国内ハイパーコンバージドインフラストラクチャ利用動向(2021)-IDC
IT専門調査会社 IDC Japanは、国内ハイパーコンバージドインフラストラクチャ利用動向調査結果を発表している。
この調査では、国内企業/組織におけるITインフラ導入の意思決定やITインフラ導入のプロセスに関与する回答者を対象としたアンケート調査を2021年7月に実施し、473人から有効回答を得ている。
調査の結果、HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)の利用率は25.6%となり、アーリーマジョリティへの普及が続いている状況である。
今後HCIの利用意向を示す回答は70.0%におよび、今後の利用意向も高い状況にあることが見て取れる。
そして、HCIの利用理由であるが、ビジネスニーズに対応できる俊敏性の向上、パフォーマンスの向上、ハイブリッドクラウドの実現が上位となっている。
HCIの利用理由
n = 452
Note: 複数回答、上位6項目を抜粋、HCIを利用中/利用計画中の回答者
Source: IDC Japan, 9/2021
HCIの導入が視野にあるとなれば次に気になるのは、HCIの製品ベンダー選定であろう。選定の際には、ハイブリッドクラウドの実現、システムインテグレーションや運用の能力を最も重視するとした回答者が多い結果となっている。
部門/役職別ではCIO(Chief Information Officer)層がこれらの基準を重視する割合が高くなっているという。加えて、CIO層ではデジタルトランスフォーメーション(DX)やビジネス変革を支援する能力やエッジコンピューティングについても重視している。
HCIの購入先に対する要望は、最適なHCIの見極めと、ハードウェアとソフトウェアを統合した保守サービスの提供が上位となっている。
ハードウェアベンダーにはHCIの運用代行と、HCI以外も含めたITインフラの運用管理サービスや設計能力の強化、取引関係のあるシステムインテグレーターにはHCIの構築スキルの向上も求められている。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャのシニアマーケットアナリストである宝出 幸久氏によれば「HCIは、既存のITインフラを刷新するのみならず、DXを推進するためのITインフラ変革を実現するソリューションとして、運用管理の自律化やハイブリッド化するITインフラストラクチャの最適化といった機能強化に対する期待が高い」と分析している。
詳細な内容はIDCが発行した2021 年 国内ハイパーコンバージドインフラストラクチャ利用動向調査 にその詳細が報告されている。
このレポートでは、HCIの利用率や今後の利用意向、利用理由などの普及状況に関する調査結果、HCIの導入時の課題やHCIの導入効果の項目別の貢献割合など、HCIへの移行やHCIの導入効果に関する調査結果、HCIのベンダー選定基準や購入先に対する満足度、拡張計画や今後の機能強化に対する期待などの将来計画に関する調査結果を分析している。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ48249521