組込みロボットのチャンピオンシップ大会「ETロボコン2016」 横浜で開催

  • 2016/11/22
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2016/11/22

この大会は、近い将来に世界をリードするエンジニアの育成を目指し、若手と初級エンジニア向けに、組込みシステム、ロボット開発などにチャレンジをする機会を提供するイベント。

レゴの教育用教材で構成された規範のロボットに、それぞれに設計したソフトウェアを組込み競技する「デベロッパー部門」、自由な発想で開発・設計した次世代サービスのプレゼンを行う「イノベーター部門」2部門でコンテストが行われた。

15年目を迎える今回は、全国322チームの中から12地区で行われた地区予選を勝ち抜いた社会人、学生(大学、高校、高専)チーム、計40チームが出場した。なかには、両毛システムズ(群馬)と群馬大学理工学部学生による産学連携による「からっ風産学隊2016」やメンバーは高校1年生というものつくり大学・聖望学園高等学校の「mono&科学の妖精」といったチームも見られた。

午後から行われたデベロッパー部門「アドバンスクラス」は、ロボットが仕様変更や動く難所をクリアする難易度の高い競技。今回は「色」の識別をキーポイントにして、競技スペースを趣向が異なる「Rコース」と「Lコース」に分けられた。

「アドバンスクラス」のコース

「アドバンスクラス」のコース

Rコースに設けられた課題は「ブロック並べ」。エリア上に並べられた4つのブロックをそれぞれの色で指定された置き場に運ぶことができればポイントを獲得できる。一方、Lコースは「ET相撲Neo」と題して、土俵をかたどったエリアの中に相撲部屋と力士を表すレゴブロックを設置。参加者は自分の部屋の同部屋以外の力士を土俵から押し出すとポイントを獲得できる。

ブロック並べでは移動させるブロックのうち、3つのカラーがスタート直前に知らされ、ET相撲Neoでは、土俵の周りを新幹線のミニチュアが周回するなど、ポイント獲得までに障壁が設けられた。

評価については、「リザルトポイント」を多く獲得できたチームの勝利になる。スタートからゴームまでのタイムだけでなく、各難所の達成率やペナルティの有無から総合的に判断される。参加したのは20チームで、第一、第二ラウンドに分け、全チームともに「Rコース」と「Lコース」に参加し、総合的に審査員による評価が行われた。

「Rコース」と「Lコース」

「Rコース」と「Lコース」

競技では、走り出し、課題を順調にクリアしながら惜しくもゴールへのスパートでロボットが転倒してしまったチーム、あと一歩のところで課題をクリアできなかったチームなど、同じデザインのロボットながら、ソフトウェアの違いでだけで動作が異なる様子が見てとれた。

アドバンスクラス競技での受賞結果は、優勝「Champagne Fight(リコーITソリューションズ ES事業部 札幌事業所)」、準優勝「YoungMasters(SCSK 車載システム事業本部)」、第3位「NiASET(長崎総合科学大学)」となった。

同クラスでは、ロボットが難しい課題に対応するかを評価した「モデル審査」と「総合」での受賞もあった。モデル審査ではExcellent Modelが「Champagne Fight 」、Gold Modelは「パプリカ(富士ゼロックス)」、Silver Modelは「mono&科学の妖精」が受賞した。また、総合評価では、Champagne Fightが優勝、準優勝はパプリカ、第3位にYongMastersとなった。Champagne Fightは、アドバンスクラス審査3部門すべてで優勝する快挙で会場からは盛大な拍手が贈られた。

各部門で優勝に輝いたChampagne Fight

各部門で優勝に輝いたChampagne Fight

大会のラストを飾ったのが「イノベーター部門」でのロボットサービスのプレゼン。今回は、「お助け老人ホーム(京都情報大学院大学)」と「ごばりきモーターズ(日立製作所 ICT事業統括本部)」の2チームが参加。それぞれ自由な発想で開発設計したロボットサービスのプレゼントを行った。

イノベーター部門ではプレゼンを実施 来年にはガレッジニアに変更へ

大会のラストを飾ったのが「イノベーター部門」でのロボットサービスのプレゼン。今回は、「お助け老人ホーム(京都情報大学院大学)」と「ごばりきモーターズ(日立製作所 ICT事業統括本部)」の2チームが参加。それぞれ自由な発想で開発設計したロボットサービスのプレゼントを行った。

お助け老人ホームのプレゼン

お助け老人ホームのプレゼン

お助け老人ホームは、介護施設などで活躍する見守りロボットを発表。これは、施設内を巡回し急病などで動けなくなった老人を検知、アラームで知らせるロボット。通路で稼働するため、損壊などの懸念にも対応しており、壊れてもすぐに修理可能な設計を採用した。介護へのロボット活用の機運が高まっていることと、1台5万円という低コストで導入できるといった点が審査員から注目を集めていた。

ごばりきモーターズのプレゼン

ごばりきモーターズのプレゼン

一方、ごばりきモーターズは、最近注目を集めるドローンの活用による宅配サービス「Reborn」の発表を行った。ドローンと運搬ロボットを連携したという、このサービスは「運搬」「認証」「受渡し」まで自動で行うことが特長。すぐに実用化されてもおかしくないサービスモデルが審査員の評価を集め、「イノベーター部門総合」で優勝した。

小林靖英・ETロボコン実行委員会本部運営委員長

小林靖英・ETロボコン実行委員会本部運営委員長

コンテストの最後には、小林靖英・ETロボコン実行委員会本部運営委員長が、同部門を来年以降に「ガレッジニア部門」へと変更すると発表した。小林氏は「ガレッジニア」について、ガレージとエンジニアを合わせた造語で「あれこれ考え、つくり、そして失敗し、また作る、そんな混沌として新しい何かを生み出していく環境の創出」をテーマとし、要素技術のみではなくモノやサービスをつくりだせる若手の人材育成をミッションと説明。今後はものづくりが生まれる空間づくりに取り組み、あらたな部門コンテストの開催を検討したいと話した。

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