がカラオケボックスをオフィスとして貸し出すサービスを紹介
そのほかの賛同法人の取り組みでは、資生堂がオンライン会議用メークアプリ「TeleBeauty(テレビューティー)」を活用してテレワークを拡大する。
TeleBeautyは、無料通話ソフト「Skype for Business」と連携するアプリケーションで、オンライン会議の画面上に自動的にメイクを施すアプリ。女性が化粧をしなくても、自宅などからオンライン会議や商談に抵抗なく参加できるようになるため、女性の働き方変革のきっかけとなるとMSや資生堂では期待している。
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会見では賛同法人の取り組みを紹介
行政では三島市が、ICTを活用したサテライトオフィスを検討。企業・市役所のテレワークの理解を深めることで、地方創生を推進するとしている。SIerのテクノワーク(熊本)では、熊本地震で被災した企業に対し、オフィスがない状態でも業務が継続できるようにoffice365を活用したテレワークでの事業継続支援を行う。
「パートナーや賛同企業にとっては、テレワークの実践、働き方改革の推進はビジネスのチャンス。日本マイクロソフトが、日本のビジネスへ改革推進を通して貢献していきたい」と織田執行役常務は強調する。
働き方改革を推進する一方、MS社内では「テレワークは育児や介護などの特別な事情がなければ使えない」という間違った認識や、「テレワークにそもそも抵抗がある」という意識があるという。
「ツールを入れることは簡単だが、一番難しいのは意識の改革。働き方を変えるということは、今までの価値観を変えるということなので、時間をかけて推進していきたい」と、平野社長は話す。
また、日本の人事の評価は、就業時間の長さに比例していることが多いが、テレワークを導入すると従業員の評価や監視が厳しくなるのではという質問に対しては、「人事の評価や制度の改正は、賛同企業が行う方法に任せているが、時間の長さが評価に直結するという考えも改革しなくてはならない。ほかの賛同企業の事例を参考にして、学んで行って欲しいし、推進していきたい」と話した。
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