今の時代に求められる「情シス」業務とは?【前編】
2018/05/18
あらゆる企業の業務に欠かせないIT。社内でこのITにまつわることを仕事にしている情シスの人々もまた欠かせない存在に。
しかしながら、意外に知られてないその仕事内容や働く環境、そしてこれからの時代に求められる仕事など、情シスの基礎から現状、これからをわかりやすく解説します。
前編は、おさらいとして情シス業務内容を確認します。
情シスとは「情報システム」の略。聞いたことがある人も多いと思いますが、さてその仕事内容は? と、聞かれたとたん「??」となる人も少なくないのではないでしょうか。
一方、近年のIT・テクノロジーの急速な進化や企業のIT利用の変化により、情シスに求められる仕事自体も変わりつつあります。
これから情シスに配属される人やなりたての人は、ぜひ予備知識として参考にしてみてください。
この記事の目次
【おさらい】4つある情シスの基本業務
【業務①】PCやアプリに困ったらお任せ!『サポセン業務』
Webブラウザやオフィスアプリの使い方がわからない・・・。社員のそんな困りごとを解決するのが「サポートセンター業務」です。今や、ほとんどの会社がITを活用していますが、社員のITリテラシーはみな同じではありませんし、社内システムもはじめてでは戸惑うことが多くあります。そこで、業務に必要なITの知識をサポートします。PCトラブルの事例や対策をまとめたFAQの作成などもそのひとつです。
【業務②】会社の安全を守る『セキュリティ対策業務』
ITの活用領域の拡大とともに、社内のセキュリティ対策は重要度を増しています。自社に適したセキュリティを検討・導入し、マルウェアによる情報漏えいなど、さまざまなサイバー攻撃の脅威から社内システムを守ります。
【業務③】みんなの仕事を影で支える『設定・開発/構築・メンテナンス業務』
新規に購入したPCを社内で使えるようにするキッティングや業務アプリの設定、社内システム開発、LANなどのネットワーク構築、さらにオンプレスミであればサーバーのメンテナンスなどを担当し、各部署が安心して業務を行える環境を整えます。
【業務④】みんなの声を反映する『システム運用』
社内システムやインフラの改善点などをヒアリングし、その内容を既存システムに反映させ安定効率化を図ります。また、継続的に行うヒアリングの内容を、のちのシステム企画・構築にフィードバックさせるのも情シスの重要な仕事です。
【知っておこう】情シスのさまざまな環境
業務内容が多岐にわたるように、情シスの環境もさまざまです。どの会社にも複数人の情シスがいると思われがちですが、様々な理由により実態はそうではありません。情シスは、会社の考え方やその状況により、以下のように働く環境が大きく異なる傾向にあります。
・「複数人いる情シス」
「サポートセンター担当」や「セキュリティ対策担当」など、割り振られた業務をそれぞれが行います。大会社に多く見られる情シスのタイプです。
・「ひとり情シス」
その言葉のとおり、一人で業務を担当します。通常、会社が大きくなるほど各部署の担当人数も増えるものです。しかしながら、ひとり情シスは規模の小さい会社だけではなく、社員100名以上の会社でもめずらしくありません。Dell ENCが2018年1月に発表した「IT投資動向調査」では、調査対象にした700社の中堅企業のうち、14%がひとり情シスだとしています。
・「兼任情シス」
それ以前に、会社に情シスがいないケースもあります。この場合、他部署の社員が情シス業務を兼任する場合がほとんどで、営業部や経理部などの兼務が多いようです。
情シスにはこのようなタイプが実際に存在するのですが、現状、社内業務を遂行するにはパソコンやインターネット、社内インフラの利用は不可欠であり、その意味でも一人情シスや兼任情シスというのは、あまり良い環境とはいえません。企業経営者のみならず、国もIT化推進やテレワーク推進に助成金が使われるのであれば、今後は社内情報システム強化にも目を向けてほしいものと思います。
情シスの“やりがい”は−−
仕事内容も多く、一見するとたいへんな役割に感じる情シス。どんなところにやりがいを感じられる仕事なのでしょうか?
・「仕事の手応えを実感できる」
導入アプリの選定や社内システムの企画・開発・導入など、業務の基盤をつくり支えるのが情シスです。さらにシステムの運用も行うことから、「自分の仕事がどう会社にメリットを与えているか」、その手応えをダイレクトに感じることができます。
・「たよられる喜び」
サポートセンター業務では、部署を横断しITの知識やスキルをサポートしていきます。さまざまな社員と直接コミュニケーションを取る機会も多く、感謝してもらえることもたくさんあります。
・「幅広い知識・スキルの習得」
社内システムの設計・開発や運用・メンテナンス、サポートセンター、セキュリティなど、たくさんの仕事に携わることから、さまざまな経験を積むことができ、かつ業務や事業に何が必須かの知見を得ることができます。もちろん、これはどこまでの業務を求められるかによりますが、多彩な知識とスキルを身につけられる可能性が大きな仕事です。
【変わる情シス】テクノロジーの進化により変わる情シスの仕事
後編では、今後の情シスに求められる役割などを具体例を交えて説明します。
【執筆:編集Gp 坂本 嶺】