Web APIの基礎知識まとめ

API(Application Programming Interface)は、現代のソフトウェア開発において欠かせないインターフェースです。
この記事では、Web APIの基本的な概念、代表的なAPIの紹介、そしてWeb APIの種類(REST、SOAP、GraphQL)について詳しく説明します。あらためてAPIとは何か、基本的な概念を理解していきましょう。
※一般的に、APIという用語が使われる場合、そのほとんどはWeb APIを指していることが多いです。したがって、この記事ではWeb APIにフォーカスして説明します。

APIとは?

API(Application Programming Interface)は、異なるソフトウェアアプリケーションが互いに通信し、データや機能を共有するためのインターフェースです。インターフェースとは、ざっくりいうと何か異なる2つの物を繋ぐものを指します。APIは「アプリケーションやソフトウェア」と「プログラム」を繋ぐ役割を果たします。アプリケーション間の「橋渡し」となり、あるアプリケーションが他のアプリケーションの機能やデータにアクセスできるようにします。

例えば、スマホアプリが天気情報を表示する場合、そのアプリは天気情報を提供するサービスのAPIを利用して、必要なデータを取得します。このように、APIを使うことで、あるアプリケーションが他のアプリケーションの機能やデータを簡単に利用できるようになります。
APIは、異なるソフトウェアコンポーネントやサービスが相互に通信し、データや機能を共有するためのルールや手順の仕様を取り決めたものになります。

Web APIとは?

Web APIは、インターネットを通じてアクセスできるAPIの一種で、HTTPプロトコルを利用してデータの交換を行います。Web APIは、ウェブサーバーとクライアント間のデータ通信を可能にし、リクエストの送信とレスポンスの取得という形式で情報をやり取りします。つまり、Web APIは「ウェブ上で利用できるAPI」として、主にウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションと連携するために用いられます。

Web APIの利用により、様々なサービスやアプリケーションがインターネットを介して互いに情報を共有し、機能を統合することが可能になります。

有名なAPIと無料で使えるAPI

いくつかの有名なAPIと、無料で利用できるAPIを紹介します。多くの場合、APIを利用する際には、提供元が独自に発行するAPIキーを取得する必要があります。

  • Google Maps API
    概要: ウェブサイトやアプリに地図機能を追加するためのAPIです。ルート検索や場所の情報表示など、多くの機能を提供します。利用例: 地図を使った店舗検索やナビゲーション機能を提供するアプリ。
  • Twitter(新X) API
    概要: Twitterのデータ(ツイート、ユーザー情報など)を取得したり、ツイートを投稿したりするためのAPIです。利用例: ツイートの分析ツールや自動投稿システム。
  • OpenWeatherMap API
    概要: 現在の天気や天気予報を取得するためのAPIです。無料で利用でき、世界中の天気情報にアクセスできます。利用例: 天気予報を表示するアプリやウェブサイト。
  • NASA API
    概要: NASAが提供するAPIで、宇宙に関する様々なデータ(画像、情報、イベントなど)にアクセスできます。利用例: 宇宙に関する教育アプリやデータ分析ツール。
  • Exchange Rate API
    概要: 通貨の為替レートを取得するためのAPIです。無料プランで多くの通貨のレート情報を取得できます。利用例: 為替レートを表示するアプリやeコマースサイト。

REST、SOAP、GraphQLの違い

APIにはいくつかの種類があり、それぞれが異なる設計思想や概念に基づいています。ここでは、代表的な3つのAPIタイプについて説明します。

REST(Representational State Transfer)

RESTは、ウェブサービスAPIの設計原則の一つで、HTTPプロトコルを利用します。リソース(データ)をURLで指定し、HTTPメソッド(GET, POST, PUT, DELETE)を使用して操作を行います。RESTはシンプルでスケーラブルなため、多くのウェブサービスで広く採用されています。
RESTが使われているサービスの例

REST APIは、モバイルアプリケーションやウェブアプリケーションとの通信に適しています。これは、RESTがシンプルで柔軟性が高く、リソース指向のアーキテクチャを採用しており、軽量なクライアントとの通信に向いているためです。

SOAP(Simple Object Access Protocol)

SOAPは、XMLをベースとしたプロトコルで、異なるネットワーク間でメッセージを交換するために使用されます。SOAPは、セキュリティやトランザクション管理などの機能が充実しているため、企業向けのアプリケーションでよく利用されます。
SOAP APIは、企業内のバックエンドシステム間の通信に適しています。これは、SOAPがメッセージレベルでのセキュリティやトランザクション管理を提供し、大規模で複雑なシステム間の通信に適しているためです。
SOAPが使われているサービスの例

  • 金融機関のシステム
    銀行間の取引情報のやり取りに使用される。
  • ERPシステム
    企業のリソース管理システムで使用される。

GraphQL

GraphQLは、Facebookが開発したクエリ言語で、クライアントが必要とするデータを具体的に指定して取得することができます。これにより、APIの柔軟性が向上し、不要なデータの転送を減らすことができます。
GraphQLが使われているサービスの例

  • GitHub GraphQL API
    RESTと並行してGraphQL APIも提供しており、開発者が効率的にデータを取得できる。
  • Shopify API
    オンラインストアのデータ管理に使用される。

比較表

特徴/項目 REST API SOAP API GraphQL
データ形式 JSON、XML XML JSON
アーキテクチャ リソース指向アーキテクチャ(ROA) プロトコルに依存しないが、通常はHTTPで使用される クエリ言語によるデータ取得
セキュリティ HTTPSで暗号化 WS-Security標準に基づく高度なセキュリティ HTTPSで暗号化
状態管理 ステートレス(サーバーはクライアントの状態を保持しない) ステートフル/ステートレスの両方が可能 ステートレス
使用例 ウェブアプリケーション、モバイルアプリケーション、クラウドサービス 企業内のバックエンドシステム、金融サービス 動的なクエリが必要なアプリケーション、リアルタイムデータ取得
メリット シンプルで軽量、直感的、広く普及 高度なセキュリティ、トランザクション管理 必要なデータのみ取得可能、柔軟なクエリ
デメリット 大量データの操作に不向き、API設計が複雑になることがある 重いプロトコル、設定が複雑 学習コストが高い、サーバー側の開発の負担が増える

 

まとめ

API、Web APIの基本的な概念から、代表的なWeb API(Google Maps API、Twitter APIなど)の紹介、そしてAPIの種類(REST、SOAP、GraphQL)について解説しました。APIは異なるソフトウェア間でデータや機能を共有するための不可欠なツールであり、それぞれの種類が特有の設計思想と利用シナリオを持っています。
既存のAPIを利用して開発コストを削減したり、APIの開発をする際の参考になれば幸いです。

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