【Office365 基礎知識】そもそもの疑問から従来のOfficeとのコスト比較まで
2018/05/23
時代のクラウド移行の流れもあり、Office365を導入する企業が増えています。長きにわたりあらゆる業務を支えてきたOfficeシリーズ。そのクラウド版としてさらなる進化を遂げ、2013年にローンチされたOffice365。
ビジネスソフトのあらたなディファクトスタンダートを担うその魅力に迫ります!
この記事の目次
【Officeよもやま話】
みんな使ってる、エクセル・ワード・パワポ。WinPCならはじめからプレインストールされてるし、仕事の相棒すぎて、もはや空気的存在。そんな彼らも、あらためて考えるとOfficeアプリの一つひとつ。
でも、明らかにキーワードを語る頻度はエクセル・ワード・パワポ>Officeなので、そういえばそうだったという人も多いのでは。
ちなみに私の自宅のデスクトップはOffice2011、移動中のラップトップはOffice2013ですが、そんなこともこの記事のために確かめて思い出したほど。普段、Officeもバージョンも意識することはまずありません。
でも、Officeの名を聞く頻度は2013年からふたたび上昇。なぜかといえば、そう「Office365」のブームです。
キーマンズネットが読者566名から回答を得たWebアンケート『オフィスソフトウェアに関する読者調査レポート』の「文章作成、プレゼンテーションなどに使用するソフト」を見ると、Office2003/2007が73.6%とダントツで、Office365は13.8%の2位。そのほかは数%台なので、Office2003/2007&Office365の二強です。このアンケートは2016年のものなので、そこから約2年が経ったわけですが、この間のOffice2007サポート終了や広がるクラウドニーズを考えれば、Office365の導入率が当時より上昇しているのは間違いないでしょう。
さて、Office365をまだ導入していないという人は、ここで疑問も感じると思います。「Office365って、なにがいいの?」と。
そこで今回は、“あまりよく知らない”、“導入にちょっと興味を感じている”や“悩んでいる”という情シスの参考になるように、Office365のおさらいや導入検討に役立つ知識を紹介していきましょう。
【Office365基本の「キ」】従来のOfficeシリーズとはココが違う!!
Office365は従来のOfficeシリーズとは性質がそもそも異なります。「Officeシリーズのあたらしいのでしょ?」という意識だと、導入に手間取ったり、Office365の機能を活用しきれない場合もあるので注意が必要です。
【基本①】Office365は「提供スタイル」が違う
Office365とこれまでのOfficeシリーズのいちばんの違い、それは「クラウドサービスであること」です。
そこで差が出るのが導入の仕方や料金体系。まず、これまでのシリーズは「永続ライセンス型」とよばれています。PCにインストールすれば永久的に使えるタイプで、簡単にいえば買い切り。購入後の追加費用は発生しません。これに対して、Office365は「サブスクリプション型」とよばれます。インストールが必要なのは同様ですが、クラウド経由で利用します。この“利用”がミソで、イニシャルが一切不要なかわりに「毎月の利用料」があり、使う限り利用料金が発生します。また、契約も基本的に年ごとの更新が必要です。
【基本②】Office365は「インストール台数」が違う
従来のシリーズは1ライセンスで2台のPCにインストールすることができます。デスクトップとノートPCで使っている人も多いことでしょう。
これに対し、「最大15台まで」とフルボリュームなのがOffice365。なにゆえそこまで・・・感もありますが、「PC」「タブレット」「モバイル」の「5台+5台+5台」で、社員一人の扱うデバイスが増えてもライセンス追加の心配はまずありません。
【基本③】Office365は扱える「バージョン」が違う
従来のシリーズは、2007→2010、2013→2016のようなバージョンのアップグレードを無償で受けることはできません。あたらしくする場合は最新版の購入が必要です。しかし、Office365は常に最新版のOfficeを利用することができます。
現時点での Officeバーションの最新は2016。Office365の仕様も同様です。一方、2018年後半にリリース予定されているのがOffice2019。2019は、Office365から無償かつ自動でアップグレードすることができます。
【基本④】Office365は「ライセンス数」の調整が違う
従来のシリーズは、購入すればずっとライセンスを持ち続けることになります。逆にいえば、利用社員数の変動がコストにつながるということです。
