【情シス基礎知識】情シスも知っておきたい「業務PC導入方法」
2018/06/15
Windows7のサポート終了までおよそ1年半。Windows10への移行を進めている企業も多いのでは?それに伴い去年あたりからPCの買い替えなども増えているとも。これから導入するならば、どのような方法が得策なのか、じっくりと検証していきます!
この記事の目次
【どうする業務PC】いろいろ悩む導入前
スマホやタブレットが普及しても、オフィスワークはまだまだ業務PCがあってこそ。新入社員や中途社員のため、PC調達に東奔西走した。また、これから担当になるかもという人もいると思います。
さて、今回のテーマは業務PCについて。果たして、どのように用意するのがベターなのか。購入orリース? デスクトップorノート? さらにスペックは? 調べてみるといろいろなことがわかってきました!
【購入VSリース】判断材料は経営状況?
まず、購入とリースのおさらいから。
購入とは、法人としてPCを買うこと。個人購入の場合とは違い、業務PCは、メーカーや販社などからの購入が通例。とはいっても注文は手軽で、DELLやNECなどのメーカーでも、大塚商会などの販社でも、ドスパラやツクモなど法人対応のショップでも、営業さんに「〇〇台を購入予定、見積りを」と言えば、見積りを出してくれます。一括購入であればボリュームディスカウントがあり、一台分無料など特典が付く場合もあるので、相見積をして検討するとよいでしょう。
一方のリースは、「リース会社が購入した業務PCを借りる」こと。自前で購入するわけではなく、期間契約をして、「PCの購入額」や「金利」「保険料」などが含まれた「リース料」を支払い利用します。期間が終わればPCは、リース会社に返却です。似たサービスに「レンタル」もありますが、リースとレンタルの大きな違いは「期間の長さ」。レンタルは1日から借りることができますが、リースは2年以上の契約になります。
さて、購入とリース、どちらがよいのでしょうか?
実はこれが結構悩みどころ。結論をいえば、「企業の状況によりけり」です。購入の場合、導入にはまとまった現金が必要になります。一方、リースでは、月々のリース料で賄え、一時的な現金を用意する必要はありません。しかし、先述したようにリース料にはさまざまなマージンが上乗せされていて、コスト総額は購入よりも高額に。のちのコスト発生を懸念するのであれば購入、安定した資金繰りを求めるのであればリースが有効だといえます。
また、費用だけではなく、「税制面」の違いも知っておきましょう。購入では、PCは「減価償却資産」に相当し、購入費の大部分をその年の「損金」として計上することも可能。その年のビジネスが黒字であれば節税対策になります(中小企業の場合)。対する、リースは、月々のリース料の「経費扱い」が可能です。また、購入ではPCは会社の資産になるものの、リースPCは固定資産税の対象にはなりません。
税制の話もあり、少しややこしかもしれませんが、このように購入とリースを検討する場合、購入時のキャッシュフローや経営状況も判断材料になります。
【デスクトップVSノート】選ぶならどっち?
デスクトップPCとノートPCどちらにするか? これも大きな悩みどころでしょう。しかし、これからの導入であれば、情シスナビがオススメしたいのは断然ノート。なぜなら、今、業務でもっとも使われているPCだからです。
キーマンズネットが2017年に実施した「業務用PCの利用状況」アンケート結果によれば、ノート利用率は449名の回答者のうち74.2%。対してデスクトップは50.8%となっています。規模別に見ても、社員100人以下では「61.3%対63.4%」とデスクトップが上回りますが、101〜1000人以下「74.9%対55.4%」、1001〜5000人以下「81.4%対47.7%」、5001人以上「78.9対32.6%」となり、いかにノートが利用されているかがわかります。
また、コスト削減を命題にする企業にとって大きなメリットを期待できるのもノート。電気消費量はデスクトップの「約1/3」といわれており、節電対策にも寄与してくれます。加えて、「携帯性やサイズ感」から、部署移動で買い替えの必要もなく、規模の小さなサテライトやブランチの設立でもオフィススペースを確保できます。
コストを抑えつつ、ビジネスの変化に柔軟な対応が求められる現代。この時代の業務PCとして、ノートは多くのメリットを持つ選択だといえるでしょう。
【気になるスペック】情シスの賢いノートPC選び
ノートPC導入を決めたといっても、最後に困るのが「どのノートを選ぶか」。大げさかもしれませんが、星の数ほど種類があるこの時代。どんな視点から導入機種を決めていけばよいのでしょうか?
