フリー素材だけでは足りない?企業ブランディングに必要なオリジナルデザイン
企業のブランド価値を高めるには、視覚的な統一感が欠かせません。しかし、フリー素材だけではブランドの個性を十分に表現できないことも…。そこで、オリジナルデザインの重要性と、その導入によるメリットを詳しく解説します。競合と差別化し、企業イメージを強化するためのヒントをお届けします!
この記事の目次
1.フリーイラストの活用が便利な場面
◆フリー素材の魅力
企業のマーケティングやコンテンツ制作において、視覚的な要素は重要な役割を果たします。その際、フリー素材はコスト0で即時利用できるため、手軽に活用できる点が大きなメリットです。特に、限られた予算内で迅速にデザインを準備したい場合、フリー素材は便利な選択肢となります。
◆手軽に使えるシチュエーション
フリー素材は以下のような場面でよく使われています。
- プレゼン資料:視覚的にわかりやすくするためのアイコンや背景画像
- SNS投稿:簡単にデザインを整え、投稿の魅力を高める
- ブログや記事:手軽に装飾し、視認性を向上させる
- チラシや広告:短期間のキャンペーンで活用
これらの場面では、デザインの一貫性よりもスピードや利便性が優先されることが多いため、フリー素材の活用が有効です。
◆一般的にフリー素材が向いているケース
フリー素材は特に汎用的な情報発信や短期的なプロジェクトに適しています。例えば、社内向けの資料や短期間のマーケティングキャンペーンなどで効果を発揮します。しかし、企業のブランドイメージを明確にしたい場合は、オリジナルデザインの方が適していることもあります。
2.フリー素材を企業で使う際のリスク
◆著作権の曖昧さ
フリー素材は手軽に利用できますが、著作権の問題には注意が必要です。「商用利用可」と書かれていても、実際の使用条件は細かく定められている場合があります。例えば、改変が禁止されている素材や、特定の用途では利用できないケースなどです。
正しく利用ができていないと、使用元である企業に対する信頼の低下や、掲載したコンテンツの削除・使用停止、また法的責任(損害賠償・罰則)が問われることもありますので、十分注意しましょう。
◆デザインの統一性が崩れる
企業のブランド戦略において、統一感のあるデザインは非常に重要です。しかし、フリー素材を使用すると異なるデザインスタイルが混ざり、ブランドイメージが統一されないリスクがあります。これにより、企業の認知度や信頼感が構築されないだけではなくむしろ低下する可能性があります。
どんなにマーケティングに注力していても結果が伴わなかったり、顧客が「ブランドの意図」を理解することを妨げる恐れに繋がることもあるでしょう。
◆競合企業も使っている可能性
フリー素材は誰でも利用できるため、競合企業も同じ素材を使っている可能性があります。これにより、ブランドの差別化が難しくなり、企業独自の強みがぼやけてしまうこともあります。
◆突然の利用規約変更によるリスク
フリー素材の提供元がサービス終了したり、利用規約が突然変更される可能性もあります。企業の重要なデザイン要素として使用していた場合、突然利用できなくなるとブランド構築に影響を与えることもあるため、リスク管理が必要です。
3.著作権フリーの素材を利用するときに確認すべきポイント
商用利用OKの定義をチェック
「商用利用可」と書かれていても、用途が制限されている場合があります。特に広告や商品パッケージへの使用が可能かどうか、利用規約を詳細にチェックしましょう。
クレジット表記の必要性
一部のフリー素材では、作者のクレジット表記が義務付けられています。企業の公式サイトやマーケティング資料で使用する場合は、適切な表記が求められるかどうかを確認しておきましょう。
編集・改変の可否
企業のブランディングに合わせて素材を編集・改変できるかどうかも重要なポイントです。改変禁止の素材を使用すると、ブランドイメージとの整合性が取れなくなる可能性があります。
どこまでの用途が許可されているのか
フリー素材を使用する際は、具体的な利用範囲を把握しておくことが重要です。商用利用の範囲や、配布・販売が可能かどうかを事前に確認しましょう。
4.自社専用のイラスト・アイコンを持つメリット
◆ブランドイメージの統一化
オリジナルデザインを活用すると、企業の世界観を統一し、顧客に強い印象を残せます。ただの「見たことがあるデザイン」ではなく、「この企業らしいデザイン」と認識されることで、ブランド価値が高まります。
◆競合との差別化
フリー素材は多くの企業が使用できるため、独自性を持たせるのが難しくなります。オリジナルデザインを取り入れることで、競合との差を明確にし、企業の個性を際立たせることができます。
◆ブランドストーリーを伝え、顧客の共感を生む
企業の理念や価値観は、テキストだけでなくデザインを通じて伝わります。視覚的な演出を加えることで、企業の世界観が明確になり、顧客の感情に訴えかける力が強まります。
◆成果に直結するユーザー体験の向上
統一感のあるデザインは、視認性や操作性を向上させ、顧客が迷うことなく行動できる環境を作ります。スムーズな導線設計や直感的なUIは、問い合わせや購入につながりやすくなります。
オリジナルデザインは、企業のブランディングにおいて単なる装飾ではなく、価値を向上させ、具体的な成果を生み出す重要な投資です。オリジナルデザインと一言で表現しても、作られるものは千差万別です、どのようなデザインが自分たちの伝えたい内容を最大限の解像度にしてくれるか、考えてみるのはいかがでしょうか。
