仕事や趣味で日常的にパソコンを使用している方の中には、ストレージの容量不足に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
実際、ストレージの容量が不足してしまうと、新しくアプリやソフトウェアをインストールできなかったり、パソコンの動作が重くなったりといった不具合が発生します。
対策として、ストレージ内のデータを整理するのも大切ですが「そもそも不要なデータがあまりない」という方もいらっしゃるかと思います。
そのようなお悩みの解決策として有効なのが「外付けHDD」です。本記事では、外付けHDDの概要や用途といった基本的な内容から製品選びのポイントまで詳しく解説します。
自分にとって最適なスペックをもつ外付けHDDを購入したい方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
外付けHDDとは?
外付けHDDとは、USBケーブルなどでパソコン本体に接続して使用する記憶装置(ストレージ)のことです。
そもそもHDDとは「ハードディスクドライブ」を意味する言葉で、パソコンに内蔵されている記憶装置(=ハードディスク)をデバイス化した製品を指します。
なお、外付けHDDのおもな用途は以下の通りです。
- 重要なデータのバックアップ
- パソコンのストレージ容量の増設
- 大容量のデータの持ち運び
- プライベートで使用する写真や音楽の格納先として
- テレビ番組や映画など大容量ファイルの格納先として など
一般的にパソコンのストレージ容量を増やす場合、内部データの整理や物理的な容量の増設、PCの買い替えといった面倒または、コストがかかる手順を踏まなければなりません。その点、外付けHDDを活用することで、比較的低コストかつ手軽にストレージ容量を確保できます。
なお、Windousのパソコンに搭載されている記憶領域「Cドライブ」の空き容量を増やす方法を知りたい方は、下記の記事も合わせてご確認ください。
関連記事:「Cドライブ 空き容量 増やす 」
外付けHDDの基本的な選び方
外付けHDDを購入する際、以下のようなポイントを重視して製品を選ぶのがおすすめです。
- 接続端子を確認する
- 用途に合ったサイズ・種類の製品を選ぶ
- RAID対応しているか確認する
それぞれのポイントについて詳しく解説しますので、製品選びにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
接続端子を確認する
外付けHDDを購入する際、使用しているパソコン側とHDD側の端子を確認しておきましょう。
一般的に外付けHDDは、USBケーブルを使用してパソコンと接続します。ただし、USBケーブルは端子の形状が異なるさまざまなタイプの製品が提供されているため、接続する機器に合ったものが必要です。
なお、それぞれの機器に搭載されているおもなUSB端子の種類は以下の通りです。
パソコン側のUSB端子 | ・TypeA ・TypeC など |
外付けHDD側のUSB端子 | ・TypeB ・TypeC ・MicroB など |
またUSB端子は形状だけでなく、対応している転送速度の規格も異なります。最新のUSB規格の種類と転送速度は以下の通りです。
規格の種類 | 最大転送速度 |
USB1.1 | 12Mbps |
USB2.0 | 480Mbps |
USB3.2 Gen1(USB3.0、USB3.1 Gen1) | 5Gbps |
USB3.2 Gen2(USB3.1 Gen2) | 10Gbps |
USB3.2 Gen2×2 | 20Gbps |
USB4 | 40Gbps |
現在主流で使われているのは「USB3.2シリーズ」ですが、2019年に「USB4」が発表されて以来、対応している製品も増加しています。データ移動をスムーズに済ませたい方は、できるだけ新しいUSB規格を搭載している製品を選びましょう。
用途に合ったサイズ・種類の製品を選ぶ
現在販売されている外付けHDDは、おもに「ポータブルタイプ」と「据え置きタイプ」の2種類に分かれます。製品タイプごとのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
ポータブルタイプ | ・コンパクトかつ軽量で持ち運びに便利 ・外部電源に接続しなくても使用可能 |
・バッテリーの充電が必要 ・容量は同じ場合でも置き型タイプより価格が高め |
据え置きタイプ | ・大容量製品が多い ・容量あたりの価格が安価でコスパがよい ・通信速度が速い |
・サイズが大きく、重い製品が多いため設置場所に困りがち ・使用するには外部電源への接続が必要 |
したがってHDDを持ち運び、外出先でも活用したい方は「ポータブル型」を、固定の場所でデータのバックアップなどに活用したい方は「据え置き型」を選択するのがおすすめです。
RAID対応しているか確認する
「RAID」とは複数のハードディスクを連携し、万が一、ひとつのHDDのデータが消えてしまっても他のHDDでバックアップできる機能を指します。
RAID機能を搭載した対応製品を活用することで、ひとつのデータを複数のHDDに分散して保存できるため、データ消失のリスクを軽減できます。また、複数のHDDに分散してデータを書き込むため、処理速度が速いのも特徴です。
データロスト対策だけでなく作業効率も上がるため、複数台のHDDを活用・購入を検討している方は、RAID対応製品で揃えるのもよいでしょう。
【用途別】外付けHDDの容量の選び方
外付けHDDを購入する際、もっとも悩みがちなポイントが「容量」です。一般的には1〜2TB程度の製品が主流ですが、保存するデータのサイズや量によっては、すぐに足りなくなってしまう可能性もあるため、用途に合った容量の製品を選ぶ必要があります。
そこで、用途や保存するデータの種類ごとにおすすめのストレージ容量をご紹介します。購入後の後悔を予防するためにも、ぜひ参考にしてください。
テキストファイルや写真・音楽を保存するなら「1〜2TB」がおすすめ
テキストファイルや写真・音楽などの保存をメインとする場合なら「1〜2TB」の外付けHDDで十分です。保存したいデータの量が多い場合、2〜4TB以上の製品を検討するのもよいですが、少なからずデメリットもあるため、慎重な判断が必要となります。
実際、外付けHDDは容量が大きければいいというわけでもありません。1台に大量のデータを保存できるのはメリットですが、HDDが故障した場合、大切なデータを一気に失ってしまう可能性があります。
容量の大きさに比例して、製品価格も上がる傾向があるため、1〜2TBの外付けHDDを必要に応じて、買い足していく方法をおすすめします。
動画を保存するなら「2〜4TB」あると安心
データのサイズが大きいテレビ番組や映画など動画の保存をメインとする場合「2〜4TB」の外付けHDDを選ぶのがおすすめです。
画質や長さによって異なりますが、動画ファイルを保存するには10MB〜5GBもの容量を使用します。なお、1TBのHDDに保存できる動画の長さの目安は以下のとおりです。
- 地上デジタル放送の録画データであれば約120時間
- BS放送の録画データであれば約60時間
- 4K画質の動画データであれば約45時間
たとえば、4K画質の2時間映画を保存したい場合、1TBの容量があっても22本前後でいっぱいになってしまうため、なるべく大容量のHDDを用意しておくと安心です。
ただし、見た動画をすぐに消すなど、ストレージをこまめに整理するのであれば「1〜2TB」でも十分活用できるため、ご自身の使用状況から適切な容量を判断しましょう。
まとめ
パソコン内部のデータのバックアップやストレージ容量を確保するために重宝する「外付けHDD」。購入を検討するなら、用途に合った製品選びが大切です。
たとえば外出先に持ち運んで使用したい方はコンパクトな「ポータブルタイプ」、なにかあったときのバックアップとして大量のデータを保存したい方は「据え置きタイプ」というように、HDDを使用する場所や使い方から最適な種類の製品を選択しましょう。
また、HDDを選ぶ際には、どの程度の容量が必要なのかも考えなければなりません。「購入した外付けHDDの容量がすぐにいっぱいになってしまった…」といった後悔を招かないよう、保存するデータのサイズや量から適切な容量を検討しましょう。