【CPU &メモリ】低スペックは避け、業務に合わせて吟味する必要アリ!
みなが使うものがだから、価格は安くスペックは最低限。そんな意見もたびたび聞きますが、低スペックでは業務が滞ってしまう可能性も。業務内容に合ったスペックを用意するのがベストです。
たとえば、「CPU」の選び方。格安ノートのCPUにはよくCeleronが搭載されていますが、動作が遅いとの声が多数。基幹システムやグループウェア、メールなど多数のアプリの同時活用を想定した場合、少し不安です。そこで、オススメなのが「Core iシリーズ」。動画編集など重たい作業が必要であれば、Core i5とCore i7のどちらかを選ぶとよいでしょう。
次に「メモリとストレージ」の選び方。メモリは4GB以上がオススメ。Windows10利用が今後のスタンダードになりますが、64ビット版の要件は2GB以上。さらに、業務環境に合わせてさまざまなコラボツールを利用というように、アプリ追加が当たり前の現状を考えれば、ギリギリのメモリは業務に支障をきたしてしまう可能性大です。
ストレージでは、HDDかSSDかといえば、SSD。Windows環境では、HDDに比べて起動時間を30%削減できるといわれています。スムーズな業務環境は生産性に直結。こちらも重要な検討材料になります。
【サイズ&解像度】サイズも解像度のキーワードは「汎用的」
サイズの選定基準は「デスクでも社外でも使える」こと。デスクメインではなく、携帯性を考慮して、「ビジネスバッグに収まるサイズ」がポイントです。そうなると17インチのような大型ノートではなく、候補は13インチ、大きくても15インチ以内が妥当です。
解像度では、あまり高解像度を求めなくてもよいように思われます。解像度は高くなればなるほど表示文字が小さくなるので、高齢の社員にとっては厳しい一面も。主流の1366×768、または1920×1080のフルHD画質でも調整ができるものを選ぶべきです。
【光学ドライブ】今後を考えれば不要かも?
アプリのインストールに今まで用いられていた光学ドライブ。一方最近では、Web経由でインストールが可能なアプリが増え、光学ドライブ非搭載のノートも増えています。環境によりけりですが、DVDやCDの活用がなければ不要です。
【キーボード】最大の難関?とにかく打鍵しやすいものをリサーチすべし!
意外かもしれませんが、ノート選びでキーボードはかなり難しいポイント。メーカーやサイズによっても打鍵感がかなり異なり、社員の適正よって入力ミスが頻発することも。事前にレイアウトなどを確認しておきましょう。
*余談:この記事の執筆はsurface Pro3を使用。かなりヘコヘコして使いづらく、Macのワイヤレスキーボードをむりやり同期させて書いてます・・・
【その他】ウェブ会議ニーズ高、周辺機器も使えるように
その他の選びどころとしては、Webカメラの搭載も確認しておくとよいでしょう。昨今、コラボツールの普及からカメラ会議のニーズも高まっています。加えて、Bluetoothも押さえておけば、ワイヤレスマウスなどの利用も可能になります。
以上、主な検討ポイントを挙げてみましたが、ノートPCでも、こだわりどころはたくさん。新品・中古問わず、また価格だけで決めず、ぜひそれぞれの環境にベストな機種を選んでください!
【執筆:編集Gp 坂本 嶺】