5.企業のオリジナルイラスト・アイコン制作の進め方
実際にオリジナルデザイン・アイコン制作を進めるとなった場合に、何から着手をし、どのような過程を経て制作物を入手し、活用することができるのでしょうか。一例をご紹介いたします。
1.目的を明確にする
オリジナルデザインを導入する理由を整理します。ブランドの統一感を強化するのか、競合と差別化を図るのか、ユーザー体験を向上させるのかによって、デザインの方向性が決まります。
2.デザインのコンセプトを決める
企業のイメージに合うスタイルを検討し、デザインの方向性を固めます。例えば、企業カラーを活かしたデザインやターゲットに適した雰囲気の設定が重要になります。
3.社内制作か外注かを決定する
社内デザイナーを活用すれば費用を抑えられますが、専門性が求められます。一方で、外部デザイン会社に依頼するとプロの仕上がりが期待できますが、コストが発生します。目的や予算を考慮して選択します。もしこのタイミングで決めることが難しい場合でも「プロジェクトの初期段階」で決められるように動いていきましょう。デザイナーの方針決定が遅れると、スケジュール遅延やコスト増加、品質低下のリスクが発生します。
4.制作の流れを決める
ラフ案を作成し、社内でフィードバックを行いながら方向性を確認します。その後、本制作を進め、最終的な調整を行ってブランドとの統一感を確保します。
5.実装と活用方法を決める
完成したデザインをホームページや広告、プレゼン資料に取り入れ、企業のメッセージを視覚的に伝えます。適切な活用方法を決めることで、デザインの効果を最大化できます。
6.継続的なデザイン管理
オリジナルデザインを長期間活用できるように、デザインガイドラインを作成し、社内で統一ルールを共有します。定期的なブラッシュアップを行うことで、ブランド価値の維持と向上が期待できます。
6.一般的な企業の選択肢
フリー素材は手軽で低コストですが、著作権やデザインの統一性の課題があります。企業ブランディングを強化するなら、ひと手間を惜しまずオリジナルデザインの導入を検討することをオススメします。独自のイラストやアイコンは、競合との差別化やブランド価値の向上につながります。
制作を進める際は、目的の明確化、コンセプト設計、社内制作か外注の判断など、計画的に進めることがポイントです。
企業がブランドアイデンティティを確立するための方法として、①フリー素材、②企業独自のキャラクター・アイコン、③芸能人の登用といった選択肢があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、企業の方針や目的に応じて適切な選択をすることが求められます。
① フリー素材の活用
メリット
- 低コストで手軽に利用できる
- 即時利用が可能で、スピーディにコンテンツを制作できる
デメリット
- ブランドの独自性が薄れ、競合と差別化しにくい
- 利用規約の変更やサービス終了のリスクがある
フリー素材は手軽に使える一方で、ブランド戦略においてオリジナリティを確保するには不向きな場合があります。そのため、長期的なブランド形成を考える場合は、独自のデザインを導入する方が効果的です。
② 企業独自のキャラクター・アイコンの制作
メリット
- 第四章「自社専用のイラスト・アイコンを持つメリット」を参照ください
デメリット
- 初期費用や制作コストがかかる
- デザインの方向性によっては、認知されるまで時間がかかる
企業独自のキャラクターやアイコンは、ブランドの個性を強く打ち出せるため、オリジナルデザインの導入を検討している企業にとって有効な選択肢となります。
③ 芸能人の登用
メリット
- 知名度が高いため、広告のインパクトが強く、ブランドイメージを迅速に確立できる
- 企業が狙うターゲット層に向けて、戦略的にイメージを形成できる
デメリット
- 芸能人に依存するリスクがあり、スキャンダルや契約終了時にブランドイメージが崩れる可能性がある
- 継続的な起用には高額なコストがかかる
芸能人を広告に登用することで、ブランドの認知度を一気に向上させることができますが、人物に依存するため、不測の事態に備えたリスク管理が必要です。
上記の選択肢を比較すると、長期的なブランド形成には企業独自のキャラクターやアイコンの制作が最も安定した戦略となります。フリー素材や芸能人の登用は短期的な効果を得るのに適していますが、ブランドの持続性を考えると、独自デザインの導入が望ましいといえます。
企業のブランドイメージを確立し、競合との差別化を図るためには、オリジナルデザインの作成が最も戦略的な選択となるでしょう。 適切なデザイン戦略を検討し、企業のブランド価値を最大化するための一歩を踏み出しましょう。
オリジナルデザインにお困りの方は、デザインレスキューにお気軽にご相談ください。
附録|今話題のフリー素材サイト4選
オリジナルデザインを作成する上で、一から作成するのは想定している以上に工数が発生する可能性があります。そのため、世の中にあるデザインやフリー素材サイトを参考にするのは効率的なプロセスであると考えます。
まるまる真似をするのは、盗作問題に発展してしまうこともあるのであくまでもオリジナルを作成するためのセオリーを学ぶという点で参考にしていただければと思います。
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