国内トラディショナルPC市場実績(2021年第2四半期)-IDC

IT専門調査会社 IDC Japanは、日本国内におけるトラディショナルPC市場出荷実績値について発表。
コロナ特需も落ち着きを見せたのか、国内トラディショナルPC市場の出荷台数は、2021年第2四半期(4月~6月)で328万台、前年同期比は17.3%減に。

2021年第2四半期の国内トラディショナルPC市場は、1年ぶりに前年同期比でマイナスへ転じています。この1年間はGIGAスクール構想や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応の為、在宅勤務やオンライン学習などが拡大したことによりノートブックPC需要が伸長したものの、当該四半期にはそれらの需要が一段落したこと、またCPU、ディスプレイ、ICチップなどの部材不足によって需要の一部を逃したことなどが2021/2Qの結果の背景にあると考えられます。

法人市場に目を向けるとデスクトップPCからノートブックPCへのシフトが進んでおり、デスクトップPCはWindows 10へのマイグレーションが落ち着いた2020年第1四半期からマイナス成長が続いていますが、当該四半期にはノートブックPCがスローダウンしたことによって法人市場全体で前年同期比が二桁減となっています。
家庭市場はWindows 10へのマイグレーション、感染症対策、GIGAスクール構想など波及効果などがドライバーとなり2018年第4四半期から前年同期比でプラス成長が続いていましたが、これらの需要も落ち着いてきたことから当該四半期にはついにマイナスへと転じています。
また、主要部材の供給不足などもあり、ニーズがあるにもかかわらず、モデルを供給できなかったことで売り時を逃したことも原因の一つと考えられています。

2021年第2四半期のカンパニー*1別の出荷台数シェア上位5社は、レノボ/NEC/富士通グループがトップで36.8%、2位は日本HPが16.0%、3位はデルの14.1%、続いてアップルが8.6%、シャープ(ダイナブック)*2が7.3%となりました。

2021年第2四半期 国内トラディショナルPC出荷台数 トップ5カンパニーシェア


Source: IDC Japan, 9/2021
Companies Covered
HP Inc.Fujitsu LimitedSharp CorporationDell Inc.Lenovo Group LimitedNEC CorporationApple Inc.

前年同期比でみると、増加したのはM1チップ搭載のノートブックとデスクトップが好調なアップルのみで、レノボ/NEC/富士通グループ、日本HP、デルの上位3カンパニーは20%以上落ち込んでいます。
GIGAスクール構想の対象が小中学校から高校に移行したことに伴う需要規模の減少や部材不足によって需要をタイムリーに取り込むことができなかったことが影響していると思われます。

IDC Japan PC, 携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川 和子氏は「トラディショナルPC市場の刺激材料はWindows 11であるが、どれほどのアップリフト効果があるかについては慎重に見極めたい」とコメントしています。

 

この発表の詳細はIDCが発行する「国内PC市場2021年第2四半期の分析(IDC# J21201309)」にその詳細が報告され、2011年第1四半期~2021年第2四半期の国内PC市場実績値が掲載される。
本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自に分析を行い算出したものである。
ここでいう国内のトラディショナルPC市場には、デスクトップPC、ノートブックPC、ワークステーションが含まれています(x86サーバーは含まれていません)。
IDCではより正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っております。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。

注*1:カンパニーとは、IDCの調査レポート期間において、期間内に発生した買収・統合の結果を反映する財務・法務的な企業ないし企業グループである。
注*2:IDCの定義上は、当該法人のカンパニー名はシャープである。日本におけるプレスリリースに限り、ダイナブックを括弧付きで併記している。


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ48192321

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