使える! 情シス三段用語辞典18「チャットボット」

2016/09/07

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け 「チャットボット」の意味

「チャットボット」とは、人間のかわりに自然な話し言葉でコミュニケーションを行うことができるシステム。昔からコンピューターでの自動問い合わせ応答の仕組みとして研究されていた技術だったが、人工知能(AI)の急速な発達により、人間とより自然なコミュニケーションがとれるようになったことで注目されている。

現在、多くの人がLINEなどのメッセージアプリを利用し、人同士のコミュニケーションに「チャット(ネットワークを使いリアルタイムに文字ベースの会話を行うシステム)」を利用している。チャットボットの場合は人が問いかけると、まるで人とチャットしているように対応する。これは、人の問いかけに対して、膨大なデータから最適と思われる対応メッセージを選択して返答する仕組みのためで、ここには人工知能の技術が活用されている。

チャットボットは、特定の相手(例えば顧客など)とやり取りを学習することによって、相手の特性などを判断し、さらに最適に近いメッセージをやり取りできるようになる。このシステムはモバイル機器と親和性が高く、EC(電子商取引)サービスやコールセンター、医療など、さまざまな分野で活用が期待されている。

また、現在では何かを調べる時には「検索」を行うことが少なくないが、チャットボットに質問を投げかければ、最適な答えを即座に返してくれるようになる。そのため、検索という行為が不要になるのではないかという見方もある。

二段目 ITが苦手な経営者向け

「チャットボット」という言葉が注目されています。簡単にいえば、コールセンターに問い合わせをしたら、機械が人間のかわりに「チャット」でやり取りしてくれるとシステムのことです。これまでも、同様の仕組みはありましたが、とても人間同士のようなコミュニケーションがとれないという評価がほとんどでした。しかし、人工知能の発達を背景に、より人間に近い自然な言葉で、やり取りができるようになってきています。

この記事を読んでいる読者の中には、LINEやフェイスブックのメッセージアプリを使い、人間同士で「チャット」を行うことがあると思います。それに近い感覚で、チャットボットに問い合わせると、自然な答えが返ってくるわけです。

チャットボットは、コールセンターの問い合わせでの活用が考えられています。その場合、いつも同じチャットボットをコールセンターで使うと、だんだんその人間の問い合わせの傾向を学習して、より最適な答えを返すようになります。

また、ネット通販で利用した場合には、ユーザーが何か買おうとした時、チャットボットに「欲しいものを探せ」と告げるだけで、問い合わせ主の傾向を把握したチャットボットが、最適な商品を提示してくれるようになります。そうなると、検索したり、入力したりする必要がなくなります。その結果、検索するという行為自体が不要になるとも考えられています。チャットボットはモバイル機器と親和性が高いため、メッセージアプリを提供している企業では、この技術の研究開発に余念がありません。

三段目 小学生向け

みなさんはLINEを使っていますか? 「おはよう」とか「帰りにどこいく?」なんて友達とやり取りするのは楽しいですよね。

みなさんが、LINEとか使って、友達や家族とメッセージのやり取りをしているのは、メッセージアプリといって、スマートフォンで使う仕組みです。そのメッセージのやり取りのことを「チャット」といいます。ところが、そのチャットの相手が機械だったらどうなると思いますか?

今、「チャットボット」という技術が注目されています。これは機械がまるで人のようにやり取りをする仕組みのことです。そうなると、「え?今やり取りしていた相手は機械だったの!」と驚くことがあるかもしれません。今、人工知能などの発達で、人間同士の会話にかなり近い感覚で、そんな機械と人間がやり取りできるようになってきているんです。

どういうことかというと、人工知能が、人間同士の膨大なやり取りを学習して「こういうことを聞かれたら、人間としてはこう返すのが自然なんだな」「こういうタイプの人はこんなことを聞いてきて、こう答えたら納得することが多いんだな」ということを理解できるようになってきたということなのです。

また、あなたがいつも同じチャットボット(人工知能)とやり取りしていくと、今度はあなたの好みや話すクセなどを理解して、さらに「欲しい答え」を言ってくれるようになります。そうすると、あなたはスマートフォンで、「○○が欲しい」とか「○○がわからない」と聞くだけで、チャットボットが「それはこれです」と答えてくれるようになるかもしれないのです。

例えば、家の洗濯機が調子悪い時、お母さんは洗濯機のメーカーに電話をして、どうやって直すのかを聞こうとします。でも、電話が、なかなかつながらないことが少なくありません。もし電話がつながったとしても、出た人に故障のことをうまく説明できないかもしれません。

そうなると、面倒ですね。メーカーの人も大変です。しかし、そのメーカーがチャットボットを使って問い合わせを受けるようになると、お母さんはスマートフォンで「何となくこんな感じで調子悪い」と告げるだけで最適な答えを返してくれるようになります。これがチャットボットに期待されていることなのです。

今、洗濯機メーカーの人たちも問い合わせがあった時のために、たくさんの人が準備して待っています。もし本当にそんなことが実現できたら、その必要がなくなります。

これは洗濯機の故障だけに当てはまりません。

例えば、お父さんやお母さんと旅行に行きたい時でも有効です。旅行のことをチャットボットに相談するのです。この時は、ぼんやりした相談でも大丈夫です。「海の近くでお魚が美味しい所」などといった相談です。

すると、あなたの家族のことをよくわかっているチャットボットは、好みの旅行先を選んで、そこへ行くための電車の切符やホテルの予約を取って、支払いも代行してくれるのです。だから、いろいろな仕事に、この技術が活用できると期待されていて、世界中で開発競争が行われているんですよ。

チャットボットは、こうしてみるとても便利です。でも機械がすべてを行ってくれるのはちょっと不思議で、怖いような気もしますね。

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