これであなたもAppleマスター!?「iOS機器の見分け方」第3回ー番外編・SIMカードのセキュリティー基礎知識ー

2016/04/07

人は、一生において、何度SIMカードの抜き差しをするのだろうか?

iPhoneとSIM

情シス部門の皆様こんにちは!

第3回は予定を変更して、SIMカードにまつわるお話です。

パシフィックネットでは、年間数万台のモバイル製品を取り扱っております。セキュリティ的な観点からさまざまな記憶媒体の取扱い、もちろんSIMカードの取扱いには細心の注意を払っておりますが、そのSIMカードがどのような構造になっているかご存知ですか?

実は、使用者や法人の情報、個人情報の塊である、電話帳などを保存することができるのです。

SIMカードに保存できる情報について、ウィキペディアを見ると、

「記憶容量は64kバイト程度。実用化されている最大容量は2005年(平成17年)時点で128Mバイトである。2008年(平成20年)までに1Gバイトへと大容量化する方針のメーカーもある。小容量のカードでは契約者の個人情報や電話帳を50件ほど保存できるのみだが、大容量のカードではコンテンツ情報などを保存することもできる。」とあります。

おそらくNAND型フラッシュメモリの大容量化、低価格化に伴って、SIMカード自体の大容量化は進んでいないと考えられます。

それでも、64KBというと、日本語で3万2000文字程度となり、かなりの個人情報を詰め込むことが可能です。

ちなみにiPhoneでは、SIMカードの一部の情報の読み込み(連絡先-電話帳)に対応しており、電話帳の書き込み機能は、サポートされていないようです。ただ、例外としてプリペイドSIMへの自局番号書き込みが可能です。おそらくセキュリティの観点から制限されていると思われます。

代わりに「iCloud」を使ったバックアップやデバイス間でコンテンツ転送の「AirDrop」、「iTunes」を使う方法などといった本体の記憶媒体への転送機能が用意されています。

ただし、iPhoneで使われているSIMカードも以前は、ほかの携帯端末で使われていた可能性があるので注意が必要です。

アップルのサポートページでは「iPhoneはSIMカードに連絡先を保存しません。」とあります。

一方、Android端末にはSIMカードの情報を読み書きするアプリが多数あります。

アンドロイドのSIMアプリ一覧

さらに、SIMカードリーダー/ライター、ソフトウェアを使うことで、Windows上などで、さまざまな情報の読み書きができてしまいます。

現在はnano-SIMが主流で、例えば、Apple SIMのように1枚で複数の国内外の通信事業者を選べるSIMカードも開発されています。

また発売されたばかりの9.7インチiPad ProにはSIMスロットは残されているものの、Apple SIMが内蔵されデュアルSIM構造となっています。

SIMカードを挿入していない状態でも、モバイルデータ通信の契約をすることができます。

ipad Pro

一般的には、今後は更に小型化、デバイスに内蔵され、書き換え可能な組み込みSIM「Embedded-SIM(eSIM)」やソフトウェア化された「Virtual SIM」に移行するようです。

SIMスロットが廃止されることでメーカー側はコストダウンを図れますし、ユーザーとしてはSIMカードを入れ替える手間も省けます。情報漏えいの懸念もなくなるとよいですね。

現在は、携帯やスマホ、タブレット本体の記憶媒体に保存される情報には比較的敏感に対処するとしても、意外とSIMカードに保存されている情報には無頓着になりがちな方は多いのではないでしょうか? あなたの個人情報や企業情報は、こういうところから漏れているかもしれません。

バンドピン抜き棒

しかし、数十数百台と導入され、管理する携帯、スマホ、タブレットのSIMカードの管理はなかなか骨の折れる作業です。

製品に付属のSIMピンは、当然ながら、何百何千回もSIMを抜くようには、作られてはいないため、すぐに「グニャッ」と曲がったりしてしまいます。また、持ちにくく使いにくいのが難点です。

というわけで、SIM抜き作業になにか良い道具がないものか探したところ、腕時計のバンド調節に使う器具がなかなか良好な使い勝手でした。

例えば、Amazonで「バンドピン抜き棒」と検索してみてください。

0.7~1mmのものが使えるようです。小さい器具になりますから、紛失防止のためにコイル状のストラップなどにつけておくとよいようです。

SIMと作業道具

また、抜き去った後に、再利用するSIMカードは、百円ショップなどで取り扱っている釣り具ボックスに入れると管理しやすくなります。

少しの工夫ですが、充実したジョーシスハックライフのお供にいかがでしょうか。

林檎すった―
編集部でもトップクラスのデジタル通。特にApple製品に関しては神の領域とも噂される。
全国の情シスの方々に役立つ情報を、かなりマニアック?! な視点で福岡方面よりお届けします。

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