企業が知るべきオフショア開発のコツ:失敗を避ける方法
IT業界では国内エンジニアの慢性的な人材不足に伴い、オフショア開発と改めて向き合う企業も増えていると思います。弊社では、これまで数多くのプロジェクトをオフショア開発で実施してきました。その経験で得たノウハウをお話しできればと思います。
オフショア開発の成功の鍵は「コミュニケーション」!
オフショア開発を成功させるためには、何よりも「コミュニケーション」が重要です。 私自身、最初の頃は単に海外の人材をアサインして言語が合えば、コスト削減が進むと思っていました。 しかし、現実はそんなに簡単ではありませんでした。 適切なコミュニケーションが取れないと、仕様が正確に伝わらず、プロジェクトが思うように進まないことが多々ありました。
こちらについては言語だけではなく、オフショア側の開発リーダーと事前にドキュメントの内容を擦り合わせしたりプロジェクトの目的や方向性、クライアントの想いを共有することで、スムーズに伝わるようになりました。
実はこのようなことは、国内エンジニア相手でも必要でしたが、チャットで共有するなどで手を抜きがちなところでした。エンジニアにもしっかりキックオフを行い、ちゃんと伝えるべきことを想いを持って伝えることが重要だと理解しました。
コミュニケーションの重要性を理解し、適切な説明と環境を整えることで、オフショア開発の成功率は格段に上がります。 成功に向けたステップとして、まずは日本人と海外人材との間で確固たるコミュニケーション基盤を築くことが不可欠です。
総じて、オフショア開発においてコスト削減を追求するだけでなく、コミュニケーションの質を高めることが、プロジェクトの成功に直結する大切な要素であることを忘れないようにしましょう。
高品質なドキュメントがプロジェクトの命運を握る理由
オフショア開発においてもう一つ重要な要素として挙げられるのが、「高品質なドキュメント」の作成です。 適切なドキュメントがなければ、エンジニアたちに仕様が正確に伝わらず、結果としてプロジェクト全体のスケジュールが遅延するリスクが高まります。 そのため、詳細なデザインや画面設計書の作成が不可欠です。 これらの設計書は、エンジニアたちが仕様を確実に理解できるよう、英語に翻訳する必要があります。
まず、国内エンジニア向けに作成されたフォーマットでは、オフショアのエンジニアにとっては理解しづらい場合があります。
そこで、最初にフォーマットレベルでのすり合わせを行い、エンジニアたちにとってわかりやすい構成にすることが求められます。
例えば、図や表を多用し、視覚的にわかりやすい形式にすることで、言語の壁を越えて仕様を伝えることができます。
これを弊社ではリーダに対して行います。リーダが理解できれば、各メンバーへの説明はリーダが責任を持って行ってくれるからです。
また、ドキュメントの品質を高めるためには、レビューやフィードバックのプロセスを取り入れることも有効です。 国内エンジニアとは違ったフィードバックが必要な場合が多くあるため、同じ目線で見ずにオフショアならではのプロセスを構築することが重要です。
コスト削減50%!オフショア開発の驚くべき成果とは
オフショア開発を導入することで、コスト削減が期待できることは多くの企業で実証されています。 実際、私たちのプロジェクトでは、日本国内の開発チームだけで進めていた時と比較して、コスト削減が大きく進みました。 この大幅なコスト削減は、適切なコミュニケーション体制の構築と高品質なドキュメント作成によって実現されました。
オフショア開発の導入初期には、言語や文化の違いからくるコミュニケーションの難しさがあるかもしれません。 しかし、前述の通り、継続的な努力と工夫を重ねることで、これらの課題は乗り越えることができます。 例えば、定期的なビデオ会議やチャットツールの活用、詳細な仕様書やマニュアルの整備などを行うことで、リモートチームとの連携がスムーズに進むようになります。
ただし、全てのプロジェクトでオフショア開発が有効とは限りません。 特に小規模なプロジェクトでは、コミュニケーションコストが相対的に小さくなり、オフショア開発によるコスト削減効果が低減する場合があります。 大規模なプロジェクトでは、オフショア開発のメリットが顕著に現れやすいですが、小規模なプロジェクトではその効果が限定的になることを考慮する必要があります。
したがって、オフショア開発を検討する際には、自社のプロジェクトの規模や特性をよく考慮し、適切な戦略を立てることが重要です。 成功するためには、まずは小規模なプロジェクトで試験的に導入し、その効果を評価することが賢明です。 そして、得られた経験や知見をもとに、徐々に大規模なプロジェクトへと展開していくことが望ましいでしょう。
オフショア開発は、適切な方法で導入すれば、大きなコスト削減と効率的なプロジェクト遂行を実現する有力な手段となり得ます。 初めは困難に感じることがあっても、その先には大きな成果が待っていることでしょう。
まとめ
オフショア導入の課題を解決するためには、まず日本人がクライアントとのコミュニケーションを全て行い、海外エンジニアに対しては詳細なドキュメントや適したコミュニケーション方法を用意して取り組むことです。さらに、海外エンジニア向けの適切なレビューとフィードバックで、ノウハウを蓄積したり、意見を収集することで効率的に進めます。これにより、スケジュールを遵守し、品質を保つことができます。
オフショア開発の導入を検討している企業や、一度導入に失敗した企業の皆さん、オフショア開発を成功させるためには、コミュニケーションと高品質なドキュメントが不可欠です。継続的な努力が実を結ぶことを信じて、ぜひチャレンジしてみてください。
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