しかし、Office365は、イニシャルの必要はなく、ライセンスの追加/削除も手軽。管理がスムーズなうえ、利用数の変化に対する適正コストの維持も可能です。
【Office365ならでは】Office365は「Officeアプリ+グループウェア」
ここで、さらに従来シリーズとの違いを明確にするため、「機能」を比較してみましょう。
まず、従来シリーズ最新版のOffice2016 Standardがこちら
<Office2016の主な機能>
そして、Office365がこちら
<Office365の主な機能>
このようにOffice365は Officeアプリに加え、さまざまなサービスがあるのがわかります。大きく分けると、「Officeアプリ(エクセルやワードなど)」、「ビジネスメール」、「Web会議システム」、「ファイル共有」、「情報共有」。このように、5つのカテゴリに分類できますが、特にOfficeアプリを除く4カテゴリには注目必須。グループウェアとして魅力溢れるサービスが用意されているのです。
【ビジネスメール】50GBと大容量&高セキュリティ、スケジュール管理もお手のもの『Exchange Online』
Office365のデフォルトのメールサービスが「Exchange Online」です。50GBの容量が確保されているので、まずメール保存容量の心配は不要。加えて、「Exchange Online Protection」というメールセキュリティも標準搭載していて、マルウェアからメールを保護してくれます。さらに、便利なのが「スケジュール管理機能」。社員のスケジュールや会議室の空き状況などを管理することができます。
【Web会議システム】会議室はもう要らない?『Skype for Business』
「Skype for Business」を使えば、オンライン会議を開催でき、距離・場所に関係なく誰もが会議に参加可能です。PCはもちろん、スマホ、タブレットなど参加端末も問いません。現在注目が集まっているサテライトやテレワークにも活躍してくれそうです。
Officeファイルをメンバーで共有でき、共同作業も行えるサービスです。ユーザー招待機能もあるので、プロジェクトメンバー以外の人ともスムーズに共有・共同を行えます。
【情報共有】はじめてでも馴染みやすい社内SNS『Yammer』
Office365のSNSです。記事投稿やファル添付、グループ作成、プレイベートメッセージなどの機能が用意されています。インターフェースがFacebookやTwitterによく似ているので、初利用でも、すぐに馴染むことができると思います。
以上、グループウェアとしての基本機能を紹介しましたが、加えてOffice365には1TBのクラウドストレージも。安定した利用ができるのも魅力です。
Office365のプランは?−−
社員300名以下の会社は、「Business Essential」、「Business」、「Business Premium」の選択肢があります。それぞれの機能の違いもぜひチェックしておいてください。
【気になるコスト】Office365vs Office2016お得はどちら?
さて、いちばん気がかりなのがコスト。インストール台数はメガ盛り、グループウェアとしてもかなり使えそう。となると、頭に浮かんでくるのが、“やっぱり、お高いんでしょ・・・”。では、実際のところは? まず、先ほどの紹介した3つの Office365プランの料金を紹介しましょう。
対して、 ボリュームライセンスで購入できるシリーズ最新版Office2016 Standardは「49,000円」。1年使おうが2年使おうがコストがかかるのは導入時の一度きりです。一方、使い続ける限りは利用料が発生する Office365。果たして、フル機能の「Office365 Business Premium」と最新版「Office2016 Standard」のコスト比較のゆくえは・・・?
料金は1ライセンスのみですが、上の図から、「Premiumは一貫してコストが増加し続け」「4年目で2016のコストを上回る」ことがわかります。
ただ、そうであっても、「常に同一バージョン」であることや「ライセンス管理やバージョンアップへの対応」、「使えるのはOfficeアプリのみ」という2016の性質を考えると、バージョンアップはコスト高になりますし、 ExchangeやSharePointとの連携させたい場合もコストがネックになります。
あくまでも簡易的なシュミュレーションなので、すべての会社がそうであるわけではありませんが、やはりOffice365の費用対効果は高いと言えるでしょう。
さて、あなたはどれを選びますか?
【執筆:編集Gp 坂本 嶺】
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